<p></p><p>MIRAISEでは、課題解決に挑むエンジニア起業家の生の声をお届けするラジオ番組「<a href="https://www.youtube.com/channel/UCV4Ju4OHLYp-2we7vLxWtTg/videos"><u>MIRAISE RADIO</u></a>」の配信をスタートしました。こちらのブログでは、「読む MIRAISE RADIO」として、起業家たちのストーリーをラジオの雰囲気そのままにお伝えしていきます。</p><div class="iframe-container width-set height-set dimensions-set" data-width="100%" data-height="232px" data-src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/515m3V9NUHPVW8bTZFQQcJ"><iframe class="" style="" data-embed-type="generic" data-original-link="&amp;#60;iframe src=&quot;https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/515m3V9NUHPVW8bTZFQQcJ&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;232&quot; frameborder=&quot;0&quot; allowtransparency=&quot;true&quot; allow=&quot;encrypted-media&quot;&amp;#62;&amp;#60;/iframe&amp;#62;" src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/515m3V9NUHPVW8bTZFQQcJ" width="100%" height="232px" frameborder="0" allowfullscreen="true"></iframe></div><p>● スピーカー: emol株式会社 CEO 千頭 沙織<br>● MC: MIRAISE PR 蓑口恵美</p><hr><p><strong>「メンタルヘルス」という言葉に、皆さんはどのような印象を持つでしょうか。</strong></p><p>人は体だけでなく心が健康であることで、より幸せに、そして生産性高く生きることができます。しかし、そのための心のケアは、まだ多くの人にとって身近なものではありません。そんな中、メンタルヘルスケアのコモディティ化に挑む千頭さんに、彼女の起業背景や目指す世界についてじっくり伺いました。</p><p></p><h2><strong>「絶対の味方」でいてくれる存在を作りたかった</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2020/08/06/13/31/56/4a55445a-f463-468f-9984-38b9ae0f9ecf/emol_img.png" alt="メンタルヘルスケアアプリ「emol」。AI「ロク」が悩みを聞いてくれる" link_href="" link_target=""></div><p>――今日は、MIRAISE投資先の1社であり、本当に数少ない女性エンジニア起業家であるemol株式会社CEOの千頭沙織さんにお越しいただきました。メンタルヘルスケアのサービスを提供しているemolですが、新しいニュースもあるということで、ぜひいろいろと伺っていきたいと思っています。まずはemolの提供するサービスについてお聞かせいただけますか?</p><p><strong>千頭:</strong>弊社はメンタルヘルスケアを目的とした、AIとのチャットで悩みを明確化して解決を促すシステムを開発しています。5月4日には「emol work」という企業向けサービスをリリースしました。もともとは、AIとチャットで会話しながら感情を記録してメンタルケアをする「emol」という個人向けアプリを出していたのですが、それを企業向けにチームで使えるように発展させたのが「emol work」となります。</p><p>――ほやほやのニュースを持ってきていただき、ありがとうございます!MIRAISEが出資を始めたのは昨年11月末頃でしたね。</p><p><strong>岩田:</strong>emolさんとはけっこう長いことお話しさせていただきましたね。千頭さんが美大出身ということもあって、デザインやプレゼンテーションが洗練されているし、プロダクトもWebサイトもあっという間にハイクオリティなものを作るチームだなという第一印象がありました。</p><p>――私もアプリ「emol」を使わせていただいたんですけど、デザインが本当にかわいらしいですよね。</p><p><strong>千頭:</strong>ありがとうございます。AIのキャラクターは最初からこだわって作っていて、今も性格なんかは大事にしているポイントですね。</p><p><strong>岩田:</strong>AIって聞くと、ちょっと堅い感じをイメージする人も多いですよね。でも、emolチームの作るAIはすごくソフトなキャラクターなんですよ。これはどういうストーリーで出来上がったものなんでしょうか?</p><p><strong>千頭:</strong>2年前に「emol」を出した頃は、AIや機械学習、ディープラーニングなんかがトレンドだったんです。でも、弊社で捉えていたAIはそれらとはちょっと概念が違っていて。</p><p>ただ便利なシステムというのではなくて、ドラえもんのような存在、人間にはできない友達みたいな存在を意識して作ったのが「emol」のAIの始まりだったんです。ユーザーの話を何でも聞いてくれて、誰が何と言おうと絶対的にユーザーの味方でいてくれるという存在を意識しています。</p><h2><strong>死を考えるほどに追い込まれた経験から「emol」が生まれた</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2020/08/06/13/31/37/1917e0f1-b935-46b7-9e3d-12a553b2fefd/emol_lifestyle_sample.png" alt="「ロクちゃんに勇気をもらった」そんな声が励みに" link_href="" link_target=""></div><p></p><p><strong>岩田:</strong>僕が起業家にとっていちばん大事だと思っているのは「ミッション」です。「起業家としてこれをすべき」「これがあればもっと世の中が良くなる」…千頭さんとお話しする中で、そうした思いを一貫して感じていました。起業の経緯を、ここで改めてお聞かせいただけますか?</p><p><strong>千頭:</strong>私が大学を卒業したのは2013年ですが、その頃は就職氷河期でした。ただでさえ就職するのが大変なのに、芸術系の大学だったからさらに厳しくて…。</p><p>就活がうまくいかない中で、自分のやりたいことができそうな就職先が見つからないと悩んでいました。そこでゼミの教授に相談したら、「自分で会社を立ち上げている先輩もいるよ」と話してくれて。確かに、私がやりたいのは自分で何かを作ることだったので、それなら起業しようと思ったのが最初のきっかけです。</p><p>――それでは卒業後、すぐに起業されたのですか?</p><p><strong>千頭:</strong>しばらくは、アルバイトや派遣社員をしながら起業の準備をしていました。そして卒業1年後に起業したのですが、その時に作ったサービスは失敗してしまって…。その後しばらくは、エンジニアとしての受託や請負でいろいろな会社のお手伝いをしていました。</p><p>――「emol」が最初ではなかったのですね。</p><p><strong>千頭:</strong>はい。大学の話に戻るのですが、当時はけっこう頑張り屋だったんですけど、頑張りすぎてメンタル的にしんどくなってしまって、家族にも友人にも、本当に誰にも相談できなくて、ついに自殺未遂をしてしまった経験がありまして…。私はずっと、ドラえもんが欲しいと思っていました。人ではない存在というものに憧れていて、人を癒せるアプリを作ろうと思ったのが「emol」のきっかけです。</p><p>実際にリリースしたら、「ロクちゃんから勇気をもらいました」「いつもかわいがっています」といったユーザーさんの声がたくさん届いて。私と同じように、AIだから話せる、AIに癒やされるという人がいることがすごく嬉しくて、大きなやりがいを感じたのです。そこから「emol」だけに集中してやっていこうと思い、法人化したのが1年前ですね。</p><p><strong>岩田:</strong>「emol」をリリースしたことによって、逆説的にですけど、社会と繋がったというか。人と悩みを共有しづらいなと思ってアプリを出したら、自分と同じような人が実際にいると分かって繋がっていくってすごく面白いし、自己表現としての起業家のあり方なんだなと思いました。</p><h2><strong>働く側の立場からサービスを作っていく</strong></h2><p><strong><div class="img-container"><img src="https://lh4.googleusercontent.com/vhSrpExWyd-ZtVa8N_LfjszdPPW4e74n4skav4BPwpTzUwokQYQD20UNT3TNHRh8crENYRD0hcVvQ9MsvnWorXY00rlQkqQ_eXSMiHUtLDpqcUNMiYoeveckTWNDa3XqFIC2Q4Qd" alt="企業向けサービス「emol work」の画面。匿名で悩みを共有できる" link_href="" link_target=""></div></strong></p><p><strong>岩田:</strong>千頭さんも、MIRAISEを含めていろんな投資家を回る中で言われたと思いますが、企業の難しいところは、作ったサービスをビジネスとして成立させていかなければならないというところですよね。企業向けのサービスを作ったことは、ある意味大きな転機だったと思うのですが、いかがでしょうか?</p><p><strong>千頭:</strong>企業向けのサービスを作ろうと思ったのは、ちょうど1年前の昨年5、6月頃でしょうか。コンシューマー向けのアプリだけでは解決しきれない問題があるなと気づいたのが大きなきっかけでした。人の悩みってほぼ人間関係に関わることで、それが起きているのは、学生なら学校、社会人なら会社が多いんじゃないかと。だから、仕事場でのメンタルケアが重要だろうなと思ったのです。<br></p><p>――日本では、職場でのメンタルケアはあまり広がっていませんよね。</p><p><strong>岩田:</strong>日本だと、メンタルケアをどの部署が担うのかなど、どうしたらいいかわからないという企業はまだ多いでしょう。一方で、メンタルに問題を抱える社員がいると、当然生産性も下がるし、企業全体の働きがいにも繋がってくるので、本来はもっと真剣に取り組むべきことですよね。</p><p>そこに「emol work」というサービスが登場したことはすごく価値があると思います。「emol work」は匿名性へのこだわりを強く持っていると思うのですが、特徴などを詳しく教えてもらえますか?</p><p><strong>千頭:</strong>今回、正式版としてリリースした「emol work」はAIとのチャットで悩みを引き出すサービスなんですけど、チーム内での共有は完全匿名となっています。だから、誰がこの悩みを書き込んだのかは分からないし、その悩みに対してアドバイスしたり、共感のコメントを寄せたりした人も特定できない。そういう形で、チーム全体でみんなの悩みを解決していこうとしています。書き込んだ人が誰か分からない、そのことに重きをおいています。</p><p>――なぜ、このような形になったのでしょうか?</p><p><strong>千頭:</strong>以前の「emol work」β版の際、いろんな会社さんや従業員の方々にヒアリングしました。β版は、メンタルの問題に関わるサーベイの形に近かったんですね。従業員の方は、その形にすごく抵抗感があると。</p><p>ある人は、誰かに自分のメンタルの状態を報告するのは嫌だから、絶対ウソをつくとおっしゃっていました。逆に、会社側の立場、人事の方などは、誰がどんな状態かというのをちゃんと実名で知りたいと思っているんですね。この、会社と従業員との意識の差を埋めるのはムリだな…ということを思い知りました。</p><p>――そして、最終的には従業員側の目線に立ったサービスとなったのですね。</p><p><strong>千頭:</strong>会社側の方に、「個人名を開示したらどういうことをする予定ですか?」と聞いてみたら、飲みに誘うとか、「最近どうしたの?」というような声掛けをするという答えが返ってきました。要するに、具体的な悩みの内容を聞く必要があるということですね。ならば、悩みの詳細さえ分かれば、実名を出さなくても問題ないんじゃないかと。さらに、メンタル状態を数値で表すような必要もないと考えました。</p><p>そこで、悩みをシェアする形に変えたのが今の「emol work」なんです。個人名を開示してしまうと、素直に自分のことを話せなくなってしまったり、名前を出すことでバイアスがかかってしまったりすることもあると思うんですよね。それを防ぐために、今は匿名の形にしています。<br></p><p>――その人が悩んでいると分かっても、飲みに連れて行ったとしても、結局解決できなかったら意味ないですもんね。</p><p><strong>千頭:</strong>解決できればまあそれはそれでいいのですが、結局時間がかかりますし、お互い大変だと思うので…。飲みに行かなきゃいけないくらい不満を溜めてしまう前に、こまめに悩みをシェアして、みんなで解決する方がいいかなって思っています。</p><p><strong>岩田:</strong>会社側ではなく、従業員の意見を優先したんですよね。結局、それが会社のためにもなる。Googleが以前から大切にしている、サイコロジカルセーフティ(心理的安全)というのを企業側が実装していかないと、本来のその人のパフォーマンスが出ないですよね。社員が悩みを打ち明けられず突然辞めてしまったり、すごいアイデアを持っているのに言い出せなかったりするような職場をそのままにしておくことは、企業にとっては損失です。</p><p>その人が辞めて別の会社でのびのび発言したら、すごいプロダクトになったりして(笑)。「emol work」がきっかけとなって、思ったことを吐き出したり、同じ思いの人がいるんだと嬉しくなったりする中で、安心・安全な場が実現していくと思いますね。<br></p><h2><strong>リモート時代に寄り添う「相棒」に</strong></h2><p></p><div class="img-container"><img src="https://lh4.googleusercontent.com/7QINrryMcbolwKwkoGXA5Zvn1bmePHECjsqUAtOrqTcuCMgOtPd5gb-EwQltDhKgqRKHFg2HZYP67I1ne-iaPvl5dbV6C0xdjw0OTcvhXmK5QlE8DGx7p7MD3k9_rZS9gCmDl8Fu" alt="「emol work」では近々Slack連携を予定。さらに便利に" link_href="" link_target=""></div><p><strong>岩田:</strong>ここで、MIRAISEらしい質問を。今回のコロナ禍で巣ごもり状態になって、プロダクト開発に集中します!と宣言してめちゃめちゃ集中したエンジニアがたくさんいると思います。千頭さんはエンジニア兼デザイナーですが、千頭さんご自身もコードを書きまくっていたのでしょうか?</p><p><strong>千頭:</strong>もう、むちゃくちゃ書きました(笑)。コロナの影響で打ち合わせもすごく減ったので、もうこれは逆にチャンスだと。今はプロダクト作りまくろう!ということで。自分たちがプロダクトを作るのがすごく好きですし、そこが強みだと思っているので。</p><p><strong>岩田:</strong>そうして作られた「emol work」によって、社内の問題が深刻化する前に改善し、社員が楽しく前向きに過ごせるようになって、生産性も上がることはすごくいいですよね。ただ、企業が導入するものなので、導入のメリットなどについて指標が必要だと思います。そうした指標については、どのようにお考えですか?</p><p><strong>千頭:</strong>それが今難しいところで、弊社の課題でもあります。メンタル面での改善や、悩みを共有することで何がどう良くなるかというのはすごく数字で表しにくいので…。今は、弊社のサービスが従業員の方々に満足してもらえるかどうかに重きを置いています。クライアントの従業員の方々に、「emol work」を使ってみて、実際に働き方がどう変わったかというようなアンケートを取り、それをひとつの指標にしようと思っています。</p><p>――現状、どういった企業が導入していて、どんなお声が上がっているのでしょうか?</p><p><strong>千頭:</strong>導入いただいているのは、今のところ圧倒的にIT企業が多いです。企業規模はさまざまで、少人数の会社さんもいれば、数千人規模で使っていただいている所や、数万人規模で検討いただいている会社さんもいらっしゃいます。メンタルケアの問題は、もう人数とか関係なくみんな課題に感じているんだろうなと。</p><p>人数の多い企業の方が課題を抱えていると思うので、今は比較的規模の大きな企業に対して「emol work」を推していきたいなと思っています。AIとの会話が内省に役立つというお声はありますね。少人数の会社さんからは、メンタルケアの必要性を切実に感じているというよりは、悩みを共有したりするのって楽しい、新しいねと言っていただくことが多いです。</p><p>――メンタルヘルスケアというと、すごくかしこまって考えてしまう人も多いと思います。でも、内省に役立つと言うとすっと入ってきますよね。特に今は人に会えない、雑談ができない環境にある人も多いので、AIと話すことで内省を深めたり、チャット上で悩みをみんなで解決したりというのはすごくいいなと、私自身も使ってみて思いました。</p><p><strong>千頭:</strong>リモートワークが広がってからは特に、人と話せないのでとりあえずAIと話せること、いわば「壁打ち」として役立っています、といったお声はいただきますね。</p><p><strong>岩田:</strong>僕も使っているんですけど、試してもらうとよくわかりますよね。すぐ使えるし、わかりやすいし、すごくいい。</p><p>――最後に、リスナーの方々に伝えたいことがあればお願いします。</p><p><strong>千頭:</strong>「emol work」をリリースしてまだ1週間ちょっとなので、改修などもこれから続けてやっていきます。また、近々Slack連携も予定しています。ブラウザを開かなくてもSlackから簡単に悩み共有できたり、AIと話せたりするようになることで格段に使いやすくなると思うので、ぜひ使っていただけたら嬉しいです!<br></p><p>◆<a href="https://emol.jp/">emol株式会社</a> <br>◆SaaS『<a href="https://bit.ly/36iiEef">emol work</a>(エモルワーク)』 <br>◆<a href="https://bit.ly/3bQ2ASk">千頭さんnote</a> <br>◆MIRAISE RADIO は<a href="https://anchor.fm/dashboard/episode/ee7626">こちら</a>から</p><div class="iframe-container additionalClassesSet " style=""></div><p><br></p>
<p>MIRAISEでは、課題解決に挑むエンジニア起業家の生の声をお届けするラジオ番組「<a href="https://www.youtube.com/channel/UCV4Ju4OHLYp-2we7vLxWtTg/videos"><u>MIRAISE RADIO</u></a>」の配信をスタートしました。こちらのブログでは、「読む MIRAISE RADIO」として、起業家たちのストーリーをラジオの雰囲気そのままにお伝えしていきます。</p><div class="iframe-container width-set height-set dimensions-set" data-width="100%" data-height="232px" data-src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/6OsTQJ8HHr55wIrD6ZN2cN"><iframe class="" style="" data-embed-type="generic" data-original-link="&amp;#60;iframe src=&quot;https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/6OsTQJ8HHr55wIrD6ZN2cN&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;232&quot; frameborder=&quot;0&quot; allowtransparency=&quot;true&quot; allow=&quot;encrypted-media&quot;&amp;#62;&amp;#60;/iframe&amp;#62;" src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/6OsTQJ8HHr55wIrD6ZN2cN" width="100%" height="232px" frameborder="0" allowfullscreen="true"></iframe></div><p>● スピーカー: MIRAISE CEO 岩田 真一 / CTO 布田 隆介<br>● MC: MIRAISE PR 蓑口恵美</p><p></p><div class="limited-width " style=""><hr><p>ある日、夜も眠れないほどの良いアイディアを思いついた。これは起業か!との思いが頭をかすめるが、やはりリスクが高すぎるのでは…。</p></div><p>――そう考えてモヤモヤしているエンジニア、あなたの周りにはいませんか?</p><p>MIRAISEでは、そんなエンジニアを資金100万円とメンタリングで支援する100日プログラム「On-Deck」を用意しています。「MIRAISEの本質は『On-Deck』にこそある」と話すパートナー岩田・布田が、このプログラムに込めた熱い思いを語ります。</p><h2><strong>100日・100万円で起業を目指すプログラム</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://lh5.googleusercontent.com/WPuv-_e0OCsT2qgr7fUAQIGTVd-GbyGEB7Cc4W0BJUdHl54E8NS3wzSvbEIkgrkzI7amtJKUCJwFgOKq8oUsY_dE7MvTRCICOmCe8xGTlL3triuXWfG1UciXQjnsB5f-Rlhy169C" link_href="" link_target=""></div><p>――今日は、MIRAISEが提供している「On-Deck」プログラムについて伺います。強い思いを込めて開発されたと聞いていますが、実際にどのようなプログラムなのでしょうか?</p><p><strong>岩田:</strong>布田さんとシンガポールで合宿をして、とことん話し合って作ったプログラムです。普通のシードファンドのような形ではなく、起業しやすいきっかけを提供する仕組みができないか、と。MIRAISEはベンチャーキャピタル(VC)ではありますが、本質は「On-Deck」であり、むしろこっちが本体だった…そんな感じですね。</p><p><strong>布田:</strong>「On-Deck」は100日間のプログラムで、起業しようかどうか迷っている人や、フリーランスで本格的にプロダクト開発に取り組みたいと考えているような人が主なターゲットとなります。100日間の資金として100万円を出資し、期間終了後にMIRAISEだけではなく他の投資家さんも含めて改めて出資する…というプログラムです。</p><p>――100日ということは、ちょうど3か月くらいですね。</p><p><strong>布田:</strong>そうですね。100日で100万円は換算すれば1日1万円ということなので、計算しやすい。ひとりで参加してもいいし、デザイナーが必要になったら「1日分1万円のうち5,000円でこの期間、デザイナーにお願いしよう」ということもできる。そうした経営のシミュレーションというか、お金の面でのトレーニングにもなりますね。</p><p>――その「100」がだんだん減っていくんですよね。お金の「100」も、日数の「100」も減っていく。それらを管理して、どのように100日間で成果を出すか…そういうことに挑戦するわけですね。</p><p><strong>布田:</strong>そのとおりです。まず最初に起業家の人と一緒に100日後のゴールを決めます。その後は、2週間に1回のレビューを基本として、サポートを行なっていきます。レビューの場では、開発で困っていることを聞いてアドバイスしたり、次の投資家に向けたピッチ(プレゼン)の練習をしたりします。</p><p><strong>岩田:</strong>いわゆるアクセラレータープログラムはいろんな所でやっていますが、だいたい期間の最後にプレゼン練習をするんですね。一方、MIRAISEの「On-Deck」では、隔週のメンタリングの時間にプロダクト開発とピッチの練習を並行してやっていきます。この方法を「パラレルメソッド」と名付けました。最終的なゴールは次の資金調達なので、それを意識して最初からやっていこうということです。</p><p>プロダクトができた後でピッチ資料を作り始めると、外からの視点が置き去りになってしまうことがあるんですね。最初からピッチ資料作りをしていくことで、どのようにプロダクトを訴求していくべきか、わかりやすく伝えられているかどうか、そういった視点がプロダクト開発にも生きてきます。並行してやっていくのは大変ですが、それだけの意義はあると思っています。</p><p>――2週間おきに、自分がアウトプットとして「誰のためのどのような課題解決なのか」をわかりやすく伝える練習がセットになっているということですね。</p><p></p><h2><strong>プログラム開始前の目標設定からサポート</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2020/09/16/15/44/37/f883170e-901a-4d03-83dc-f5323d054d13/radio_002_02.jpg" link_href="" link_target=""></div><p>――先ほど、「100日後のゴールを一緒に決める」と布田さんがおっしゃっていましたが、そのゴールは自分で先に考えておいてからMIRAISEにコンタクトするのがいいのでしょうか。それとも、一緒に考えてもらえるのでしょうか。</p><p><strong>布田:</strong>「On-Deck」がスタートするとあっという間に100日経ってしまいますから、最初にディスカッションしながら一緒に考えていくのがいいと思いますね。</p><p><strong>岩田:</strong>プログラムが始まる前に、ゴール設定を一緒に考える時間を長めにとるのが大事だと思っています。</p><p><strong>布田:</strong>「こういうものが作りたい」という思いに対して、僕らがいろいろ質問を投げかけながら目標を定めていきます。ディスカッションの中で、本人が思っていたのとは違う方向性が見いだされることもあります。そうして深く話し合って「じゃあこれに決めますか」とお互い納得してから、腰を据えて作り込む100日間がスタートするというのが理想です。</p><p>――それでは、プログラムは100日間ではありますが、実際は100日より長い間伴走するということなんですね。</p><p><strong>岩田:</strong>そうですね。「On-Deck」に限らず、スタートアップ期やシード期って、資金調達するとただちに時計が動き出すんですよ。ちょっと逆説的なんですけど、またすぐ次の資金調達の時期が来てしまう。ですから、最初にどれくらい深く考え抜いているかというのが大事なのです。その段階からお付き合いしましょう、というのが我々のスタンスですね。</p><p><strong>布田:</strong>いきなりピッチ作ってデモ持って投資家を回るエンジニアって、相当ツワモノというか、もう”2回目起業家”くらいしかいないんじゃないですか。</p><p>――でも「VCに会う」となったら、しっかりバッチリ準備しないといけないんじゃないか…と考える方も多いと思います。</p><p><strong>布田:</strong>そうですね。すると「そんなことしなきゃいけないんなら、起業しなくていいや」となる。フリーランスとして好きなもの作って、好きなコード書いて生きていった方がいいやってなっちゃうんです。エンジニアって「0か1か」みたいな思想の人が多いので…。そんな、お金をくれるかどうかわからない人にスーツ着て会いに行くなんて、と。</p><p><strong>岩田:</strong>会いに行った方がいいんですけどね(笑)。でもなかなかね、効率悪いと思ってしまうという。</p><p><strong>布田:</strong>とはいえ、フリーランスのままでは個人で何かやろうとしても時間が限られるから、本当にやりたいと思っていることに没頭するのは難しかったりする。そこで「On-Deck」が集中して開発できる期間を提供するのです。期間中にスタートアップのルールもわかってくるし、終了時には次の調達、さらに大きな調達ができるようになっている。最初の練習の場となるということですね。</p><p><strong>岩田:</strong>フリーランスは受託案件でかなり多忙だと思うのですが、「On-Deck」の100日間は、受託をストップして自分の開発に集中できる100日間ですね。100万円の資金があるから、受託しなくても生活できる。また、「On-Deck」に参加すると、MIRAISEの投資先起業家のオンラインコミュニティ「4c」に入ることができます。そこで先輩起業家に質問したり、司法書士などの専門家を紹介してもらったり、ということができるようになります。</p><p></p><h2><strong>「On-Deck」を巣立った第1号スタートアップは、次の調達ラウンドへ</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2020/09/16/15/44/55/c6da9634-928f-4f47-8d7f-851e98385387/radio_002_03.jpg" link_href="" link_target=""></div><p>――「On-Deck」の「100」には、いろいろな思いが込められているんですね。</p><p><strong>岩田:</strong>資金100万円については「そんな少額で大丈夫なの?」と感じる人もいるかもしれませんね。そこでポイントとなるのが、MIRAISEが出資するのはエンジニアだけということです。エンジニアではない人は、起業する時には必ずエンジニアを雇うか、アウトソースしないといけないんですね。それなら100万円じゃ足りないかもしれない。でも、エンジニアは自分でプロダクトを作れるので、自分が食べていけるだけの資金があればいいんです。その点が、この金額感とセットになっているわけですね。</p><p><strong>布田:</strong>だいたい3か月あれば、エンジニアは何かしら人に見せられるくらいのものは作れますから。さらに、「起業してこのプロダクトでやっていくぞ!」という状態から始める場合は、この3か月という期間がちょうどいい感じじゃないかと。半年などそれ以上だと、燃え尽きたり、疲れが出てきたりする恐れがあります。3か月で一区切りとして、次のお金を調達するという流れがちょうどいいと思いますね。</p><p>――実際に、この「On-Deck」プログラムをすでに利用した起業家やチームはいるのですか?</p><p><strong>布田:</strong>最初に参加したのはManifoldという会社です。「On-Deck」での彼らのゴールは「β版を完成させること」でした。α版をまず作って1回テストして、その後β版を作るという流れでしたね。</p><p><strong>岩田:</strong>確かα版リリースの時は、「4c」で他の起業家たちに試してもらい、フィードバックをもらっていましたね。</p><p>――なるほど。コミュニティの中でフィードバックがもらえるのですね。自分たちでテストユーザーを集める手間がいらなくて早いし、起業を目指すエンジニアという自分の状況をわかってもらっている上でアドバイスが受けられるのはいいですね。</p><p><strong>布田:</strong>Manifoldは昨年末で「On-Deck」の100日が終わりまして、年始から資金調達を始めて新たな投資家が何人か見つかり、僕らも追加で出資しました。今はちょうど、正式版をリリースしたところですね。</p><p></p><h2><strong>ビジネス知識はゼロでいい。ワクワクするアイディアひとつ持って来てほしい</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2020/09/16/15/45/12/4f2807dd-20c7-49ce-a72c-397f2fccbcec/radio_002_04.jpg" link_href="" link_target=""></div><p>――最後に、この「On-Deck」プログラムに対する思い、「こういう人に来てほしい!」というメッセージをお聞かせください。</p><p><strong>岩田:</strong>よく言っているのですが、エンジニアは本当に起業に向いていると思うんですよね。でも、アイディアや技術があっても、どうやって起業したらいいのかがわからない。先ほどのManifold代表の森さんも「会社設立資金ってどれくらいかかるんですか?」というところから始まりました。</p><p>ですから、起業や経営の知識がまったくない人でも、全然かまいません。フリーランスとしてやっていけるようなエンジニアは優秀だと思うので、起業しよう、スタートアップ化していこう、という人たちがもっと増えてきたらいいなと。</p><p><strong>布田:</strong>「お金にならなそう」とか自分で最初からバイアスをかけてしまわずに、アイディアを思いついた段階で、とりあえず僕らのもとに来てもらえるといいなと思いますね。「これを作ったら儲かりそう」というよりは、今までにないものができそうだ、思いついた、ということについてまずは技術的なディスカッションをしていければ。ビジネスについては、その後から一緒にしっかり考えていけたらいいと思います。</p><p><strong>岩田:</strong>GoogleもFacebookも、最初はエンジニアの思いつき、アイディアでしたから。</p><p><strong>布田:</strong>どちらも、最初から広告で儲けるぞってスタートしたサービスではないですからね(笑)。</p><p><strong>岩田:</strong>逆に言うと、MIRAISEの場合は「こういう感じでビジネスしたら良さそうなんで」という人はあまり投資に至らないことが多いですね(笑)。そういう人には、多分ほかにも投資家が付くでしょうから。</p><p>どちらかというと、「こんなものがあったらすごいんじゃないか」「これができたら超便利になるんじゃないの」というエンジニアが夜な夜な考えたアイディア、思いつきを支援したい。これまで経験のないマネタイゼーションのことなどは、私たち投資家と一緒に考えていけばいいのです。</p><p>――お金を集めるためにちゃんとプレゼンしなきゃ、というところまで気負わずに、「思いついちゃった!」ワクワクの気持ちでそのまま来てほしいということなんですね。「On-Deck」プログラムこそMIRAISEの本質だと最初に伺いました。それほどの思いが込められたこのプログラムについては、MIRAISE Webサイトに詳しい情報が載っておりますので、ぜひ多くのエンジニアの方々に見ていただきたいと思います!</p><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2020/09/16/15/53/17/942fe599-558a-4fa6-a9df-b0ab5884d2ab/radio_002_05.jpg" link_href="" link_target=""></div><p>◆ <a href="https://www.miraise.vc/program">MIRAISE On-Deck</a><u><br></u>◆ <a href="https://anchor.fm/miraise/">MIRAISE RADIO</a></p>
<p>MIRAISEでは、課題解決に挑むエンジニア起業家の生の声をお届けするラジオ番組「<a href="https://www.youtube.com/channel/UCV4Ju4OHLYp-2we7vLxWtTg/videos"><u>MIRAISE RADIO</u></a>」の配信をスタートしました。こちらのブログでは、「読む MIRAISE RADIO」として、起業家たちのストーリーをラジオの雰囲気そのままにお伝えしていきます。</p><div class="iframe-container width-set height-set dimensions-set" data-width="100%" data-height="232px" data-src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/7L2y4Q8kVJ7yT4FB7G8V9j"><iframe class="" style="" data-embed-type="generic" data-original-link="&amp;#60;iframe src=&quot;https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/7L2y4Q8kVJ7yT4FB7G8V9j&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;232&quot; frameborder=&quot;0&quot; allowtransparency=&quot;true&quot; allow=&quot;encrypted-media&quot;&amp;#62;&amp;#60;/iframe&amp;#62;" src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/7L2y4Q8kVJ7yT4FB7G8V9j" width="100%" height="232px" frameborder="0" allowfullscreen="true"></iframe></div><p>● スピーカー: MIRAISE CEO 岩田真一 / CTO 布田隆介<br>● MC: MIRAISE PR 蓑口恵美</p><hr><p>「起業家は孤独である」<br>そんな言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。</p><p>資金を提供してくれる人はいる、自分の元で働いてくれる人もいる。でも、実は相談相手がいない…というのは、起業家にとって大きな悩みのひとつなのかもしれません。</p><p>MIRAISEパートナーの岩田と布田は「MIRAISEは起業家コミュニティである」ということを繰り返し伝えています。MIRAISEは起業家の真のパートナーでありたいと考えています。</p><p>リアル・オンライン両方で展開される熱く温かいMIRAISEの起業家コミュニティ「4c」はどのように創られたのか。今回は「4c」への想いに迫ります。</p><p></p><h2><strong>起業家同士で学び合う「ピアラーニング」</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://lh5.googleusercontent.com/Z-rYk4Jrr0rs3n6wvvmoyENNzEhf5E109jZmhP1Y6KFQDqSrzQEgF-4YzBVO1r-QtcvkNW3dTgeT3Ls3UHW6_06XNXVPwaNAc2BbSsZS2rBaLyye_XDJ8O9Shgb14XxomZzH4SeJ" link_href="" link_target=""></div><p>――MIRAISEのHPを見ていくと、「起業家コミュニティ」という言葉がたくさん出てきますね。</p><p><strong>岩田:</strong>MIRAISEが支援している起業家の皆さんは全員、MIRAISEが運営しているオンラインコミュニティ「4c」に参加してもらっています。「4c」では、起業家同士が学び合ったり、お互いに教え合ったりというピアラーニングを実践しています。「ピアラーニング」は、僕が過去に参加したベンチャーキャピタリスト向けのビジネススクール「カウフマン・フェローズ・プログラム (<a href="https://www.kauffmanfellows.org/">Kaffman Fellows Program)</a>」で積極的に行われていました。それがすごく効果的だったので、MIRAISEにも組み込んでいこうと思ったのです。</p><p>「4c」には、起業家の他、我々MIRAISEのスタッフはもちろん、ベンチャー界隈で実績のある8名の知識・経験豊富なメンターも揃っていて、いつでも相談や質問ができる環境です。また、自分たちのプレスリリースや登壇イベントなどを共有したり、ベータ版や開発版ができた時に試用・フィードバックをお願いしたりするなど、日々活発にピアラーニングが実践されています。</p><p>起業家の方々は皆優秀ですが、得意分野がそれぞれ違います。各々の得意分野をシェアすることでお互い補い合って成功確率を高めていこう、一緒に頑張っていこうという考え方ですね。</p><p>――起業家は「孤独な存在」だと言われることもありますが、こういったコミュニティで支え合えるのは心強いですね!実際に、どのような学び合いが行われているのでしょうか?</p><p><strong>布田:</strong>まず、月1回「MIRAISE Class」というオフラインで集まる勉強会をしています(現在はオンライン開催)。メンバーより少し先に進んでいる起業家や、エグジットした人などをゲストに迎えて話してもらい、自由に質問もできる…といった集まりです。飲み物片手に交流する時間もあるので、メンバー同士の顔がわかるようになってきます。そうすると、オンラインでもコミュニケーションがスムーズになりますね。</p><p>――顔と名前が一致したうえで、コミュニケーションが取れるという安心感がありますね。</p><p></p><h2><strong>正解がない中で、ディスカッションを続けることが大切</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://lh4.googleusercontent.com/_kcAlxj_nkFQBk8A4VguhQcU7LvJSAFHZZfxH9eFI6sNt1-eB55YzNLpLqbWaPwTjm7y8Y8QFwm1QBguiUFYzoyqYYXK_NvYqDPzC4GbYFyutqOWpppMzWfgd7jySMahegksy15u" link_href="" link_target=""></div><p><strong>岩田:</strong>オンラインコミュニティ「4C」はSlackのような仕組みになっています。みんなで共有のチャネルもあるし、MIRAISEと各支援先とのプライベートチャネルもあるので、契約書のレビューなど、個別の相談もできます。</p><p><strong>布田:</strong>スタートアップには「正解」というものはないことが多いので、誰にでも当てはまるようなバチッとした答えが「4c」に投稿されるということはありません。会社の規模や事業内容もそれぞれ違うので、「こういう考え方でこう実践している」といったひとつの会社の例が、他の会社でもそのまま活かせるわけではないですから。</p><p>でも、共通のお題についてみんなでディスカッションするというのは、経営者にとってはいいことだと思います。最近だと、このコロナ禍でスタートアップはどうしたらいいか、というのが大きなトピックでしたね。メンターの中には前のリーマン・ショックを経験している人もいますし、大企業側、出資する側からの情報を共有してくれる人もいました。</p><p><strong>岩田:</strong>経営者、メンターの方には「自分たちの経験を広くシェアしてほしい」とお願いしています。例えば、プライベートチャネルの方で良いディスカッションができたなと思ったら、「これ、みんなにもわかりやすく教えてあげてください」と、パブリックチャネルの方に転載してもらったりということもしていますね。</p><p>――自分の気づきや発見が、他の起業家にとってもプラスになるんじゃないかという姿勢でどんどんシェアしていくことで、ノウハウが蓄積され回っていく感じですね。</p><p><strong>岩田:</strong>そうですね。ただ、Slack的な仕組みだとタイムライン的にずっと情報が流れ去っていくので、自分にとって大事な過去のトピックを探すのが大変という問題がありました。後で参照しようと思ったのに、その投稿がどこにあるかわからなくなっちゃうっていう(笑)。そこで、ピン留めしたい情報をストックしておく場所を作ろうと思って、イントラネットのような形で参照できる「Founder Zone」というサイトを立ち上げました。掲載されているコンテンツとしては、例えば「コワーキングスペースってどこにあるの?」「MIRAISEに書類送りたいんだけど住所は?」など、皆さんがよく参照するような情報が置いてある場所として作っています。さらに新しい取り組みとして、おすすめのオンラインツールや本などを共有できるような仕組みを「Founder Zone」に追加しました。</p><p>――なるほど…エンジニアというベースが同じだからこそ、学びたいトピックや欲しい情報が似ているということですね。都度聞くのは大変ですが、見に行けば常に欲しい情報がある、というのはいいですね。<br></p><p><strong>岩田:</strong>僕も布田さんもそうですが、エンジニアは一般的なコミュニティだと引かれるようなトピックが好きだったりするので…(笑)。でも「4c」では皆がエンジニアだから、のびのびして楽しそうにしていますね。相手がすでに詳しいという前提で話を進められるので「それって何なの?」といった基礎的なことを説明しなくても、最初から知りたいことの本質をいきなり議論できるのはいいですよね。</p><p></p><h2><strong>質問もアジェンダも準備しなくていい。ただ、話に来てくれればいい</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://lh6.googleusercontent.com/taq1r7AZ6Rtzrlgymb7R8xLGHu4DEdcNF1V8sMhu4Z3W3mcQBFsFRR6Z1XajMS6v252vo2KE0-VZ0XLYN18FwcmCk-EcBiFHrqHtRhvWv5ScLoH_bZkY_c8O_Zx422kjofpG9fcH" link_href="" link_target=""></div><p>――今後、この起業家コミュニティ「4c」をどのようにしていきたいですか?</p><p><strong>布田:</strong>僕はリアルで集まるのも好きなので、自粛ムードが過ぎ去ったら、またぜひみんなで集まりたいですね。投資先も増えているので、新しい方を紹介したいですし。投資先が増えてくると、投資先同士でシナジーが狙えることもありますから。そうなってくると、MIRAISEとしてどんどん投資して、皆で協力していくという意味がより出てくると思います。</p><p><strong>岩田:</strong>布田さんが言うように、リアルで会うことは本当に大事ですね。オンラインだと聞くまでもないな、遠慮しちゃうな…ということも、懇親会のような場だと「実はこんなことで悩んでいて…」と話せることも多い。あとで改めてメールを…とかだとなかなか相談しづらかったりもしますね。でも「4c」にはいつも僕らがいるので、メールみたいに「お疲れさまです」と始めなくてもいきなり質問できて、早い返答がもらえます。</p><p>Zoom勉強会もしていますが、それでもなかなか質問しづらいという人はいます。そこで、2日間まるまる僕の時間をブロックして、好きな時間に個別にお話ししましょうと呼びかけました。するとかなりの登録があって、実際の1 on 1の場ではすごく質問が多かったですね(※)</p><p>※ このアイディアが後に <a href="https://www.miraise.vc/news/miraise-hour">MIRAISE HOUR</a> へと受け継がれました。</p><p>気をつけているのは、こちらがオープンでいないと会話が始まらない、ということです。実際に会うと「あ、そういえば…」と次々に話が出てきます。ちょっと聞きづらいな、ということも気軽に話せる場を作るというのは本当に大事ですね。</p><p>――話していく中で自分の考えていることがクリアになったり、ただ聞いてもらうことで気づきがあったり…ということはありますね。そうした時間も、このコミュニティでは大事にしているのですね。今回のお二人のお話を聞いて、起業家コミュニティ「4c」を基盤としたMIRAISEに興味を持った方がいらっしゃれば、ぜひMIRAISEのWebサイトからお問合せください!</p><p>◆ <a href="https://www.miraise.vc/">MIRAISE Webサイト</a><u><br></u>◆ <a href="https://anchor.fm/miraise/">MIRAISE RADIO</a></p>
<p>MIRAISEでは、課題解決に挑むエンジニア起業家の生の声をお届けするラジオ番組「<a href="https://www.youtube.com/channel/UCV4Ju4OHLYp-2we7vLxWtTg/videos"><u>MIRAISE RADIO</u></a>」の配信をスタートしました。こちらのブログでは、「読む MIRAISE RADIO」として、起業家たちのストーリーをラジオの雰囲気そのままにお伝えしていきます。</p><div class="iframe-container width-set height-set dimensions-set" data-width="100%" data-height="232px" data-src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/6iWr7GhKBDlzd2KgVUoA2U"><iframe class="" style="" data-embed-type="generic" data-original-link="&amp;#60;iframe src=&quot;https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/6iWr7GhKBDlzd2KgVUoA2U&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;232&quot; frameborder=&quot;0&quot; allowtransparency=&quot;true&quot; allow=&quot;encrypted-media&quot;&amp;#62;&amp;#60;/iframe&amp;#62;" src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/6iWr7GhKBDlzd2KgVUoA2U" width="100%" height="232px" frameborder="0" allowfullscreen="true"></iframe></div><p>● スピーカー: MIRAISE CEO 岩田 真一 / CTO 布田 隆介<br>● MC: MIRAISE PR 蓑口恵美</p><div class="text-center " style=""></div><hr><p>MIRAISEは、課題解決に挑むエンジニア起業家を支援するため2018年に創業したベンチャーキャピタルです。</p><p>MIRAISEの大きな特徴は、エンジニア起業家のみを投資対象としていること。MIRAISEパートナーである岩田は「エンジニアはとても起業に向いている」と話します。エンジニア起業家を支援する理由や創業のきっかけを、岩田と共同創業者である布田が熱く語ります。</p><p></p><h2><strong>日本にエンジニア起業家を増やしたい</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2020/09/15/17/19/17/1dcaf9ca-84ff-4d44-a9b4-fb009d718e5b/radio_001_01.jpg" link_href="" link_target=""></div><p>――まずはじめに、MIRAISEについて簡単に紹介していただけますか?</p><p><strong>岩田:</strong>MIRAISEは、2年ほどの準備期間を経て2018年12月にスタートしました。主にシード期を対象としたベンチャーキャピタル(VC)で、シードラウンドで資金調達が必要な会社に対して出資するほか、ビジネスのサポートも行っています。一番の特徴は、エンジニア(プログラマー)自身がファウンダーであるか、もしくは優秀なプログラマーが参画しているチームに限定して投資するファンドだということです。現在は26社に出資しています。(2020年10月時点)</p><p>――MIRAISE設立のきっかけは?</p><p><strong>岩田:</strong><a href="https://www.atomico.com/">Atomico</a>というヨーロッパのVCでパートナー(※)だった頃から日本のスタートアップ・エコシステムや起業家を支援したい、日本に起業家を増やしたいという思いがありました(※)。しかし、Atomicoの投資単位は大きすぎて日本のシード期のスタートアップが必要としている金額と合わなかったんですね。それで、シード期のスタートアップに対し、日本のファイナンスの状況に合った投資をできるようなファンドを作りたいと思ったのが最初のきっかけです。</p><p>※ 現在はAtomicoのベンチャーパートナー</p><p>――共同創業者である布田さんとはどのように出会ったのでしょうか?</p><p><strong>岩田:</strong>当時ベンチャーキャピタリストをしながら「未来スケープ」というプロジェクトを立ち上げました。自分の頭で考え、何かをつくることで、社会のために貢献する。そうした起業家精神、マインドセットを日本人はもっと持った方がいいんじゃないかという思いから始めたものです。その「未来スケープ」のサイトを作る際、知人から紹介してもらったのが布田さんでした。</p><p><strong>布田:</strong>最初にお会いしたのは、何だかマニアックな場所にある渋い喫茶店でしたね(笑)。岩田さんの作りたいサイトを伺って、こういう技術を使うといいんじゃないかと提案するような、いわゆる普通のエンジニアとして接していました。ただ、僕も起業してTRUNKという教育系の会社をやっていたので、自分の事業の話もいろいろ聞いていただいて。</p><p>――「未来スケープ」は、社会人1000人にインタビューしてそれぞれの人生の地図を見せていく、というプロジェクトですね。</p><p><strong>岩田:</strong>そうです。MIRAISEをやりながら「未来スケープ」もライフワークとして続けています。</p><p></p><h2><strong>「未来をつくる人材を育てたい」共通の思い</strong></h2><div class="limited-width " style=""><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2020/09/16/15/20/08/9e27229a-ab4f-43b2-8c57-08501a5fd638/radio_001_02.jpg" link_href="" link_target=""></div></div><p>――布田さんは教育関連の事業で起業していますし、教育への熱い思いがありますよね。</p><p><strong>布田:</strong>そうですね。TRUNKがやっていたのは、大学生に向けた実践的な教育です。プログラミングやデザイン、マーケティングなどを無料で学べて、職業体験するところまでをサポートするというものです。岩田さんの、さまざまな人生を見せる「未来スケープ」とはアプローチは異なりますが、根っこの思いは同じだと感じますね。</p><p>――教育やキャリアへの思いが共通するというお二人ですが、布田さんはなぜMIRAISEに参画することになったのでしょうか?</p><p><strong>布田:</strong>最初に喫茶店で出会ったあとも、僕がちょくちょく起業家としての相談をしたり、岩田さんからは「こんな面白いものがある」と連絡が来たりと、チャット友達のようなやりとりをしていました(笑)。2年くらい経って、岩田さんが日本向けにファンドを作ろうと思っているという話をしてくれたんです。それで、ぜひお手伝いしたいと。</p><p>僕は以前から投資に興味はあって、TRUNKが大学生向けに起業プログラムを提供したり、将来的にVCのように学生に投資したりできそうですよね、という話を、半分夢物語、半分本気で岩田さんにしていたこともありました。</p><p><strong>岩田:</strong>当時、未来スケープの活動は東大の先端科学技術センターで研究員として行っていました。確かその話をしたのは駒場だったと思います。自分の考えを全部伝えたら、すごく興味を持ってくれた。</p><p><strong>布田:</strong>当時は、僕は投資家から出資されるのがあまり好きじゃなくて、TRUNK社は3〜4年くらい自己資金だけでやっていました。そのサバイバル時期のノウハウがあるので、出資を受けた会社に対しても助けになれそうだなと。そして僕自身がエンジニア起業家でもあるから、同じ立場の人たちをターゲットにしたVCなら、協力できることは他にもいろいろありそうだと思ったのです。</p><p><strong>岩田:</strong>僕自身エンジニアからビジネスパーソンになっていく過程はけっこう大変だったんですね。事業が成長して資金的に余裕が出来ればプロのビジネスパーソンに入ってもらうことができるけど、そこまでは自分で頑張らないといけません。ただ、教えてもらえればできる。そういうことが実体験としてありました。</p><p>TRUNKが教えている内容がとても実践的だったので、そのコンテンツを使って一緒にできたらいいなという思いがありました。ビジネスやファイナンスの基礎を指導し、支援していくうえで、TRUNKがすでに持っているコンテンツを組み合わせたらとてもいいんじゃないかと考えたのです。</p><p>――未来をつくる人材を育てていくために、岩田さんのバックグランドであるVCと、布田さんの手がけていた教育とが重なって、一緒にスタートしようということになったのですね。そして共通項目としては二人ともエンジニア。</p><p><strong>岩田:</strong>そうですね。それぞれ持っているアセットを活かしていけるといいなと思っていました。布田さんは新しい技術に詳しく、若いエンジニアへのリーチもあります。TRUNKはもともとコミュニティにも力を入れていたので、そのコミュニティマネジメントのノウハウが今のMIRAISEの起業家コミュニティに活きていたりする。</p><p>じゃあ僕が何を持っているのかというと…外資系での経験、海外の企業・起業家ネットワーク、アメリカ、ヨーロッパ、東南アジアの投資家とのつながりなど、グローバルなところでしょうか。そして、起業経験があるというのが僕と布田さんとの共通のアセットですね。僕の仲間集めは、熱心に口説き落とすというより、一緒にやってほしい人に話をして、それぞれのやりたいことと一致したら手伝ってほしいな、というスタンスです。布田さんに対しても、蓑口さんに対してもそう思っていました。</p><p>――一緒に目指せる未来があるかどうか、ということですね。</p><p><strong>岩田:</strong>そうですね。やってみて本当に楽しくて、やりがいがあると思ってもらえたらいいなと。そうなれば、もっと深く関わっていくと思いますし。MIRAISEはそういう感じでスタートしました。布田さんも自分のTRUNKというスタートアップがあり、蓑口さんも週4日は別の会社で働いていましたしね。</p><p>僕自身もそうだったのですが、どこかに所属するとなかなかすぐにやめられない感覚ってありますよね。そういうのは嫌なので、ちょっとドライに聞こえるかもしれませんが、いつでもやめられるような空気にしておきたい。言いたいことを言い合える、フラットな関係で。もちろん、本心ではやめてほしくないですけどね(笑)。MIRAISEのように少数精鋭でやっていくビジネスにとっては、こういう環境が大事なんじゃないかと思っています。</p><p></p><h2><strong>フリーランスになったら、次は起業を目指してみよう</strong></h2><div class="limited-width " style=""><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2020/09/16/15/26/06/72660a5e-e7cf-4a17-8f9b-a75d43f8871e/radio_001_03.png" link_href="" link_target=""></div></div><p>――MIRAISEは、起業するエンジニア、テクノロジーで社会を変えていこうとする人を応援し、彼らが活躍しやすい環境を考え、創り、提供しているチームです。そのMIRAISEの今後の展望について、岩田さん、布田さんそれぞれお聞かせいただけますか?</p><p><strong>布田:</strong>僕はソフトウェアが好きなので、ソフトウェアのツール系の会社なんかはいつも探していますね。コードを書く際、今はほぼ海外製のツールしか使っていない。GitHubもそうですし、エディターから何から海外で作られたものです。でも、そこにすごい技術があるわけではなくて、普通にエンジニアが自分が欲しいもの、使いやすいものを作ったんだろうなという感じなんですね。</p><p>日本だと、なかなか最初の投資が受けられない。自分のアイデアを形にすることは、お金にならないからと本業の合間にこつこつ手がける「週末プロジェクト」になってしまっているという場合が多いと思います。海外の事例を見ると、実はそこでちゃんと起業すればマネタイズできるんですね。ですから、そうしたツール系のソフトウェアを開発したい!と思っている人は、最初は軽いディスカッションからでもいいので、ぜひ会えるといいなと思っていますね。</p><p>――岩田さんはいかがですか?</p><p><strong>岩田:</strong>まず「エンジニアはすごく起業に向いている」ことを認識してほしいと思います。ものを作れる人は本当に強いのです。昔から、ホンダの本田宗一郎さん、ソニーの井深大さんなど、日本を支えてきた世界的大企業はエンジニアが起業してるケースが多いんです。僕らが20、30代の頃は本当に日本製品が強かったのですが、ソフトウェアの時代になると、Apple、Google、Facebook、Zoomなど…周りを見回すとみんなアメリカを中心とした海外のものになってしまいました。</p><p>しかし日本におけるユニコーン企業を眺めてみると、その多くはエンジニアが起業しているんです。僕がAtomico時代に投資を手がけたスマートニュースなどもそうですが、ユニコーンレベルに育てていけるようなソリューションやプロダクトを思いついて生み出せるのは、エンジニア起業家だと思っています。</p><p>ですから、エンジニアの方は起業を特別なことと思わずに、選択肢に入れておいてほしい。フリーランスになったなら、その先として起業を視野に入れてほしいのです。MIRAISEでは起業のファーストステップをサポートするアクセラレーター的なプログラム「On-Deck」も用意しておりますので、是非!</p><p>――ビジネススキルがまだまだ足りなくても、「On-Deck」を活用してもらうなど、ファイナンスや営業のスキルをつけていくこともMIRAISEはサポートしています。プログラマー、エンジニアで、未来をつくりたい、社会に変化を生み出したいという思いを持つ方がいらっしゃれば、MIRAISEのWebサイトの <strong><a href="https://pipedrivewebforms.com/form/6246753873aee1e4b192e6bb6a2f467c1945089https://pipedrivewebforms.com/form/6246753873aee1e4b192e6bb6a2f467c1945089">Apply Now</a></strong> からコンタクトしていただければと思います!</p><p>◆ <a href="https://anchor.fm/miraise/">MIRIASE RADIO</a><br>◆ <a href="https://www.miraise.vc/">MIRAISE Webサイト</a><br>◆ <a href="https://www.miraise.vc/program">MIRAISE On-Deck</a></p>