開催報告 - 最先端の教育と未来への展望

2019年11月26日

MIRAISEは、2019年11月26日(火)に未来図会議04を東京大学駒場IIキャンパスにて開催しました。

MIRAISE未来図会議は、多種多様な業界の第一線で活躍するフロントランナーを、講師としてお招きし開催する定期的な勉強会です。

各業界の最先端の取り組みから発想を飛躍させ、現在とのギャップを埋めるテクノロジーやサービスを皆で考える時間です。MIRAISEの投資家、投資先起業家、メンター、企業パートナープログラム※の皆様と共に大胆な議論展開を意図しています。

※MIRAISE企業パートナープログラムは、国内外の最新のスタートアップに関する情報の共有や、未来図会議への参加機会が提供されます。

テーマ

最先端の教育と未来への展望

東京大学先端科学技術センター教授 中邑賢龍氏をお招きして、現在の画一的な日本教育に東大が挑む「異才発掘プロジェクト(通称ROCKET)」での取り組みを中心に、教育のあるべき姿について大胆に語って頂きました。

今回の会場は中邑先生率いるROCKET(後述)のご厚意で、東京大学先端科学研究センター(東大駒場IIキャンパス)を使わせていただきました。

スピーカー

中邑 賢龍(ナカムラ ケンリュウ) 氏

東京大学先端科学技術研究センター教授  

<タイトル>
2005年 4月  東京大学先端科学技術研究センター特任教授
2008年 4月  東京大学先端科学技術研究センター教授

<主なプロジェクト歴>
テクノロジーを活用して障害のある若者達が大学進学できるようその準備をサポートするDO-IT(Doing Opportunities Internetworking Technology)の元ディレクターとして全体の統括に従事

重度重複障害のある子どもの動きを捉える技術活を生かしたコミュニケーションに関する研究に従事

読み書きに困難のある子どもたちのための学習認知サポートに関する研究に従事

既存の教育システムの中に馴染めない子どもたちのための教育の機会を提供する教育プロジェクト、異才発掘プロジェクトROCKETのディレクターとして全体の統括に従事

異才発掘プロジェクト(通称ROCKET

「新しい学びへの挑戦」
ROCKETは「Room Of Children with Kokorozashi and Extra-ordinary Talents」の頭文字をとったものです。そこにあるように学校を目指すものではありません。志ある特異な(ユニークな)才能を有する子ども達が集まる部屋(空間)です。

ここで選抜された子ども達が異才であると我々が評価しているわけでもありませんし、彼らを万能な天才に育てるプロジェクトでもありません。 また、いまの学校教育を否定し対抗するプロジェクトでもありません。

残念ながら、ユニークさ故にそこに馴染めない子ども達が学校にいなければならない事で不適応を起こす現状に疑問を感じています。彼らには彼らの新しい学びの場所と自由な学びのスタイルが必要です。それは決していまの学校教育システムと矛盾するものではありません。むしろ両輪であるべきだと考えています。

ユニークな子ども達が彼ららしさを発揮できるROCKETという空間を彼らとともに創造することによって、結果としてユニークな人材が育つ社会的素地が生まれるであろうと考えています。 学びの多様性を切り拓く挑戦です。

タイムライン

17:00:オープニング by MIRAISE
18:10:スピーカーによるプレゼン
18:55:Q&A・ディスカッション
19:30:懇親会
21:00:クロージング

イベント当日の様子

主催者 MIRAISE 岩田の開催後コメント

「最先端の教育と未来への展望」をテーマに、中邑賢龍氏には「無双」をお願いしてご講演いただいたのですが、その通りの迫力を感じて頂けたのではないかと思っております。当日は鋭い視点のご質問も多数頂き、単に理想像だけではない視点が加わったことで議論が深くなり、より自分ごととして身近に感じることが出来ました。

懇親会ではご参加者の方から「感動した」というフィードバックを頂きました。僕自身も中邑先生の「怒り」と、深い「愛」にグッと来る場面が何度もありました。個人的には「子どもに10日分のお休み券」を付与するお話や「ダイバシティとは隣人を受け入れること」という話は、まさに awakened という体験でした。

一見、テックとかけ離れているような今回のようなテーマこそ、ベンチャーキャピタルとして持つべき高い視点であり、実際、今回の中村先生のすべてのお話にビジネスとしてもチャンスを感じました。次世代を担うベンチャーキャピタルとして、ethics の重要さを感じました。


MIRAISEのVCとしてのテーマは「常識のアップデート」です。

投資活動や起業家の事業進展には想像力が必要です。未来図会議では参加者それぞれが未来に思いを馳せ、自分があたかもその未来から現在を振り返ってみるという思考実験をしています。その未来と現在を埋めるテクノロジーや人々の行動変容はどのようなものになるだろうか… そのような気付きや妄想を膨らませて皆で議論することで普段とは違うアプローチから「常識のアップデート」のヒントを探っています。
その他のイベントアーカイブは、MIRAISE NEWS > STORY からご覧いただけます。

#エンジニア #起業家 #スタートアップ