<p></p><div class="iframe-container width-set height-set dimensions-set" data-width="100%" data-height="232px" data-src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/1HRCSZB9yNpm0UbjC8dbrQ"><iframe class="" style="" data-embed-type="generic" data-original-link="&amp;#60;iframe src=&quot;https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/1HRCSZB9yNpm0UbjC8dbrQ&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;232&quot; frameborder=&quot;0&quot; allowtransparency=&quot;true&quot; allow=&quot;encrypted-media&quot;&amp;#62;&amp;#60;/iframe&amp;#62;" src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/1HRCSZB9yNpm0UbjC8dbrQ" width="100%" height="232px" frameborder="0" allowfullscreen="true"></iframe></div><p>-------------------------------------------<br>MIRAISEでは、課題解決に挑むエンジニア起業家の生の声をお届けするラジオ番組「<a href="https://www.youtube.com/channel/UCV4Ju4OHLYp-2we7vLxWtTg/videos"><u>MIRAISE RADIO</u></a>」を配信しています。こちらのブログでは、「読む MIRAISE RADIO」として、起業家たちのストーリーをラジオの雰囲気そのままにお伝えしていきます。</p><p>● スピーカー|株式会社Virtualize 代表取締役 小宮山 瑛鉄 氏<br>● MC|MIRAISE プリンシパル &amp; CTO 布田 隆介 / Head of Comm 蓑口 恵美<br>-------------------------------------------</p><p>自分以外の誰かになってみたい――。<br>人間であれば、少なくとも一度はこのような願いを持ったことがあると思います。現在注目を集めている「メタバース」は、それを実現する世界です。</p><p>今回は、スマホ1台で誰もが好きなアバターで、好きな曲を思い通りに演出できるプロダクトを開発する株式会社Virtualizeの小宮山瑛鉄(こみやま・えいてつ)さんにお越しいただきました。YouTubeから3Dの世界へ。音楽メタバースがもつ可能性をぜひ聞いてみてください。</p><p></p><h2><strong>スマホからバーチャルライブを配信できるアプリ「StarLi」</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2022/08/30/11/07/59/d2d049c0-0bd7-4915-be7e-5505e6b470bb/02_eyecatch.png" link_href="" link_target=""></div><p>――Virtualizeが提供しているサービスについて教えていただけますか?</p><p><strong>小宮山:</strong>スマホやPCからアバターを使ってライブ配信できる音楽メタバースアプリ「StarLi」を提供しています。</p><p>現在は、3Dアバターを持っている方が簡単にバーチャルの音楽ライブを開けるというサービスです。3DアバターのファイルをStarLiにアップロードし、その後YouTubeライブのような感覚で、簡単に音楽ライブを開くことができます。</p><p><strong>布田:</strong>自分は歌うだけでよくて、その曲に合わせてAIが空間を創り、照明など演出もして盛り上げてくれるんですよね。それを見て、視聴者は投げ銭などでサポートするといったプラットフォームです。</p><p>ーーどんなユーザーが使っているのでしょうか?</p><p><strong>小宮山:</strong>直近のターゲットは、いわゆるVチューバー、バーチャルタレントといった限られた層ですが、今後はユーザーの裾野をどんどん広げていきたいと思っています。アバターを使う人に限らなければ、歌や音楽などのライブ配信をしている方は非常に多くいます。そうした方々がアバターを使い、StarLiのバーチャル世界でリッチな演出をつけて音楽配信をするという流れを作っていきたいです。</p><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2022/08/30/11/08/15/a41bf32f-089c-43af-9b8b-3cde57aa7c91/----------2022-07-25-9.40.05.png" link_href="" link_target=""></div><p>ーー自分の歌や音楽を披露したい人は、現在はほとんどがYouTubeなどで二次元的に配信している状況ですよね。</p><p><strong>布田:</strong>現状では、バーチャルライブを行う際はある程度広い空間を確保して、全身の動きをデジタル化するモーションキャプチャーを使うなど、かなり大掛かりな機材が必要です。それをリアルタイムで配信するとなれば相当にコストもかかるので、有名なVチューバーでも数ヶ月に1回くらいの頻度でしか開催できないと思います。</p><p>より手軽に配信したいとなると、現在では「ポケカラ」のようなカラオケアプリしか選択肢がありません。個人で楽しむ分にはいいのですが、ファンを作り、コミュニケーションを取りながら成長していきたいといった場合には不十分です。より手軽に、費用も抑えながらライブ配信に挑戦したい層に、StarLiはぴったりだと思います。スマホ1台で手軽に配信できますし、資金が豊富な人でなくても使うことができますから。</p><p></p><h2><strong>「バーチャル世界を創る!」高校時代に決意</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2022/08/30/11/08/25/6113d4f0-4976-41e8-8958-a2cc85fe3969/----------2022-07-25-9.40.26.png" link_href="" link_target=""></div><p>――次に、StarLi開発の経緯についてお聞きします。</p><p><strong>小宮山:</strong>高校時代には「バーチャル世界を創ろう」と決意していました。その後大学に入ってVRを研究し、会社に入ってからもずっとVRに関わってきました。ソーシャルVR「VRChat」などでは、すでにVRの機材を持っている方がすごい熱量でいろいろやっていたりするのですが、なかなか一般の方々へは広がっていかない。そこで、もっと幅広い層に利用してもらえるメタバースの世界を提供しようと、Vurtualizeを立ち上げたのです。</p><p>――現在最もホットともいえるトピックに、すでに高校時代から着目していたのですね。それはなぜですか?</p><p><strong>小宮山:</strong>当時身体的なコンプレックスがあり、生まれ持った身体の不公平さを感じることが多くありました。また、私は田舎の出身で、比較的リアルのコミュニティの種類が少ない場所で生活していました。しかしインターネットに触れて、別の世界が大きく広がっているということに気づいたのです。アニメなどの影響もあるのですが、この2点が、私がメタバースに目を向けた大きな要因だったと思います。</p><p><strong>布田:</strong>メタバースの中でも、音楽にフォーカスした理由は?</p><p><strong>小宮山:</strong>ずっとVRに取り組みつつ、音楽と映像の研究も並行して行っており、ミュージックビデオの自動生成のような試みもしていました。こうしたスキルを活かせるのが音楽メタバースだと思い、StarLi開発に繋がっています。</p><p>――身体障害がある方がある音楽Vチューバーの世界大会で優勝したというニュースを見かけた記憶がありますが、リアルの世界での制限やコンプレックスなどに関係なく、拡張された世界で自由に自分を表現できることを求めている人は本当にたくさんいると思います。その中で、StarLiは現在どのようなユーザーに使われているのでしょうか?</p><p><strong>小宮山:</strong>今は自分の3Dアバターを持っているという限られた方しか使えません。また定常的にユーザーがいるフェーズはもう少し先になります。現在は、資金調達に取り組んでおり、それを元手にアバターのメイキング機能を開発するつもりです。現在は3Dアバターを1体作るのに100万円ほどかかってしまいますが、スマホから自分のアバターを手軽に作れるようにすれば、より多くの方にStarLiを使っていただけるフェーズに進めると考えています。</p><p><strong>布田:</strong>MIRAISEが出資してから開発を進めて、ようやく形になってきたところですね。現在はベータ版として、Vチューバーとして活動されている方々をお呼びして、期間限定のイベントとしてStarLiを使ってもらっている段階です。ライブを見た方の反応はいかがですか?</p><p><strong>小宮山:</strong>幸いかなり好評で、「感動した」「きれいだった」など、ポジティブなコメントも多くいただいています。</p><p>――実際にライブを見ると、すごく賑やかに盛り上がっている様子が映像から伝わってきます。星が降ったり、スポットライトの色が変わったりなどは、ライバーの方自身が設定するのではなく、StarLi側で行っている演出なのですか?</p><p><strong>小宮山:</strong>そうです。配信者の方が曲を選択すれば、自動的に3Dの演出が行われるという仕組みになっています。</p><p><strong>布田:</strong>例えばサビに合わせて自動で星やシャボン玉が飛んだり、ライティングやカメラワークが変わったりなど、AIが曲を解析して自動で演出を行います。小宮山さん、そしてVirtualizeの持つこうした技術により、毎回クオリティの高いライブが見られるのです。</p><p>――WebサイトやTwitterでライブの告知がされているので、皆さんにもぜひチェックしていただければと思います。主に土日の夜に開催されているので、お休みの日に夕食を食べ終わってから、ゆっくりライブを楽しめますね。</p><p>『StarLi』公式ホームページリンク:<a href="https://www.starli.jp/">https://www.starli.jp/</a><br>『StarLi』公式Twitter:<a href="https://twitter.com/StarLi_info">https://twitter.com/StarLi_info</a></p><p></p><h2><strong>誰もが好きな姿・好きな場所で自由に自己表現できる世界へ</strong></h2><p>――最後に、今後の目標やビジョンについてお聞かせいただけますか?</p><p><strong>小宮山:</strong>まず1つ目に、先ほどお話ししたアバターのメイキング機能を、他社に引けを取らないくらいクオリティの高いものにしていきたいと思っています。2つ目としては、ライブに欠かせない要素のひとつであるダンスをより簡単に作れるシステムを開発中です。TikTokのような感覚で、スマホのカメラで踊っている様子を撮影して、その動画をアバターのダンスに変換してアップロードする形を考えています。</p><p><strong>布田:</strong>メタバースは空間を自在に作れるので、それこそ武道館などの有名なコンサート会場やライブハウスも作れますし、例えば大阪城の麓のように、一般の人がなかなか立てないようなステージをStarLi上に構築することもできます。それこそ宇宙だっていいんですよね。さらに、オリジナル曲も作るライバーがStarLi発で有名になり、現実のテレビ番組で歌うとか…そんな話を小宮山さんから伺っています。それを可能にする技術を小宮山さんのチームは持っていると思いますし、時代にもフィットするビジョンですよね。</p><p>――映画「竜とそばかすの姫」の世界が、StarLiの延長線上にありそうですね。現実のアイドルやアーティストは、ヒットするにはどうしてもルックスの良さが必要だとされていますが、それに関係なく、自分の好きな姿で好きな曲を多くの人に聴いてもらえるようになるのですね。</p><p><strong>小宮山:</strong>そうですね。歌は好きだけど、さまざまな事情でそれを披露する機会がなかった方たちがStarLiと出会い、スマホ1台を通してどんどん自己表現していくという世界を広げていければと思っています。</p><p><strong>布田:</strong>そのために今、資金調達と開発にどんどん取り組んで、ユーザーも増やしていこうと頑張っているんですよね。</p><p>――映画「竜とそばかすの姫」で描かれていたように、近い将来、多くの人が当たり前のようにバーチャル世界を楽しむ時が来るんだなと、聞いていて本当にワクワクしました!皆さんもぜひ、StarLiのライブ情報をチェックして訪れてみてくださいね。本日はありがとうございました。</p><p><br>◆<a href="https://www.starli.jp/"><u>『StarLi』</u></a><u><br></u>◆<a href="https://twitter.com/StarLi_info"><u>『StarLi』公式Twitter</u></a><br></p>
<div class="iframe-container width-set height-set dimensions-set" data-width="100%" data-height="232px" data-src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/7kmFdrbO1I9dWmRQAPE2Gt"><iframe class="" style="" data-embed-type="generic" data-original-link="&amp;#60;iframe src=&quot;https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/7kmFdrbO1I9dWmRQAPE2Gt&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;232&quot; frameborder=&quot;0&quot; allowtransparency=&quot;true&quot; allow=&quot;encrypted-media&quot;&amp;#62;&amp;#60;/iframe&amp;#62;" src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/7kmFdrbO1I9dWmRQAPE2Gt" width="100%" height="232px" frameborder="0" allowfullscreen="true"></iframe></div><p>-------------------------------------------<br>MIRAISEでは、課題解決に挑むエンジニア起業家の生の声をお届けするラジオ番組「<a href="https://www.youtube.com/channel/UCV4Ju4OHLYp-2we7vLxWtTg/videos"><u>MIRAISE RADIO</u></a>」を配信しています。こちらのブログでは、「読む MIRAISE RADIO」として、起業家たちのストーリーをラジオの雰囲気そのままにお伝えしていきます。</p><p>● スピーカー|カルクル株式会社 共同創業者兼CEO Bartek Kolacz(バーテック・コーラチ)氏<br>● MC|MIRAISE Partner &amp; CTO 布田 隆介 / Head of Comm 蓑口 恵美<br>-------------------------------------------</p><p></p><p>普段何気なく歩いている街には、さまざまな音との出会いがあります。その場所だからこそ聴こえる鳥のさえずりや、風の音。それだけでなく、アーティストがその景色を見て歌詞を書いた曲などもその場で聴くことができれば、多くの人にとってより記憶に残る深い体験になるのではないでしょうか。</p><p>カルクル社が提供するのは、新しい空間メディアを通じた体験です。音や映像、そして場所情報すべてを自由にミックスして人々に届けることができる複合現実の世界を生み出そうとする起業家の想いに、ぜひ耳を傾けてみてください。</p><p></p><h2><strong>空間オーディオとホログラムで複合現実を楽しむアプリ「AURA」</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2022/04/07/17/09/03/598c5bad-6d5e-404c-8662-ea842f7765f1/radio26_01.jpeg" link_href="" link_target=""></div><p>――カルクルが提供しているサービスについて教えていただけますか?</p><p><strong>バーテック:</strong>私たちが提供しているのは、空間オーディオのiOSアプリ「AURA(オーラ)」です。ゲームの「ポケモンGO」のようなARのプラットフォームで、複合現実の世界を体験することができます。例えば、街を歩きながらAURAを使うと、街の風景の中に、その街の音と空間、そしてホログラムの映像を統合して見ることができます。Webベースのクリエイターツールもあり、自分で空間メディアのコンテンツを作成することも可能です。</p><p><strong>布田:</strong>ポケモンGOは、ポケモンをゲットするためには実際にその場に行かなければならないので、人が街に出ていきますよね。AURAはポケモンのように、音源を様々な場所に仕掛けておくことができます。アプリをインストールしている人が近くに来ると、その音源を再生できる。さらに、ユーザーは音だけじゃなく、映像(ホログラム)も一緒に見て楽しむことができるというプラットフォームです。これまでに、音楽アーティストのプロモーションの一環として導入された実績もあります。</p><p>ーー複合現実を作り出すアプリということですね。それにより、ユーザーはどんな楽しみ方ができるようになるのでしょうか?</p><p><strong>バーテック:</strong>昨年、渋谷を拠点に開催された音楽とデジタルアートの一大イベント「MUTEK.JP」に参画しました。渋谷各所のライブ会場とは別に、出演アーティストのボーナスコンテンツを渋谷の街中で楽しめるようにしたのです。</p><p><strong>布田:</strong>AURAアプリを起動すると、地図上にコンテンツがある場所が表示されます。その交差点なり公園なりに着くと、参加者は出演アーティストの特別コンテンツを楽しむことができる仕掛けになっていました。</p><p><strong>バーテック:</strong>MUTEKでは渋谷の街中でしたが、実際は全国どこでも、このような体験を提供できるんです。例えば、アーティストが作成したひとつのコンテンツを北海道から沖縄まで、日本中のいろんな場所で、同時に様々なコンテンツを楽しんでもらうこともできます。</p><p><strong>布田:</strong>映画「スター・ウォーズ」ではホログラムで会議していたりしますが、あれと同じですね。アーティストの体はひとつなので、今までは同時にいろんな場所でパフォーマンスをするということは不可能でした。しかし、AURAを使えばホログラムを分身として、さまざまな場所で同時にパフォーマンスができる。これまでにない表現ができるようになるということですね。</p><p>ーーそれは面白いですね!例えば、全国各地の桜の下で、桜の曲を歌うアーティストが歌う姿が見られる…そんなこともできるようになるんですね。</p><p><strong>バーテック:</strong>そして、そのホログラムと一緒にビデオや写真を撮ることもできます。さらに今後は、2分ほどのライブパフォーマンスをホログラムにして、グループ限定で見られるサービスを予定しています。</p><p>ーーあるアーティストとのコラボもプレスリリースで発表されていましたね。</p><p><strong>バーテック:</strong>ニューアルバムのリリースに合わせて、巨大ホログラムを渋谷の街に設置するというものです。音楽から始まった私たちのコンテンツですが、今後はさまざまなジャンルへと展開していく予定です。プロ野球の日本ハムファイターズとのコラボでは、ファン向けのボーナスコンテンツとして選手のホログラムがスタジアムに登場します。他にも、ポケモンGOのように楽しめる子ども向けのコンテンツなども考案中です。</p><p></p><h2><strong>瞬間消費が溢れる時代に、 "没入感のある体験"を取り戻す</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2022/04/07/17/09/15/ed8f45f2-bc9c-4a95-b814-0b6ba1188040/radio26_02.png" link_href="" link_target=""></div><p>ーー続いて、バーテックさんの起業のきっかけについてお聞かせいただけますか?</p><p><strong>バーテック:</strong>私は、ARのイヤホンが作りたくて、2016年に起業しました。私の趣味のひとつは自転車なのですが、自分の好きな音楽を聴きながらサイクリングしたいと思ったのがきっかけです。普通のイヤホンでは車の音などを遮ってしまうので、危ないですから。</p><p>ーー確かに。周りの車の音などが聞こえないですね。</p><p><strong>バーテック:</strong>自分の好きなオーディオを楽しみながら、外の音も聞ける。そんな、安全と楽しさが両立したコンテンツを作りたいと思ったのです。最初はイヤホンとアプリケーションをセットで作りましたが、のちにアプリに一本化しました。アプリ名の「AURA」は、「見えない音の世界」という意味があります。</p><p><strong>布田:</strong>今はSpotifyで使えるのですが、例えば左の耳から入る音を大きくしたり、後ろから前に聞こえるようにしたりとか、AURAのアプリでそういうことができるんですよね。</p><p><strong>バーテック:</strong>今の時代、メディアのほとんどはスクリーンベースです。スマホも、電車の中も、街中も、すべてが2D。YouTubeやInstagram、TikTokにはコンテンツが溢れていますが、私たちがそれらを集中して見るのはたった8秒ほどだといわれています。メディアが増えすぎて、人が集中できる時間はどんどん短くなってしまっているんですね。それに対して、空間オーディオは非常に没入感のあるメディアです。何かに心から没入できる、そんな体験を取り戻したいとの思いが、AURA開発の背景にあります。</p><p>ーー確かに、今はコンテンツをゆっくり楽しんだり、じっくり味わったりする体験は減ってきていますね。瞬間的な消費、楽しみ方になってきている。</p><p><strong>布田:</strong>そうですね。今はライトなコンテンツが多くて、人はそれらをどんどん消費するけれど、ほとんど覚えていない。それに対して、AURAは没入感を取り戻し、コンテンツを心から楽しもうというアプリです。その方向性はアーティストとの相性が良く、音から始まって今ではビデオやホログラムも合わせたコンテンツを作れる形になっています。</p><p></p><h2><strong>新たなコミュニケーションを生む「空間メディアのプラットフォーム」へ</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2022/04/08/14/40/32/a6809856-d8ed-475f-8918-edd28e6af51f/----------2022-04-08-14.40.08.png" link_href="" link_target=""></div><p>ーーバーテックさんの起業背景には、サイクリングを楽しんでいた時の経験があったのですね。その場でしか聞けない鳥の声や波の音に合うような音楽を重ねて、目で見える風景と、立体的な音体験を一緒に楽しむという。</p><p><strong>バーテック:</strong>自転車に乗って海の音+AURAの空間オーディオを楽しむ。さらに今後は、ある場所に着くとインフォーメーションが出るような機能も考えています。「麻布十番です」「もうすぐ富士山が見えます」とか。AURA×ツーリズムですね。実際にあるホテルとも話を進めています。チェックイン後に部屋の中でQRコードをスキャンして、ツアーを案内する…といったアイデアを実現できればいいなと思っています。イヤホンをしてスマホを手に街を歩くと、特別なツアーコンテンツを楽しむことができるという。</p><p>ーー素敵ですね。日本ってすごくサイネージが多くて、とにかく看板でいろんな情報を伝えようとするから、街がごちゃごちゃしてしまう。でも、AURAがあれば、街も美しくなりそうですね。必要な時に必要な情報が入るから、旅行者にも景観にも優しいツールになるのではないでしょうか。</p><p><strong>バーテック:</strong>音楽においてはアーティストがコンテンツホルダーです。でも、旅行関連のコンテンツでは、レストランのシェフや建築家など、その土地に関わる人が主役となります。</p><p>ーー街へのパッションや愛のある人たちが、コンテンツクリエイターになるのですね。最後に、さらなる将来のカルクルのビジョンについてお聞かせいただけますか?</p><p><strong>バーテック:</strong>現在は、GoogleやFacebook、Apple、Snapchatなど、さまざまなチャネルやプラットフォームがあります。カルクルは、世界で最も面白い空間メディアのプラットフォームを目指しています。著名人や有名企業による大きなプロダクトも、一般の人たちが作ったコンテンツも自分の好きなように楽しめる、空間メディアにおけるYouTubeのような存在ですね。今後、Google Glassのようなメガネ型やゴーグル型のARデバイスがどんどん登場してくるでしょう。そうした新しいハードウェアにも対応し、新しい複合現実の世界を作り出していきたいと考えています。</p><p>ーーそうなると、マーケットは日本だけではありませんね。</p><p><strong>布田:</strong>そうですね。今は音楽アーティストなど、エンターテイメントのプロがコンテンツを展開する形がメインですが、今後スマホやWiFiの回線速度が速くなり、利用できるデータ量が増えていくと、一般の人にもどんどん使いやすくなっていくでしょう。その先に、AURA上で誰でも自分の分身が持てて、さまざまな出会いが生まれる世界があります。日本だけではなく世界中で、新しいコミュニケーションのツールになっていく可能性はあると思いますね。</p><p>ーーすごく面白い世界になっていきそうですね!今後のカルクルの展開に、さらに注目していきたいと思います。本日はありがとうございました。</p><p><br>◆<a href="https://www.kalkul.com/ja"><u>カルクル株式会社</u></a><u><br></u>◆<a href="https://apps.apple.com/jp/app/kalkul-aura/id1502815057?l=en"><u>『AURA』</u></a></p><p></p>
<p>-------------------------------------------<br>MIRAISEでは、課題解決に挑むエンジニア起業家の生の声をお届けするラジオ番組「<a href="https://www.youtube.com/channel/UCV4Ju4OHLYp-2we7vLxWtTg/videos"><u>MIRAISE RADIO</u></a>」を配信しています。こちらのブログでは、「読む MIRAISE RADIO」として、起業家たちのストーリーをラジオの雰囲気そのままにお伝えしていきます。</p><p>● スピーカー|株式会社トドオナダ 代表 松本 泰行<br>● MC|MIRAISE Partner &amp; CEO 岩田 真一 / PR 蓑口 恵美<br>-------------------------------------------</p><p></p><div class="iframe-container width-set height-set dimensions-set" data-width="100%" data-height="232px" data-src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/1zrWfDUudNRwTGQfJI3Jia"><iframe class="" style="" data-embed-type="generic" data-original-link="&amp;#60;iframe src=&quot;https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/1zrWfDUudNRwTGQfJI3Jia&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;232&quot; frameborder=&quot;0&quot; allowtransparency=&quot;true&quot; allow=&quot;encrypted-media&quot;&amp;#62;&amp;#60;/iframe&amp;#62;" src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/1zrWfDUudNRwTGQfJI3Jia" width="100%" height="232px" frameborder="0" allowfullscreen="true"></iframe></div><p>情報過多と言われる現代、企業にとって自社が必要としている情報だけを抽出したり、競合と比較したりすることが年々難しくなってきています。個人の発信を含むソーシャルメディアの情報を分析することは、もはや人力では不可能と言えます。</p><p>今回のゲストは、テクノロジーを使ってPRの効果を明確化し、リアルタイムで分析できるプロダクトを開発提供しているトドオナダ株式会社代表の松本泰行(まつもと・やすゆき)さん。溢れる情報の波に流されず、それらを適切に把握してPR、マーケティングに活かしていく独自のサービス「Qlipper(クリッパー)」についてお話を伺いました。</p><p></p><div class="h2 additionalClassesSet " style=""><p><strong>クリッピングを自動化する</strong>リアルタイム メディアモニタリング<strong>サービス「Qlipper」</strong></p></div><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2022/02/07/16/57/35/314179c2-bba5-4b32-961a-a786f689c750/radio25_01.png" link_href="" link_target=""></div><p>――トドオナダが提供しているサービスについて教えていただけますか?</p><p><strong>松本:</strong>当社は2020年1月20日に創業し、翌月2月20日から「Qlipper(クリッパー)」というメディアモニタリングサービスを提供しています。企業などの広報部門の方々にとって、自社が取り上げられた記事をGoogleやSNSなどの各メディアなどで検索して集めるのは日々の重要な仕事のひとつです。しかし、この仕事は非常に手間のかかる作業であり、外部委託するにしてもコストがかかるなど多くの問題があります。そこで、この「クリッピング」と呼ばれる作業を自動化できないかと考え、開発したのがQlipperです。現在、3000を超えるメディアを定点モニタリングする仕組みを提供しています。</p><p>ーーMIRAISEにとっては、PRソリューションへの投資はトドオナダが第1号となりますね。</p><p><strong>岩田:</strong>投資させていただいたのは1年半ほど前でしょうか。まさに「ありそうでなかった」サービスだと感じました。僕もSkypeなどの外資系企業のスポークスパーソンとして、取材対応や記者会見の経験があります。その中で実感したのは、PRというのは効果を測るのがとても難しいものだということです。定性的なNPS(Net Promoter Score、顧客ロイヤリティを測る指標)が、1回のPR活動の前後でどれくらい変わったのかを見たり、調査会社に顧客インタビューを依頼したり、広告費に換算してみたりなどといった効果測定の方法がありますが、どれをとっても効果ははっきりと見えづらいんですよね。</p><p>ーー私はかれこれ十数年PRの仕事をしていますが、Webモニタリングってとても難しいし、膨大な情報の中から自社の情報を探し出すのはすごく大変な作業なんですね。ですから、PR界隈の人々にとってQlipperは本当に待ち望まれていたソリューションではないかと思います。</p><p><strong>岩田:</strong>例えば競合他社との比較など、もっと直接的にPRの効果測定ができて、さらにそれをグラフィカルに見ることができるのがQlipperの画期的な特徴ですよね。記事が何クリックされたかというその先まで測れて、その結果から次のPR戦略に繋げていくことができます。SkypeやAtomicoでPRチームの人と一緒に働いていた時にこうしたツールがあれば、もっと効果的なPRができただろうなと思います。</p><p>ーーかつてPRエージェンシーで働いていた頃、始発で出社してクリッピングをしていたことがありました。大きなイベント後や炎上案件があった時などは、先輩たちやクライアントが出社する前にまとめておく必要があって…。本当に大変な業務でした。</p><p><strong>松本:</strong>その点、私も非常に強い問題意識を持っています。業者にクリッピングを依頼すると、納品はだいたい10時〜12時です。ですが、経営会議など重要な会議はその前の8時〜9時頃に行われることが多く、肝心のPR効果についてのデータは間に合わない。ですから、クリッピングや効果測定を自動化し、リアルタイムでモニタリングできるのは当社の大きな強みとなっています。Qlipperなら、朝出社してすぐに分析結果を取り出せて、朝イチの大事な会議に載せることができますから。</p><p><strong>岩田:</strong>ところで、あらゆるPR活動はターゲットを明確にする必要がありますよね。それは発信後の効果測定でも同じで、ターゲットでない人のオーディエンスを測ってもあまり意味がありません。以前Qlipperのデモを見せていただいた時、ある会社を例として競合比較してみたとき、競合相手として選んだ企業の数字があまりに桁がかけ離れていて、比較しても意味がないとわかりました。その時点では、最も気にすべき競合相手は別に存在したことがわかったのです。これもリアルタイムメディアモニタリングの強みで、比較対象を柔軟に変えられるのはすごく便利だなと感じました。</p><p><strong>松本:</strong>例えば、子どもに「漢字テストで40点だった」と言われても、平均点がわからなければその点数が良いのか悪いのかわからない。それと同じで、日本のPR効果測定において、そうした評価基準がKPIに盛り込まれていないのはすごく問題だと思っています。競合や市場におけるシェアなどが実はよくわかっていないから、自分たちの活動が十分なのか、そうでないのかを判断することができないのです。</p><p>ーー現在、Qlipperはどのような企業に使われているのでしょうか?</p><p><strong>松本:</strong>さまざまな業種のお客様がいらっしゃいますが、3つの特徴的な事例があります。1つ目は、ESGに取り組んでいるお客様です。ESGに関しては、競合と比較した発信力が非常に重要となるため、競合分析としても活用いただいています。</p><p>2つ目は大学です。大学のPRは現在大きな岐路に立っていて、困っているお客様も多くいます。業界界隈では「大学もSNSを活用を!」とよく言われていたりはするのですが、実際に活用が進んでいるのはプレスリリース配信サービスだと感じています。大学として、そのサービスを利用してどうPRをしていくか、他校の分析もしつつ戦略を立てていくためにQlipperを使っていただいている事例があります。</p><p>3つ目は、プレスリリース配信サービスの活用が進んでいるゲーム業界です。自社のゲームアプリのイベントなどの際には配信サービスで一気に告知するというのがすでにひとつの文化として根付いているので、その効果測定などに使っていただいていますね。</p><p><strong>岩田:</strong>ESGもそうですが、企業としてメッセージ発信を重要視する機運が高まってきていますね。アメリカでは特に顕著で、例えばブラック・ライブズ・マターに関する出来事が起こったような時に、自分の会社がどんなメッセージを出すかというのを社員がかなり気にしていたりします。自分の会社に誇りを持てるかどうかは、とても大事なことなんですね。ですから米国企業では、率先してメッセージを発信し、社会に対する自社のスタンスや取り組みをどんどんPRしていく動きがかなり進んでいます。おそらく、日本もそのようになっていくでしょう。</p><p></p><div class="h2 additionalClassesSet " style=""><p><strong>効果的なPRに必要なのは、競合分析と長期戦略</strong></p></div><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2022/02/07/16/57/43/ab6d652a-2b3c-4731-b552-d0a66a3872e0/radio25_02.jpeg" link_href="" link_target=""></div><p>ーー次に、松本さんの起業のきっかけについて教えていただけますか?</p><p><strong>松本:</strong>これまで、クローリングや検索エンジンなどを専門に手がけるエンジニアとして20年ほど働いてきました。起業前に勤務していたのはクリッピングサービスを提供している会社でした。そこではPRの効果測定指標とは掲載数のことで、1つの発信に対してどれだけ記事として取り上げられたかを計測することを意味していました。PRの効果測定には課題がたくさんありますが、中でも重要なのは、効果測定のための調査が割高だということです。従量課金が主流であり、掲載された記事の数がわかってから金額が決まるという仕組みのため、予算が非常に決めにくいという問題があります。</p><p>そうした経験と問題意識を背景に、クリッピングと効果測定について、固定料金のサービスを提供できないかと開発したのがQlipperです。Qlipperでは、調査したい競合の数によって料金が決まる仕組みになっています。当社では、競合を設定しない効果測定には意味がないと考えています。そのため、毎回の記事掲載数で料金が変わる従量課金ではなく、設定する競合数に応じた料金設定としています。これなら予算も決めやすいし、設定する競合の増減や変更も柔軟にできるため、常に最適な条件で効果測定を行い、自社の発信力を客観的に把握することができます。</p><p><strong>岩田:</strong>仕事柄、起業家の方々とはよくお会いするのですが、松本さんのように業界知識と技術力の両方を持っている起業家は強いですね。業界知識だけでテックソリューションを作るのは難しいですし、エンジニアとして優れた技術を持っていても、業界知識がなければ刺さるソリューションを思いつくことはできませんから。松本さんは、エンジニアでありながら、業務に対する非常に強い課題感をお持ちでしたね。</p><p><strong>松本:</strong>従来の効果測定方法、つまりプレスリリース1本に対する記事掲載数を調べるという行為自体にはほとんど意味がないのではないかと、毎日疑問に思っていました。先ほど漢字テストの例を挙げましたが、平均値があるから良いか悪いかが判断できます。何かと比べてこそ、数字は活きると思うのです。</p><p>また、プレスリリースの「一球入魂」主義も問題だと感じています。文面を何週間も考えて練りに練って、渾身のプレスリリースを1本出す。そして、その結果に一喜一憂する…そんなパターンがよく見られるのですが、リリース等の発信は、コンスタントに行ってこそ認知が上がるものだと思います。私はPRにおいて心理学がけっこう重要だと考えているのですが、同じものに接する回数が増えるほど好印象を持つようになるという「ザイオンス効果」を活かさない手はないと思うのです。そのためには、競合はどれくらいのペースで発信を行っているのか、自社はその時間軸でちゃんと動けているのかを知る必要があります。それを測るために、Qlipperの分析画面では横軸を時間軸としているのです。</p><p><strong>岩田:</strong>MIRAISEでは、蓑口さんが投資先の皆さんと一緒にコミュニケーション設計図や中長期的PRプランの策定を行っていますね。松本さんがおっしゃるように、PRは「一球入魂」ではなく長期的なコミュニケーションだと私も考えています。お話を伺って、Qlipperは長期的な戦略に適したモニタリングサービスだと感じますし、その理念にも大いに共感できました。</p><p></p><div class="h2 additionalClassesSet " style=""><p><strong>企業の本質は、PRである</strong></p></div><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2022/02/07/16/57/52/272e7609-eeb0-4374-9a62-bfed56bcb442/radio25_03.jpeg" link_href="" link_target=""></div><p><strong>岩田:</strong>これも蓑口さんとよく話していることですが、広報とPR(パブリック・リレーションズ)というのは大きく違うと思っています。広報は発信する、知らせるという意味ですが、PRはコミュニケーションとも言われるように、世の中の人々とどのように関係を作っていくのかという取り組みです。よくプレスリリースにある「新しい製品を開発しました」「〇〇社と提携します」という告知ももちろん必要ですが、これらはあくまで「発表」です。PRというのはさらに一歩進んで、自社の普段の取り組みや、その活動の背景にある思いを世の中に伝えていくことです。そしてリアクションを測って、頻度や内容をコントロールしていく、それがPRの本質だと思います。</p><p><strong>松本:</strong>そうですね。そういう意味では、PRはまだ日本に根づいていないと思います。私は企業の本質はPRだと考えていて、そうすると、営業も広告出稿もすべてがPRです。アメリカではすでにその考えは定着していて、企業活動はまるごとPRであるとして市場形成がなされています。日本でも、最近ではマーケティングと広報との間はある程度縮まってきているように思いますが、未だ広報・PR部門はブロードキャストする役割だけを担っていて、効果測定の部分はあまり問われていないのが現状です。するとどうなるかというと、広報・PR部門は発信するネタを待つ受け身の存在となります。競合が4本プレスリリースを出しているからうちも4本出そうと思っても、ネタがないと言われたら出せないのです。</p><p>そこで当社のサービスを使っていただき、ファクトとして競合のPR状況が見られれば、全社的にPR戦略を考えていこうという気運が生まれるかもしれません。例えば「キャンペーンをあと○本増やしましょう」「そのために取引先とこういう交渉をしてみましょう」というように、私たちがもっとPR視点でビジネスを動かしていく文化を日本に根づかせるための存在となれたらいいなと考えています。</p><p><strong>岩田:</strong>PRドリブンの経営ですね。「PRが企業の本質である」との言葉から、松本さんの強い信念が感じられます。MIRAISEでも「この時期にプレスリリースを出したいから、そのためにこの活動を前倒しでやろう」とか、「こういうストーリー付けをすると、この時勢ならリリースとして出せるよね」など、コミュニケーション設計の中に各種の活動を位置づけていくような取り組みをしています。</p><p></p><div class="h2 additionalClassesSet " style=""><p><strong>中小企業や街のお店にこそ、PR文化を根付かせたい</strong></p></div><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2022/02/07/16/58/04/4bc20cec-e094-4c2b-ab72-da70e3fde5b9/radio25_04.png" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>「Qlipper」のモニタリング画面。さまざまな指標からPR効果を検証できる</p></div><p>ーー企業全体としての発信や代表者の発信が大事なのはもちろんのこと、今後は従業員やお客様といった個人の発信もどんどん増えていくかも知れませんね。それをモニタリングして、適切なタイミングで適切なメッセージを発信していくことは、すべてのビジネスにおいてとても大事になっていくと思います。</p><p><strong>松本:</strong>その通りです。SNSやブログ、口コミなどを分析するソーシャルリスニングは、すでに盛んになされているのですが、クリッピング等のメディアモニタリングとはかなり乖離しているというのが現状です。ですが、そこにはちゃんと関連性があります。「文春砲が飛ぶとSNSで炎上する」という現象はよく知られていますが、実は文春砲が打たれる前にすでにちょっと炎上しているんですね。文春はそれをうまくとらえて記事にしているのです。</p><p>そうしたSNS等の情報とメディアとの関係性を見る上でも、やはり同じ時間軸でソーシャルリスニングも既存メディアのモニタリングもきちんとしていかなければなりません。SNSだけを見ていれば今のビジネスはうまくいくという考え方もありますが、文春砲の例のように、SNSとメディアの関係性にもしっかり目を配っておかなければ、ビジネスはうまくいかないと私は考えています。</p><p>ーーそのためには、わざわざ手作業で逐一調べて報告書を作っている時間はありませんね(笑)。リアルモニタリングをしながら、その日の経営会議で随時情報を連携していくくらいのスピード感と連動性がないと、これからのビジネスは回っていかない。</p><p><strong>岩田:</strong>Qlipperを使えばそれらが全部できるというのは素晴らしいですね。こうしたリアルモニタリングがあれば、経営層に対する広報からの提案も、数字を持った根拠あるものとして受け入れられるようになるのではと思います。そうすると、ビジネスをPR部門が引っ張っていくという、アメリカの形に近くなっていくのではないでしょうか。</p><p>ーー最後に、トドオナダが目指す世界について聞かせてください。</p><p><strong>松本:</strong>現在、PRは以前より手軽になってきています。昔は、広報部門の人は全国紙の記者さんとどれだけお友達になれるかがカギ、みたいな感じだったと思うんですね。メディアリストというものが非常に重要だと考えられていて、PR会社はそれを高い費用で提供していました。しかし、誰でも気軽にプレスリリースを出せる配信サービスが登場し、PRの垣根はずいぶん下がりました。そしてそのことにより、中小企業や街の飲食店などの個人事業主もPRを行っていかなければいけない時代になってきていると感じます。中小企業や商店主の方々にもPR文化を浸透させるべく、我々はそうした方々に伴走していきたいと考えています。そして、日本を代表する大手企業から中小企業・個人事業主まですべてのビジネスパーソンが、PRをビジネスとして捉える社会にしていきたいと思います。</p><p>ーー間違いなくそうした社会に向かっていますよね。PR文化を根付かせるためのトドオナダの挑戦に、今後も注目していきたいと思います。本日はありがとうございました!</p><p><br><br><br></p><p>◆<a href="https://todo-o-nada.com/"><u>株式会社トドオナダ</u></a></p><p>◆<a href="https://qlipper.jp/"><u>『Qipper』</u></a></p><p><br></p>
<p></p><div class="text-center " style=""><div class="iframe-container proportion-enabled width-set height-set dimensions-set proportion-25-5" data-width="100%" data-height="125px" data-src="https://anchor.fm/miraise/embed/episodes/24-Navier-e16hdv1/a-a6e0vka" style="position: relative; display: block; width: 100%; height: auto;"><div class="iframe-proportion-filler" style="position: relative; display: block; width: 100%; height: 1px; padding-bottom: 25.5%; margin: 0; margin-bottom: 0;"></div><iframe class="" style="position: absolute; display: block; top: 0; left: 0; width: 100%; height: 100%;" data-embed-type="generic" data-original-link="&amp;#60;iframe src=&quot;https://anchor.fm/miraise/embed/episodes/24-Navier-e16hdv1/a-a6e0vka&quot; height=&quot;102px&quot; width=&quot;400px&quot; frameborder=&quot;0&quot; scrolling=&quot;no&quot;&amp;#62;&amp;#60;/iframe&amp;#62;" src="https://anchor.fm/miraise/embed/episodes/24-Navier-e16hdv1/a-a6e0vka" width="100%" height="125px" proportion="25.5%" proportion-enabled="true" frameborder="0" allowfullscreen="true"></iframe></div></div><p>-------------------------------------------<br>MIRAISEでは、課題解決に挑むエンジニア起業家の生の声をお届けするラジオ番組「<a href="https://www.youtube.com/channel/UCV4Ju4OHLYp-2we7vLxWtTg/videos"><u>MIRAISE RADIO</u></a>」を配信しています。こちらのブログでは、「読む MIRAISE RADIO」として、起業家たちのストーリーをラジオの雰囲気そのままにお伝えしていきます。</p><p>● スピーカー|Navier株式会社 代表取締役 渋谷 拓<br>● MC|MIRAISE Venture Partner &amp; CTO 布田 隆介 / PR 蓑口 恵美<br>-------------------------------------------</p><p></p><p>写真撮影が、スキルや機材が必要なちょっと特別な趣味だった時代は終わり、今では誰もがスマホで気軽に写真撮影を楽しむ時代となりました。スマホのカメラ機能は年々向上していますが、ズームにするとピンぼけしたりぶれてしまったりして、残念な思いをした経験を持つ人も多いことでしょう。</p><p>しかし、そうした写真撮影のストレスは、近年急速に減ってきています。その裏には、現場のニーズから生まれた画像処理のAI技術がありました。今回は、AI研究で先を行く米国や中国に負けず、日本から世界に挑むNavier株式会社代表取締役・渋谷拓(しぶや・ひらく)さんにお話を伺いました。</p><p></p><h2><strong>画像処理に特化したAI・ディープラーニングの研究開発</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/11/15/10/47/34/607a75f7-47dd-4204-b3d6-ab7b60066bae/radio24_01.png" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>解像度の向上の事例 - 画像の解像度を上げ、画質を大幅に向上</p></div><p>――まず、Navierが提供しているサービスについて教えていただけますか?</p><p><strong>渋谷:</strong>主にディープラーニング、いわゆるAI系技術を活用した画像処理のアルゴリズムを提供しています。画像処理に特化し、研究による新しい画像処理手法の開発をしている点が、当社の大きな特徴であると思っています。</p><p>――AIの画像処理というと、人やモノの検知や文字の読み取りなんかを想像するのですが…?</p><p><strong>渋谷:</strong>当社で扱っている技術は、画像自体のクオリティを上げることに特化したソリューションです。具体的には、画像の解像度をきれいに上げる「超解像」、一般的にも広く使われているノイズ除去、画像を適正な明るさに戻す「鮮明化」などに関する技術を開発しています。ビジネスとしては、開発したアルゴリズムを個別のお客様の環境に合わせてチューニングした上で、ライセンスを提供する形で事業化しています。</p><p><strong>布田:</strong>昔の写真やガラケーで撮った写真をディスプレイ上で表示するとガビガビになったりしますよね。それをAIの技術で、今のディスプレイやスマホでもきれいに見られるようにしている、というとわかりやすいでしょうか。人力でやろうとすれば、Photoshopなどを使ってレタッチャーが10時間とかかければできるんですけど、それでは産業用途としては現実的ではないので、ソフトウェアとして提供していこうという技術ですよね。Navierのサイトでは、その技術のすごさを分かりやすくみてもらえます。</p><p>――Navierのサイトを見てみました。サンプル画像がガビガビだったりすごく暗かったりするのですが、カーソルを動かして技術処理体験をしてみると写真が一瞬できれいに変わります。まるで魔法のようですが…これがNavierのAI技術なんですね。</p><p><strong>渋谷:</strong>古い写真に対してそうした技術を使いたいということで、今まさに導入のステップに入っているお客様もいらっしゃいますし、例えばスマホのカメラなどでは、撮影の際にズームを使うとどうしても画質が落ちてしまいますよね。そうした画像の解像度をきれいに上げたり、ズームの際に出るノイズを除去したりというところで、当社の技術が使われています。</p><p></p><h2><strong>国際学会で認められた技術力</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/11/15/10/47/40/898244d3-ad72-4419-abf7-72de129f3403/radio24_02.png" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>高解像度化の新手法について国際学会で発表した研究成果</p></div><p><strong>布田:</strong>画像処理分野のAI活用において、Navierが得意な分野や、研究を深めてきた領域について教えていただけますか?</p><p><strong>渋谷:</strong>画像処理は、ディープラーニングやAIが登場するずっと前から研究開発がなされてきた分野です。先ほどお話しした「超解像」も、例えば「画像の1ピクセルごとに、周りのピクセルがこういう形式だったらこういう風に拡大する」というように、画像をできるだけきれいにするために人間が決めた関数のようなものを定義するということが、従来型の技術では行われていました。しかし、ディープラーニングやニューラルネットワークを使うことにより、以前のような決め打ちのアルゴリズムではなく、AIで判別して画像をきれいにすることができるようになりました。当社では、そうしたディープラーニングによる画像処理技術の実用化にかなり力を入れています。</p><p>AIの学習でよくあるのが、現実の世界では最適なデータセットがなかなか見つからないという状況です。超解像の分野でも、そういう問題はどうしても起こります。当社では、そうしたデータセットがなかなか取得できないような環境下においても、うまくAIをトレーニングする手法を提案しています。それによって、より実用的なディープラーニングによる画像処理を可能にしたという点が、当社の大きな強みだと思っています。</p><p>――「AIにディープラーニングをさせたいけれどデータが足りなくて、全然学習させられない」という声を企業から伺うことがよくあります。そのような現場の課題があるということでしょうか?</p><p><strong>渋谷:</strong>そうですね。データセットを揃えるためには、画像処理をしていない画像と、理想的にきれいになった画像という一対が必要ですが、実際の現場では、そもそもきれいでない方の画像しかない場合がほとんどです。当社は、そういった環境でうまくAIをトレーニングするための技術を開発し、論文として公開もしています。</p><p>――国際的な学会で発表されたという記事も拝見しました。</p><p><strong>渋谷:</strong>当社のリサーチャーである前田の論文が、画像処理系の国際学会であるCVPRで採択されました。その中でも特に優秀な論文は口頭発表という形でプレゼンテーションの機会を得られるのですが、その登壇者としても選ばれまして、世界的にも技術力が認められたのかな、と思っています。</p><p>――1,500本ほどもある論文の中から選ばれたんですよね。口頭発表は、日本企業として唯一だったとか。</p><p><strong>布田:</strong>AIの研究が進んでいるのは中国とアメリカ、かつ大企業がほとんどです。その中でNavierは、かなり初期の段階から研究開発に力を入れており、技術力を高めるためにリサーチャーや研究者を積極的に採用していました。スタートアップとして、まずリサーチャーがいるという時点でなかなか珍しい会社だと思います。普通の企業ですら、リサーチャーってあまりいないですからね。</p><p><strong>渋谷:</strong>そうですね。研究部門を持っているような所でも、最先端の技術にきちんとキャッチアップできている企業は意外と少ないのが現況です。</p><p></p><h2><strong>「アルファ碁」からAI研究の道へ。10万DLアプリ開発も</strong></h2><p>――ところで、渋谷さんはどうして起業されたのですか?</p><p><strong>渋谷:</strong>ひとことで言うと、ディープラーニングとの出会いがきっかけです。私はかつて、イラストのSNSで有名なピクシブで、エンジニアではなくディレクターやプロダクトマネージャーとして働いていました。一方で、プログラミングなどの技術が好きで、他の会社のお手伝いを個人でやっていたりもしていました。2016年頃、Googleに買収されたDeepMindというAI開発企業が作った「AlphaGo(アルファ碁)」が、世界トップの韓国のプロ棋士に勝ったというニュースがあり、世間的にも大きく取り上げられました。それをきっかけに、自分でもディープラーニングを学んでみようと思ったのです。</p><p>――AI活用の中でも、画像処理分野に着目した理由は?</p><p><strong>渋谷:</strong>その後、空き時間などを使ってディープラーニングの基本的な技術やモデル作成などを学びました。画像処理はディープラーニングの中でも比較的取り組みやすい分野で、データセットもフリーのものがけっこうあって集めやすかったりもして、見た目でわかりやすいということもあって、よく取り組んでいたのです。今でいう自動着色機能みたいなものも、当時の技術で作りました。それをiOSアプリ経由で簡単に使えるようにしたら、1ヶ月で約10万のダウンロードがあって驚いたこともあります。今思うと、当時の技術ですからめちゃめちゃレベルの低いものではあったのですが、それくらいインパクトのあることができるんだと感じた経験でもありました。</p><p>――10万ダウンロード!それはすごいですね。</p><p><strong>渋谷:</strong>ちょうどその頃、海外ではディープラーニングの研究結果を活かしたスタートアップがポンポン出てきているタイミングでした。それで、自分もその技術を使って何か事業を作りたいなと思うようになったのです。</p><p>当時はスタートアップのアクセラレータープログラムのプチブームみたいな時期でもあって、フィードバックがもらえるならと、高校時代の友人と一緒にいくつか受けてみたりもしました。その中で、2017年末に「Open Network Lab 」というアクセラレータープログラムに受かり、その中で会社を立ち上げました。</p><p>――ディープラーニングと出会って、それがどんどんライフワークの中心となっていったのですね。</p><p><strong>布田:</strong>やっぱり、個人でアプリを出して反応が得られたというのは大きかったですか?</p><p><strong>渋谷:</strong>そうですね。かなりインパクトのある経験でした。当時は相当珍しいアプリだっと思いますし…。</p><p><strong>布田:</strong>全然誰も使わなかったら、それで終わっちゃいますもんね。当時はそういう、モノクロの写真をカラーにするようなことが、わかりやすくAIの魔法として驚かれていた時期でもありました。</p><p></p><h2><strong>大手企業との連携、そしてAI画像処理の裾野を広げる未来へ</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/11/15/10/47/49/69a4b7fc-b55a-441b-9349-090f005297b6/radio24_03.png" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>画像の解像度をきれいに上げる「超解像」の技術</p></div><p>――今年8月、シャープの最新スマホ「AQUOS」に、NavierのAI技術が搭載されたというプレスリリースが出ました。創業からわずか数年で大手の製品に技術が採用されるとは、すごいですね。</p><p><strong>渋谷:</strong>最初にシャープさんにお声がけいただいたのは、とあるスタートアップのイベントでのことでした。その後、当社の前田が出した論文などを評価してくださって、1年くらい前から、当社の技術を実際にこれから出すスマホなどでどんな形で使えるかについてディスカッションを始めました。そこで、やはり超解像の技術を入れたいということになり、今回実現したという形になります。</p><p>――この技術が入ったスマホでは、どういったことが可能になるのでしょうか?</p><p><strong>渋谷:</strong>先ほどお話ししたように、カメラのズームを使うと画質は粗くなります。ズームは大きく分けて、ソフトウェア的に画質を上げる「デジタルズーム」と、センサー自体を強化する「光学ズーム」の2種類があります。デジタルズームは基本的に解像度が落ちるし、ノイズもかなり入ってしまうのですが、光学ズームはきれいですが、センサーのコストが高くついてしまう。デジタルズームできれいに見せられれば、コストも安くなるし画像のクオリティも上げられます。そうしたことを可能にするために、当社の技術を採用していただきました。</p><p><strong>布田:</strong>デジカメでもスマホでも、すごくズームして人などを撮ると、もうほぼ「イエティ」みたいな感じになりますよね(笑)。「これ、何を撮ったんだろう?」みたいな。それが、この技術を使うとちゃんとはっきり写るということですね。今後は、さらにいろんなところで活用されるんじゃないでしょうか。</p><p><strong>渋谷:</strong>シャープさんのような大企業に採用していただいたことはやはり大きな実績であり、同業他社さんからも引き合いをいただくようになりました。</p><p>――こうした大手企業との連携を経て、今後はどういう展開を目指しているのでしょうか?</p><p><strong>渋谷:</strong>大きく3つの目標があります。まず1つ目は、研究開発に今後も力を入れていくということです。今、当社が多くのお客様から引き合いをいただいているのは、研究開発がベースにあるからだと思います。まさにそれが当社の強みであり、会社の成長に繋がる重要なカギだと思っています。今後も引き続き高いレベルの研究成果を対外的にも発表していき、優秀なリサーチエンジニアが集まる会社にしていきたいと考えています。</p><p>2つ目は、ディープラーニングベースの最先端の画像処理技術を求めている企業はまだまだ多くあると思うので、そのニーズをしっかり満たしていくことです。画像処理の分野は、ディープラーニングによって飛躍的に精度・性能が高まってきました。しかし、画像処理を使いたくても、ディープラーニングベースの技術を導入するには至っていない企業は多いと思います。</p><p>Googleのように資本も技術力もある企業では、「Google Pixel」といったスマホにも多く資金を投入し、新しい技術もどんどん搭載できますが、そうではない大多数の会社が同レベルのアルゴリズムを使うのには、まだまだ高いハードルがあります。そうしたニーズを、当社が満たしていけるようにしたいのです。そのために技術のラインナップを拡充し、提供できるソリューションの幅を少しずつ広げていこうと考えています。</p><p>3つ目は、当社の技術を汎用的に利用できるようなプロダクトのリリースです。これまでは、開発した技術を個別のお客様ごとにチューニングして提供する形をとってきました。しかし、当社の技術が世界的にも通用するという自負が深まってきているので、もっと汎用的なプロダクトに落とし込んでいきたいなと考えています。研究だけでなく、プロダクト開発にも人が必要となるので、そちらの採用も強化していきたいですね。</p><p><strong>布田:</strong>「汎用的」というのは、APIといった形で誰でも使えるようなイメージでしょうか?</p><p><strong>渋谷:</strong>技術自体を使うようなサービスというよりは、当社の技術が活かせるような特定のソリューションを作るというイメージの方が近いです。技術自体をAPIで提供しようとするとかなりの資本力が必要となりますし、GoogleやAWS、中国のスタートアップと直接戦うような形となります。それはちょっと難しいと思うので、別の方向で、当社の強みが活きる領域を探していきたいなと思っています。</p><p><strong>布田:</strong>なるほど。「技術+ソリューション」として企業に提案していくようなイメージですね。</p><p>――今後はさらに仲間を増やし、日本から世界に挑んでいきたいとのことでしたが、Navierに合う人、来てほしい人というのはどんな人でしょうか?</p><p><strong>渋谷:</strong>技術を深堀りするのが好きな方には、当社は合うのではないかと思います。単純にサービスを作りたいというよりは、「この技術をより良くするためにどうしたらいいか?」というように、技術自体に興味を持てる人ですね。実際に今いる社員も、技術に高い関心を持ち、特定の分野でリサーチを深めてきたような人が多く、Ph.Dを持っている社員もいます。</p><p>――大学や研究機関で研究するのもいいけれど、より社会と近いところで、実装をベースにした研究ができるという環境なんですね。</p><p><strong>渋谷:</strong>そうですね。研究と社会実装、両方とも楽しめるのが当社の強みだと思っています。基本的にリモートワークで、インドで働いている社員もいます。</p><p>――社内はもうグローバルでもあり、これからさらに仲間を増やしながら世界に挑んでいくということですね。今後のNavierの展開を楽しみにしています!本日はありがとうございました。</p><p><br>◆<a href="https://navier.co/"><u>Navier株式会社</u></a></p><p><br></p>
<p></p><div class="iframe-container width-set height-set dimensions-set" data-width="100%" data-height="232px" data-src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/7pasLxdvrsNgOaHSwXPSEm"><iframe class="" style="" data-embed-type="generic" data-original-link="&amp;#60;iframe src=&quot;https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/7pasLxdvrsNgOaHSwXPSEm&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;232&quot; frameborder=&quot;0&quot; allowtransparency=&quot;true&quot; allow=&quot;encrypted-media&quot;&amp;#62;&amp;#60;/iframe&amp;#62;" src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/7pasLxdvrsNgOaHSwXPSEm" width="100%" height="232px" frameborder="0" allowfullscreen="true"></iframe></div><p>-------------------------------------------<br>MIRAISEでは、課題解決に挑むエンジニア起業家の生の声をお届けするラジオ番組「<a href="https://www.youtube.com/channel/UCV4Ju4OHLYp-2we7vLxWtTg/videos"><u>MIRAISE RADIO</u></a>」を配信しています。こちらのブログでは、「読む MIRAISE RADIO」として、起業家たちのストーリーをラジオの雰囲気そのままにお伝えしていきます。</p><p>● スピーカー|一般社団法人コード・フォー・ジャパン 代表理事 関 治之 / MIRAISE Partner &amp; CEO 岩田 真一<br>● MC|MIRAISE PR 蓑口 恵美<br>-------------------------------------------</p><p>「オープンコミュニティでよりよい社会を作る」をミッションに、住民と行政、企業が手を携えてより良い社会を共に作っていく「シビックテック」推進の第一人者として精力的に活動している、一般社団法人コード・フォー・ジャパン代表理事の関治之(せき・はるゆき)さん。</p><p>今回は、MIRAISEが今年8月に開催するイベント「未来図会議」にゲストとして登壇いただく関さんと、MIRAISE代表・岩田が、オープンソース、そしてオープンコミュニティが拓く新たな世界について語ります。</p><p>※<a href="https://www.miraise.vc/news/miraise-kaigi007"><u>本イベントは2021年8月に開催しました</u></a></p><p></p><h2><strong>楽しみながら課題解決に貢献できるオープンコミュニティ</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/11/15/09/58/35/65bbad15-4628-4075-a8e2-416a7fbc2d86/radio23_01.jpeg" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>一般社団法人コード・フォー・ジャパン 代表理事 関 治之さん</p></div><p>――関さんは、コロナ前はもとよりコロナ禍においても数々のメディア出演をこなし、デジタル庁開設に向けた情報発信を行うなど、以前から精力的に活動されていますね。改めて、関さんの取り組まれていることについて教えていただけますか?</p><p><strong>関:</strong>「オープンコミュニティでよりよい社会を作る」というミッションで活動しています。僕自身は25、6年前からエンジニアをしていて、オープンソースなどのコミュニティで長く活動してきました。その中で、組織の垣根を超えた人々の繋がりに非常に価値を感じていまして、こうしたオープンカルチャーを活用して世の中の課題解決ができるのではないかと思い、コード・フォー・ジャパンを2013年に立ち上げました。</p><p>ほかにも、オープンソースのGIS(地理情報システム)を使ってシステム開発を行い、地域課題を解決するソフトウェアを企業と一緒に作っています。また、チームビルディングやプロジェクト進行などのサポートを通じて企業のオープンイノベーションを推進する、株式会社HackCampの代表も務めています。</p><p><strong>岩田:</strong>オープンコミュニティやオープンソースのカルチャーを社会実装に持っていくというパワーが、関さんのすごさだと思います。リアルなコミュニティでも人を巻き込み、実行に移していく、そうして行動で示しているところが本当にかっこいい。そんな関さんのベースとなっている、オープンソースカルチャー、オープンコミュニティについて詳しくお聞かせいただけますか?</p><p><strong>関:</strong>僕が社会人になったのは1990年代後半でしたが、ちょうど2000年くらいにオープンソースが一気に普及し始めました。サーバーを中心にさまざまなソフトウェアにおいて、オープンソースの方が品質が高いと言われるようになった時代でした。</p><p>――関さんも、オープンソースに関わっていらっしゃったんですよね。</p><p><strong>関:</strong>はい。オープンソースコミュニティに参加するようになって、会社とは別のコミュニティの中でいろんな活動をすることができました。業務でやっていることをオープンソースの改善に活かすなど、会社の仕事をコミュニティに還元するといったことですね。タダで使える分、みんながフィードバック、コントリビューションする。その関係が素晴らしいと感じていました。お金をもらわなくても、みんな楽しいからやるという世界が広がっていたのです。</p><p>――その経験が、コード・フォー・ジャパンにも活きているということでしょうか。</p><p><strong>関:</strong>エンジニアはもともと課題解決が好きな人種です。その力をいい方向に活かし、楽しみながら課題解決ができる社会を作ることを、コード・フォー・ジャパンでもすごく大切にしています。アメリカの大学の研究室からどんどん発展していったオープンソースコミュニティは、すでにひとつの思想でもあり、今では本当にいろんなものがオープンソースになっています。こうしたオープンソースのように、みんなが自然と良い世界に貢献できるような、そんな新たな仕組みを作りたいというのが、僕の個人的な野望でもあります。</p><p></p><h2><strong>オープンソースカルチャー浸透に向けて</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/11/15/09/58/56/a440a462-e50f-458a-a245-51a9949611da/radio23_02.jpeg" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>オープンソースコミュニティを活かし、より良い社会を目指す</p></div><p>――エンジニアの方にはオープンソースの考え方は身近なものだと思うのですが、エンジニア以外の人、例えば行政の方々などに対して、関さんはオープンソースの概念をどのように伝えているのですか?</p><p><strong>関:</strong>例えば行政の方には「作ったものは公共財として公開しましょう」という考え方ですよ、とお伝えしています。そうすればみんなが使えるものになって、そこからさらに派生してさまざまなことが生まれる可能性がありますよ、と。タダで図書館を建てられるようなものだと説明することもありますね。</p><p>――「公開」というと、「いや個人情報が…」と懸念を示す方もいらっしゃると思うのですが、そうした点はどのようにクリアされているのですか?</p><p><strong>関:</strong>まず、ソフトウェアの仕組み自体に個人情報は含まれません。作ったソース、ソフトウェアの作り方を公開しているだけなので、プライバシーの漏洩のようなことはほとんどないはずです。セキュリティ面での脆弱性には気をつけなければいけませんが、基本的に個人情報が漏れてしまうということはないのです。</p><p><strong>岩田:</strong>いい質問ですね。エンジニアでない人の中には、ソフトウェアとデータの違いがよくわかっていない人もいますから、「データ」の方を公開されるんじゃないかと思ってしまう。例えると、Excelというソフトウェアの作り方を公開するけど、Excelに入力した数値なんかが漏れてしまうことはない、ということですね。</p><p>――仕組みだったり場所というものが公共財、公共の財産であって、そこに入れるものは個人のもので、個人のプライバシーがある形として管理されないといけないということですね。</p><p><strong>岩田:</strong>そうですね。データは中身です。その入れ物、操作する部分がソフトウェアです。だから、データの部分はオープンソースであろうがなかろうが、データの持ち主が管理しなければいけない。ただ、オープンソースのデータ版、コンテンツ版である「クリエイティブ・コモンズ」というのもありますね。考え方は同じで、タダでデータやコンテンツを使っていいけど、必ず「クリエイティブ・コモンズ」のマークを付けて公開しましょうというものです。</p><p><strong>関:</strong>「オープンデータ」と呼ばれる、行政の集めたデータを公開しようという話も出てきています。もちろん行政の持つ個人情報ではなくて、避難所の情報などを公開していこうという動きです。</p><p><strong>岩田:</strong>そうすると、それを元によりよい見た目のサービスを誰でも作れるようになったり、自分たちまちに合った使いやすいものにしたりとか、データを集めてくるところから自分でやらなくてもいいよね、と。世の中がこうした流れになっていくと、データとソフトウェア、パブリックとプライベートの違いを理解し、判断できるリテラシーはますます必要になりますね。</p><p><strong>関:</strong>その点は、まだまだきちんと丁寧に説明しないといけない部分ですね。「オープン」と聞いて、全部一緒くたにして「ダメだ!」と言われてしまうと、話が進まなくなってしまいますから…。</p><p>――現在、「DX人材が必要」「企業のDX推進を」と盛んに叫ばれていますが、経営者・社員ともにリテラシーがなければ、議論も設計もできないですね。世の中一般の人々の認知も、どんどん変わっていかなければいけない時代だと感じました。</p><p><strong>関:</strong>そうですね。例えば行政の場合、関わる部門すべてが理解しているとすごく進めやすいですね。これは利用する側も同じで、市民側から「セキュリティはどうするんだ!」「個人情報が漏れるのでは」というような批判が来てしまうと、行政としてはプロジェクトを止めざるを得ない結果にもなりかねません。ですから、広く理解してもらうための努力は本当に大切なことです。</p><p></p><h2><strong>1週間で立ち上げた東京都「新型コロナウイルス感染症対策サイト」</strong></h2><p><strong>岩田:</strong>最近ではGovTechに注目が集まっていますが、例えばシンガポールはGovTech先進国で、コロナ陽性者の追跡アプリもいち早く開発・導入していました。シンガポールがGovTechで作っているものは、基本的にすべてオープンソースとして公開しているんですよね。</p><p><strong>関:</strong>アメリカでも、オバマ大統領時代に「Federal Source Code」ポリシーというものが出され、税金で作ったソフトウェアは可能な限り公開するという方針になりました。政府内に「18F」という組織があって、シンガポールのGovTechチームのように、作ったものはどんどんオープンソースで公開しています。</p><p><strong>岩田:</strong>コード・フォー・ジャパンが手がけたGovTechとして、東京都の「<a href="https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/"><u>新型コロナウイルス感染症対策サイト</u></a>」がありますね。シンプルでとても見やすく、グッドデザイン賞も受賞しました。こちらもオープンソースで、北海道など他の自治体でも使われているんですよね。</p><p><strong>関:</strong>全国80地域ほどで使っていただいています。</p><p><strong>岩田:</strong>同じようなものを他の自治体が一から作ろうとすると、東京都のものと同じような機能を作るために同じようなことをやらなければならず、その分の税金も無駄になってしまいます。それがオープンソースとして公開されていることで、瞬時にいろんな自治体で立ち上げることができたということですね。</p><p>――このプロジェクトの背景は?</p><p><strong>関:</strong>昨年2月くらいに、東京都の宮坂副知事からお問い合わせいただき、コンペで選んでいただきました。よくある行政のサイトというのは、かなり見づらいものも多いですよね。PDFが開いたりとか、ひたすら文字が並んでいたりとか…。宮坂さんがおっしゃっていたのは、データをわかりやすく見せたいということでした。外国人も多くアクセスするから、ひと目でどういう状況なのかが直感的にわかるサイトを作りたいと。</p><p>――オープンソースで作られたんですよね。</p><p><strong>関:</strong>はい。オープンソースにすることで、他の地域でも使えるようになるし、いろんな人のフィードバックにより改善していけますよ、と提案し、採用していただきました。最初はもう、1週間かからないくらいで突貫でがーっと作って公開しました。その後GitHubにも公開すると、本当にたくさんの人たちから「ここはこう直した方がいいよ」「ここが壊れてるよ」などのフィードバックをいただき、一緒に改善しながら直していったというプロジェクトです。</p><p>――海外からも含め、300名くらいのエンジニアの方が関わったそうですね。1週間で立ち上げとは、すごいスピード感です。</p><p><strong>関:</strong>我々はそういうハッカソンライクな、緊急立ち上げみたいなのは慣れていますから…。災害などの際にも、そうした活動はかなりやってきました。だから「こういう問題だったらこの人が詳しそう」とすぐ声をかけてやってもらえるという繋がりがあり、それらが今回も活きましたね。</p><p>――3.11が、関さんがコード・フォー・ジャパンの活動を初めたきっかけになったと以前伺ったことがありました。当時と比べて、今回の課題に対してエンジニアができることや、動くスピード感は、この10年で大きく変わったと感じますか?</p><p><strong>関:</strong>大きく変わりましたね。東日本大震災の時は、まだ一部の人たちだけが一生懸命、よくわからないまま動いているような感じでした。行政との繋がりもなく、「知る人ぞ知る」活動で、やることだけで精一杯という。でも今回は、東京都と一緒にやったということもあったし、これまでの繋がりの蓄積もあったので、別の地域に転用されるのも早く、何か合った時に「すぐこれやってください」というやりとりがスムーズにできました。3.11の頃と比べると、活動に力強さがありましたし、その広がりや深さも段違いにだったと思います。コード・フォー・ジャパンのチームだけじゃなくて、各地でいろんな活動が生まれたこともすごく良かった。</p><p><strong>岩田:</strong>今回は、日本全体、もっと言えば世界全体で共通の問題が起きたというのがそれを後押ししましたね。自治体はそれぞれIT化が進んでいる所もあれば、FAXしかないような所もある中で、すべての自治体が横連携しながらある意味強制的に動かなければならなかった。さらに、デジタル庁という旗振り役もできました。そこに、これまでしっかり実績を積み上げてきた関さんのような方がいて、活動にコミットできたのは本当に良かったなと思っています。</p><p></p><h2><strong>自ら関わり、自ら手を動かすことが「幸せ」のカギ</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/11/15/09/59/13/04b04750-2d75-407b-b454-021565527864/radio23_03.jpeg" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>ソフトウェア開発者が集う日本最大級のカンファレンス「Developers Summit」で登壇する関さん</p></div><p>――今後は、非エンジニアである私たちも含めて、デジタル前提の社会で自分は何ができるかを考え、民間企業や自治体が一緒に課題解決に向けて動けるようになる必要があると思います。その中で、コード・フォー・ジャパンは「make our city」という言葉を掲げて活動されていますね。その言葉に込めた想いとは?</p><p><strong>関:</strong>現在、コード・フォー・ジャパンでは「make our cityプロジェクト」を進めています。現在、スマートシティやスーパーシティという言葉が取り上げられ、一部で盛り上がっています。ドローンがモノを運んでくれるとか、自動運転とか、ITを使って便利なまちをつくるという世界観で、日本でも「Society 5.0」というのを掲げていますね。今だと、企業や自治体が勝手に便利なサービスを作ってくれるという他人事みたいな感じですが、「make our cityプロジェクト」は、それをもっと市民中心でやろうというプロジェクトです。</p><p>――「Society 5.0」の紹介サイトには素敵な動画がいろいろありますが、それを見ると、ただ待っていたら「Society 5.0」が来るのかな、という感じがしますよね。確かに…。</p><p><strong>関:</strong>そんな感覚の人が多いと思うんですけど、それで地域や人々が豊かになるかというと、実はそんなことはないと、ITをよく知っている我々だからこそ思います。消費者的な関わりだと、便利になったと思っても、豊かになったとは思わない。ですからコード・フォー・ジャパンでは、自分たちが関わることを大切にしたいと思っています。スマートシティというキラキラしたものに単に使われるのではなく、自分たちのまちをどうしたいか、持続可能性なども含めて地域の中でしっかり議論をして、手を動かして小さな改善からIT・デジタルを使っていく。その先に豊かな地域があると思うのです。そのためにいろんなツールやワークショップの型を作り、実際に地域の人たちと一緒に実践しているところです。静岡県浜松市など、いくつかの地域との協働が始まっています。</p><p>――例えば体育館のような公共施設は、行政が建ててくれて、市民はその恩恵を受けるというものですよね。それが市民と行政の関係性だと思いこんでいる方も、まだまだ多いと思います。そうではなく、自ら関わり、未来はこういうまちにしたい、こういうまちに住みたいと議論をして、自ら作る側に立つ。それは、すごいマインドの転換ですね。</p><p><strong>岩田:</strong>それはすべて、オープンソースカルチャーですね。根っこがそこにある。誰かが作ったものを買って使うことから、自分たちで作っていく世界へ。1人じゃできないから、いろんな人の力を借りて、自分たちが欲しいものを作っていく世界観ですね。</p><p><strong>関:</strong>すでにあって、限定された用途にしか使えないものを使うのではなく、自分たちで作って、用途に応じて柔軟に変えられるDIY的なものからクリエイティビティが生まれます。クリエイティビティは、幸せにすごく影響するんですよね。</p><p><strong>岩田:</strong>関さんの言葉の端々からその思想を感じます。</p><p>――一流料理店のカレーライスもおいしいけど、自分の作ったカレーも自分に合っていておいしい、ということですね。</p><p><strong>岩田:</strong>そうなんですよね。作っている最中が楽しかったとか、儲かるとか安いとかを超えたところにある豊かさというのは、そういうことなんだろうなと思います。</p><p><strong>関:</strong>この流れがさらに大きくなるには、まだまだ時間はかかると思います。しかし最近、コード・フォー・ジャパンでは10代後半や20代前半の方がすごく積極的に活動してくれています。次の世代にはそれが当たり前という形になっていくと、コード・フォー・ジャパンが存在する価値があったと実感できると思います。</p><p><strong>岩田:</strong>ソフトウェアだからこそ、その場に行かなくても世界中に貢献できるんですよね。</p><p><strong>関:</strong>それもまた面白いところですよね。僕らは台湾のコミュニティとすごく仲がいいのですが、彼らのプロジェクトを手伝ったり、逆に手伝ってもらったりしながら、気軽に国境を超えたコラボレーションができています。</p><p><strong>岩田:</strong>「手間返し」という古い言葉があります。お金で払うんじゃなくて、実際に手伝ってあげることで返す。その方が豊かな世界ができますね。お金で解決するとある意味毎回毎回清算されてしまいますが、「手間返し」は繋がっていく世界です。</p><p><strong>関:</strong>その繋がりを通して、信頼関係が本当にいろんなところに生まれていく。そんな世界の実現を目指して、今後も活動を続けていきます。</p><p>――ありがとうございました!オープンソースカルチャーの豊かさと深さを感じたお二人の対談でした。後日開催しますMIRAISE「未来図会議」も楽しみにしています!</p><div class="img-container"><img src="https://lh5.googleusercontent.com/ZHKrrzQl912nGgXh1IaEfKhVg6fKD1QsQv831-GgirMZNZ2zT99wF23kuT5Yg5ANdireiKp5pjVBKBO_fa8shZKdpT8EqRoecKEvzBbEKHMT3B7sDTq99GwlzlmOOMQAUjBaGygS" link_href="" link_target=""></div><p>◆<a href="https://www.code4japan.org/"><u>コード・フォー・ジャパン</u></a><u><br></u>◆<a href="https://www.miraise.vc/news/miraise-kaigi007"><u>MIRAISE「未来図会議07」の開催報告</u></a></p>
<p></p><div class="iframe-container width-set height-set dimensions-set" data-width="100%" data-height="232px" data-src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/10cR5Yt4qgB1fNiIJfomgK"><iframe class="" style="" data-embed-type="generic" data-original-link="&amp;#60;iframe src=&quot;https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/10cR5Yt4qgB1fNiIJfomgK&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;232&quot; frameborder=&quot;0&quot; allowtransparency=&quot;true&quot; allow=&quot;encrypted-media&quot;&amp;#62;&amp;#60;/iframe&amp;#62;" src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/10cR5Yt4qgB1fNiIJfomgK" width="100%" height="232px" frameborder="0" allowfullscreen="true"></iframe></div><p>-------------------------------------------<br>MIRAISEでは、課題解決に挑むエンジニア起業家の生の声をお届けするラジオ番組「<a href="https://www.youtube.com/channel/UCV4Ju4OHLYp-2we7vLxWtTg/videos"><u>MIRAISE RADIO</u></a>」を配信しています。こちらのブログでは、「読む MIRAISE RADIO」として、起業家たちのストーリーをラジオの雰囲気そのままにお伝えしていきます。</p><p>● スピーカー|株式会社OutNow 代表取締役 濱本 至<br>● MC|MIRAISE Venture Partner &amp; CTO 布田 隆介 / PR 蓑口 恵美<br>-------------------------------------------</p><p>海外では、ジャーナリストや各界の専門家、ブロガーなどあらゆる人々が続々と配信し、大流行の様相を見せているニュースレター。最近では、日本でも注目を集め始めています。</p><p>今回は、日本発のニュースレター配信サービス「theLetter」を展開している株式会社OutNow代表取締役の濱本至(はまもと・いたる)さんにお話を伺いました。近年伸びている動画コンテンツやTwitterなどとの違いとは。そして、読み手と書き手の新しい関係性とは――。情報が溢れる世界の中で、彼らが目指していく未来についてお聞きしていきます。</p><p></p><h2><strong>書き手と読者が直接つながるニュースレター配信サービス『theLetter』</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/09/07/10/35/44/2640d91f-0ea1-40fd-aa7f-fa8489c05d02/radio22_01.png" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>ニュースレター配信サービス「theLetter」</p></div><p>――海外では今、ニュースレターが非常に注目されていますね。濱本さんは、日本でニュースレター配信サービス「theLetter」を展開されています。まずはこちらのサービスについてお聞かせいただけますか?</p><p><strong>濱本:</strong>「theLetter」は、Web記事とニュースレターを同時配信できるサービスです。各々の書き手が直接課金のニュースレターを配信し、マネタイズすることができます。現在はウェイティングリスト形式で会員登録していただいていますが、今年中にオープン化することを目指しています。まだクローズドのサービスではありますが、すでにライターやジャーナリスト、研究者、YouTuber、投資家など、さまざまな方に使っていただいています。</p><p>――ニュースレターの強みとは?</p><p><strong>濱本:</strong>現状のSNSは、コミュニティの垣根を超えて発信が届いていくので、誤解や炎上の危険性が常につきまといます。ニュースレターは、自分を選んでくれた人に向けて発信を続けて関係性を作っていくものなので、SNSのようなリスクはかなり少ない。その点が大きな強みであると思います。</p><p>――「theLetter」は、書き手のコミュニティもあるそうですね。</p><p><strong>濱本:</strong>はい。そのコミュニティで質問できたり、収益化や集客アイディアを得られたりするほか、成功事例のデータから導き出されたノウハウも提供しています。書き手向けの手厚い支援も、「theLetter」の特徴のひとつですね。</p><p><strong>布田:</strong>ニュースレターのサービスを作ろうと思ったきっかけは?</p><p><strong>濱本:</strong>3つあります。1つ目は、個人を可視化するサービスを作ることが、僕と共同創業者の荻田との起業テーマだったことです。僕も荻田も「クリエイターエコノミー」という言葉が知られる以前から、シェフや漫画家などのクリエイター個人がダイレクトに自分のファンとつながり、収益を得られるというサービスの構築に関わってきました。その中で気づいたのが、書き手が生み出す記事の単価が、約20年間ほとんど変化がないということでした。だからこそ今の時代に合わせ、ライターやジャーナリストといった「書き手」を支援するサービスを立ち上げようと考えました。インターネット上での直接課金には、書き手が単価をスケールできる機会がまだまだあると考えています。</p><p>2つ目は、新型コロナウイルスの影響です。コロナが流行し始めた頃は、とにかく正確な情報が欲しいと思っていました。今までならTwitterで情報収集していましたが、コロナに関しては、著名人が間違った情報を発信していて、それを普通に受け取れてしまうという状況がありました。有象無象の情報が流れてくるSNSではなく、専門家や現場を知るジャーナリストなど、そうした人たちから直接情報を得たいと強く願ったという原体験があります。</p><p>3つ目は、もともとニュースレターの良さを実感していたことです。昔から、僕はシリコンバレーの起業家たちのストーリーを読むのが大好きでした。自分が欲しい海外の情報はニュースレターになっていることが多く、自然とたくさんのニュースレターを取っていたんですね。ですから、良質な情報が向こうから届くというニュースレターの良さを、肌感として知っていたのです。この3つの要素が掛け合わされて「theLetter」は生まれました。</p><p>――個人の情報発信としては、コロナ禍でYouTubeなどの動画や音声がすごく伸びている印象があります。「theLetter」はテキストの配信プラットフォームですが、この時代にあえてテキストを選んだ理由は何でしょうか?</p><p><strong>濱本:</strong>テキストの良さは「ディスカバリー」にあると思います。動画や音声は、視聴・聴取しようとする際にはちょっとした心構えが必要ですが、テキストは完全に自分のペースで読めるので、ちょっと見てやめる、ということもできます。「発見する」「発見される」ハードルが音声や動画より低いのではないかと思うのです。</p><p>動画や音声はディスカバリーが弱いので、レコメンドエンジンなどプラットフォーム側のアルゴリズムにすごく依存してしまう。届けたい人に思ったように届かないという現象が起こりがちなのです。しかし、テキストはさまざまなメディアに転載されたり、「はてなブックマーク」にブックマークされたり、「NewsPicks」でピックされたりということが起こります。ただ1本のブログ記事がいろんなところに拡散するので、ディスカバリーの機会が増えるという良さがあるのではと感じています。</p><p></p><h2><strong>ニュースレターは「線」のメディア</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/09/07/10/35/51/13c6ed00-c13d-43db-949d-9c4da850d91d/radio22_02.png" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>「theLetter」公式ニュースレターのサマリ。読者とのつながりの積み重ねが窺える</p></div><p><strong>布田:</strong>「theLetter」はニュースレターが直接メールボックスに届くというものですが、例えば、ブログを書いてTwitterなどのSNSでシェアして読んでもらうといったこともありますね。その違いを教えていただけますか?</p><p><strong>濱本:</strong>ひとことで言うと、点と線の違いだと思います。ブログポストは、Webという海に自分のブログ記事を投げ込むようなイメージです。ですから、記事の内容は別として、読む側、記事を見つける側にとっては一つひとつの記事にあまり連続性がなく存在しており、1本記事をを読んだ人が必ずしも2本目を読むとは限りません。</p><p>一方のニュースレターは、1記事読んで「こういう記事が届くならぜひ受け取りたい」という人のリストが溜まっていくのが特徴です。「theLetter」の平均開封率は65%ほどですが、これは、1本目の記事を読んだ人の6割以上が2本目を読んでくれたということです。Webメディアを運営しているとわかるのですが、これはすごい数字です。1か所で読者と繋がり続けられるツールというのは、メール以外だとほとんどないんじゃないかなと思っています。</p><p><strong>布田:</strong>書き手と読者とのエンゲージメントということですね。確かに、直接届き続けることで書き手のファンになったり、次の配信を楽しみに待ったりと、どんどんハマっていく要素はありますよね。</p><p>――SNSでは、もともと探していた情報にたどり着くまでに、目的のもの以外の情報がどんどん入ってきてしまって、それがけっこう辛いと感じることがあります。「theLetter」では、自分が選んだ書き手のニュースレターが直接届くから、欲しい情報までのルートがすごくすっきりしていますよね。</p><p><strong>濱本:</strong>僕も100を超えるニュースレターを取っているのですが、10本を超えてくると、自分のオリジナルの新聞を作っているような感覚になります。この分野はこの人、あのトピックはあの人と、自分の大好きな人たちで構成される新聞という感じですね。</p><p></p><h2><strong>書き手と読者のコミュニティができていく</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/09/07/10/35/59/fe8e315c-50d8-40ee-8f31-d5ed50fbefbb/radio22_03.png" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>「theLetter」のニュースレター作成画面</p></div><p><strong>布田:</strong>現在、「theLetter」の書き手の方々からはどんな反応をいただいていますか?</p><p><strong>濱本:</strong>「これまでとはまったく違う執筆体験がある」とよく伺います。例えばブログだと、誰が読みに来るのかわからないので、読んでもいいし読まなくてもいいよ、という感じでポストします。しかし、ニュースレターには明確なリストがある。「この人たちに送る」という意識がすごく強くなると、皆さん共通でおっしゃっています。自然と執筆にも力が入り、記事のクオリティを高めようという意識になるようです。</p><p>――誰かわからない1,000人よりも、自分を選んでくれた100人への思いが生まれるんですね。書き手と読み手とのコミュニティがどんどんできていく感じなのでしょうか?</p><p><strong>濱本:</strong>「LINEオープンチャット」など、さまざまなサービスと紐付けてコミュニティを作ろうとする方もいらっしゃいます。あと、「theLetter」にはメール返信機能があり、書き手が送ったニュースレターに読者が返信することができます。見ていると、その返信メールが1,000文字を超えるような長文の返信ばかりで…。Web記事のコメント欄だと「面白かったです!」のひとことだけだったりすることも多いですが、ニュースレターは書き手と読者の関係が親密になる分、熱心な読者が多いということだと思います。</p><p></p><h2><strong>書き手のビジネスモデルを転換、個人が主役を担うメディアへ</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/09/07/10/36/08/8937bb78-41be-438d-9fb8-45a5c625e887/radio22_04.jpg" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>「theLetter」でメディアの新たな可能性を追求する、濱本さん(左)と共同創業者の荻田さん</p></div><p><strong>布田:</strong>今後は、どのような展望を描いていますか?</p><p><strong>濱本:</strong>ニュースレターを日本でも根付かせるには、個人発信のレターで大きな成功事例を作るのが最も良いのではと思っています。というのも、書き手の方々からは「どういうレターがうまくいっていますか?」「他の人はどうやっているんですか?」ということをすごくよく聞かれるからです。成功事例はあるのか、自分も成功できるのかをすごく気にされている。ですから、現在は事例づくりに注力しています。2、3か月後にはかなり大きな成功事例となりそうなレターがいくつもあるので、それらの事例を胸を張って発表できるタイミングと、サービスをオープンにして誰でも登録できるようにする時期を重ねようと考えていて。おそらく、今年中にはできるんじゃないかと思っています。<br>※編集者追記:theLetterは2021年10月18日に正式ローンチしました(<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000037666.html" target="">プレスリリース</a>)</p><p>――「theLetter」において、具体的にどういう状態が成功といえるのでしょうか?</p><p><strong>濱本:</strong>これまで各種媒体で書いてきた人たちは、1本3〜5万円ほどといわれる原稿料を収入の柱にしています。現状、メディア業界は成長している市場ではないので、実は記事1本あたりの単価は20年前からほとんど変わっていません。つまり、収入を上げたいなら、ちょっとコンサル的なことをするとか、テレビに出てみるとか、執筆以外のことを頑張らなければならない状況なのです。執筆だけで収入を上げるには納品数を増やすしかないという、労働集約型のビジネスモデルになっているんですね。</p><p>――「theLetter」が、そのビジネスモデルを変えるということでしょうか。</p><p><strong>濱本:</strong>ニュースレターの有料課金率はだいたい5〜20%ですが、「theLetter」では、有料読者が増えるほど1本あたりの単価がスケールするというモデルになっています。ですから、書き手の方々にとっては、「theLetter」でのニュースレター配信が、これまでメインとしてきた既存媒体での執筆活動に加えた収入源として大きな柱になる可能性があります。喜んでお金を払ってくれる読者が何人もいて、今までよりもずっとたくさん稼げている…という書き手を生み出すことが、僕らで言う成功事例だと思っています。</p><p>――書き手は自分の生み出すコンテンツでサステナブルに収益が得られて、読み手はそのコンテンツを毎回楽しみに受け取る…そこから交流が生まれて、フィードバックし合えるコミュニティとなっていくのは、すごくいい世界観ですね。</p><p><strong>濱本:</strong>このビジネスモデルが回ると本当に面白くなると思っています。既存メディアがなくなることはないと思いますが、これからはやはり、個人やスモールチームが作るメディアが主流となっていくでしょう。「theLetter」はこの新たなメディアを支え、良くしていくツールでありたいなと思います。</p><p>――海外では、例えば新聞記者が新聞に載せきれない裏話や個人の意見をニュースレターとして発信するといった事例がかなりあるそうですね。日本でも、そうした動きが今後出てくるかもしれませんね。</p><p><strong>濱本:</strong>取材したものが10だとすると、既存メディアに載せられるのは0.5や1くらいなんですよね。残りの9以上は、書き手の取材メモに眠っているわけです。それをニュースレターで配信したら、きっと面白いと思ってくれる人がたくさんいると思います。そうした事例は、「theLetter」でもすでに出始めています。</p><p>――ニュースレターによって、眠っているものがちゃんと世の中に届いて、欲しい人に届けられるというのは面白いですね。</p><p><strong>濱本:</strong>大手メディアでは1記事に対し数万PVが求められますが、個人のニュースレターでは、有料読者が1,000人もいれば普通のサラリーマンよりずっと稼ぐことができます。ですから、かなりニッチなテーマでも成功できる書き手はたくさんいるんじゃないかと思っています。</p><p>――書き手さんそれぞれのストーリーがどんどん出てくると、面白い世界になっていきそうですね。「theLetter」の今後の展開を楽しみにしています!</p><p><br>◆『<a href="https://lp.theletter.jp/"><u>theLetter</u></a>』<br>◆<a href="https://itaru.theletter.jp/"><u>濱本さんのニュースレター</u></a><u><br>◆掲載記事(引用:DIAMOND SIGNAL)<br></u>・<a href="https://signal.diamond.jp/articles/-/905" target="">メルマガとはどう違う? 海外で人気を博す“ニュースレター”サービスの正体</a><br>・<a href="https://signal.diamond.jp/articles/-/906" target="">日本にニュースレターは普及するか? “日本版Substack”目指す「theLetter」が正式公開</a><br><br></p><p></p>
<p></p><div class="iframe-container width-set height-set dimensions-set" data-width="100%" data-height="232px" data-src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/260QShEmlwaBljKiK9xXbu"><iframe class="" style="" data-embed-type="generic" data-original-link="&amp;#60;iframe src=&quot;https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/260QShEmlwaBljKiK9xXbu&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;232&quot; frameborder=&quot;0&quot; allowtransparency=&quot;true&quot; allow=&quot;encrypted-media&quot;&amp;#62;&amp;#60;/iframe&amp;#62;" src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/260QShEmlwaBljKiK9xXbu" width="100%" height="232px" frameborder="0" allowfullscreen="true"></iframe></div><p>-------------------------------------------<br>MIRAISEでは、課題解決に挑むエンジニア起業家の生の声をお届けするラジオ番組「<a href="https://www.youtube.com/channel/UCV4Ju4OHLYp-2we7vLxWtTg/videos"><u>MIRAISE RADIO</u></a>」を配信しています。こちらのブログでは、「読む MIRAISE RADIO」として、起業家たちのストーリーをラジオの雰囲気そのままにお伝えしていきます。<br><br>● スピーカー|MIRAISE Partner &amp; CEO 岩田 真一 / MIRAISE PR 蓑口 恵美<br>-------------------------------------------</p><p>どんなにステキなソリューションやプロダクトを生み出しても「認知」されていなければ、それらは人々の役に立つことはできません。</p><p>MIRAISEでは、シード期から起業家自身が自らのサービスを周りに伝えること、つまりPRが大切だと考えています。広告とは違い、世の中のニーズに紐づけて情報発信していくPR。起業家たちが押さえておくべきポイントについて語ります。</p><p></p><h2><strong>PRはスタートアップの「強力な武器」</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/09/06/15/03/53/dcd5e6bf-1f47-4d96-ae8c-02af0ca7ebed/radio21_01.jpg" link_href="" link_target=""></div><p><strong>蓑口:</strong>今回のテーマは「スタートアップとPR」ということで、MIRAISE代表の岩田さんと、MIRAISEのPRを担当している私、蓑口(みのぐち)がお話ししていきます。</p><p><strong>岩田:</strong>PR(パブリック・リレーションズ)は、日本では広報部門が担っている仕事だと認識している人が多いと思います。しかし、日本で言うところの「広報」と、欧米企業が行っている「PR」は別物だと私は感じています。日本企業の広報は受動的ですが、欧米のPRは自らプレスリリースやメディアを通じてどんどん発信していきます。海外のPRチームは社長に近く、社内でも中心的な存在ですね。</p><p><strong>蓑口:</strong>岩田さんはSkype在籍時、スポークスパーソン(取材対応責任者)を務めていらっしゃったんですよね。</p><p><strong>岩田:</strong>はい。Skypeでは、スポークスパーソンとしてメディアトレーニングというものを受けました。例えば、模擬インタビューを受けてそれをビデオに撮り、「顔を触るクセがありますね」「こういう質問だと急に饒舌になってしまいますね」など、指導を受けたりするものです。</p><p><strong>蓑口:</strong>模擬インタビューでは、意地悪な質問もされるとか。</p><p><strong>岩田:</strong>「この前、Skype止まっちゃいましたよね」という質問があったりとか…。つい腕組みしてしまったりすると、「それはオフェンシブ、攻撃的な心理の表れですよ」と言われてしまう。そういう質問が飛んできた時に、いかにポジティブに返すかが大切ということですよね。</p><p><strong>蓑口:</strong>メディアトレーニングという言葉は日本では馴染みがありませんが、海外では一般的ですよね。</p><p><strong>岩田:</strong>特にアメリカでは、書店にメディアトレーニング関連本を集めたコーナーがあるほどです。しかし、日本ではメディアトレーニングはまだまだ浸透していないですね。ですから、政治家や経営者の失言が多いのはある意味仕方がない気もします。Skypeでは、取材を受ける際にはPRチームが分厚い台本を作ってきましたね。失言する隙もありません(笑)。</p><p><strong>蓑口:</strong>何を聞かれても回答できるように、事前に回答案も用意しますよね。</p><p><strong>岩田:</strong>「ファストファクト」といって、覚えておかなければいけない数字が細かく挙げられていたりしました。実際に取材を受ける身としてはちょっと不自由に感じることもありましたが、どんな情報をどこまで出すのかを完璧にPRチームがコントロールできているということですよね。SkypeはPRに非常に力を入れていました。マーケティングには大変なお金がかかりますが、PRは、メディアなどに取材を通して自社やプロダクトの良さを伝えてもらうための施策なので、それほどお金がかかりませんから。</p><p><strong>蓑口:</strong>確かに、経済的コストの差は大きいですよね。</p><p><strong>岩田:</strong>あと、みんな広告を信じなくなってきていますよね。そんな時代において、PRの重要性はさらに増していくと思います。特に、ブランド力も認知度もお金もないシード期のスタートアップにとっては、PRは強力な武器となります。ですから、PRの手法や知識はぜひ身につけていただきたいですね。</p><p></p><h2><strong>VCだからこそできるPRサポートを</strong></h2><p>蓑口:海外のPR事情に詳しく、ご自身もそのノウハウを身につけられた岩田さんだからこそ、MIRAISE立ち上げの際からPR支援体制を作ろうとしていたのですね。</p><p><strong>岩田:</strong>僕がアドバイザーとして所属している(※)atomicoというロンドンのベンチャーキャピタル(VC)で、投資先企業のPRに積極的に取り組んでいるのを見てきました。atomicoのトップはSkype創業者のニクラス・ゼンストロムですが、彼のSkypeでのPR重視の姿勢がそのままatomicoにも引き継がれています。「Head of Comms」、今の蓑口さんのMIRAISEでの肩書と同じですが、そういう人をVCとして抱えているのです。<br><em>※2021年6月でアドバイザー退任。2017年までは同VCのパートナー。</em></p><p><strong>蓑口:</strong>atomicoのHead of Commsの方は、具体的にどのようなことをしているのでしょうか?</p><p><strong>岩田:</strong>PRに関する投資先サポートのほか、「Tech Crunch Disrupt」や「Web Summit」といったテック界での大イベントでの登壇機会を獲ってくる、ということもしていました。多種多様な投資先企業すべてのビジネスモデルやカテゴリーを完全に理解していて、それぞれの投資先に合ったイベントにコンタクトし、「こんな面白い話できますよ」とか、パネルディスカッションのマッチングの提案をするといったことですね。</p><p><strong>蓑口:</strong>事前に情報収集するということが大事なんですよね。</p><p><strong>岩田:</strong>そうですね。だから、atomicoのPR担当は常に誰かと電話していた印象です。ジャーナリストやイベント関係者などと絶えずコンタクトを取って、投資先のためのチャンスをいち早く掴もうとしていたんですね。そのように、VCがPR担当を通じて投資先を支援するのを見てきて、MIRAISEにもぜひ取り入れたいと思い、外資のPR会社でのキャリアを持つ蓑口さんに参画していただきました。蓑口さんのご経歴について、ここで少しお聞かせいただけますか?</p><p><strong>蓑口:</strong>大学卒業後、外資系のPRエージェンシーで海外プロダクトのPR業務に従事しました。5年ほど働いた後、スタートアップのPRチームに参画。その後は自治体や国のPRやコミュニケーションを経験し、岩田さんにお声がけいただいてMIRAISEのPRを担当することになりました。シード期の起業家のPRをサポートするというのは初めての挑戦であり、日々ワクワクしながら取り組んでいます。</p><p></p><h2><strong>シード期のうちからPR経験を積んでおく</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/09/06/15/04/00/a651db5b-917b-436f-a615-736a660b048e/radio21_02.jpg" link_href="" link_target=""></div><p><strong>蓑口:</strong>岩田さんは、シード期から起業家自身がPRを使いこなせるようになることが重要とおっしゃいますが、どのような理由からですか?</p><p><strong>岩田:</strong>まず、社長は自動的にスポークスパーソンとなりますから、自社や自分たちのプロダクトについて、いつでも簡潔に話せるようにしておかなければなりません。MIRAISEの投資先は皆エンジニア起業家で、人前で話すことがあまり得意でない人も多いので、早い段階で練習しておくのが大切だと思います。</p><p><strong>蓑口:</strong>そうですね。シード期のうちに自分でPRをこなす機会はとても重要だと思いますし、それができていた起業家ほど、企業規模が大きくなっても、ぶれずに話せているなという印象があります。</p><p><strong>岩田:</strong>PRの重要性を本人が理解していないと、PRチームが持ってきたインタビューなんかに対して「ジャマくさい仕事が来たな」などと思ってしまったりするわけです。でも、自分自身で経験してきてその大切さを実感していると、機会を作ってくれたPR担当に感謝の気持ちが湧くと思うのです。海外では、PRと社長は二人三脚という印象がありますが、そのように、ともに考え、作っていこうという気持ちのある経営者は、本当に力強いメッセージを発することができるようになりますよね。</p><p><strong>蓑口:</strong>総じてスタートアップはマスメディアには取り上げられにくいのですが、試行錯誤しながらPRの経験値を積み上げてきた起業家は、記者が何を書きたいのか、今なぜこの取材の場にいるのかを想像できる。すると、記者の心を動かして、記事にしてもらえるということが起こるようになります。</p><p><strong>岩田:</strong>小手先の話し方のテクニックなんかを身につけようとするのではなく、自分の考えを簡潔に語れるようになることが大切です。僕もそういうところあるんですけど、エンジニアは言いたいことを全部言おうとしてだらだら喋りがちで(笑)。</p><p><strong>蓑口:</strong>エンジニア起業家にとってプロダクトは我が子のようなものですから、ついつい熱く語り続けてしまうんですよね。</p><p><strong>岩田:</strong>それはまあ、コロナが明けたら焼き鳥屋さんででもやってもらって(笑)。記事を読む人々が最も知りたいのは、自分たちの日々の暮らしを良くしてくれるかどうかということ。記者の先にいる読者を意識して、わかりやすく話すことが大事ですね。</p><p></p><h2><strong>長期的なPR戦略立案、コミュニケーション設計も一緒に</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/09/06/15/04/09/342d6adb-69ed-4c75-89bd-cbc66242dc99/radio21_03.jpg" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>PRも、MIRAISEチームが全力でサポートします!(左からMIRAISE PR 蓑口、CEO岩田、CTO布田)</p></div><p><strong>岩田:</strong>蓑口さんがMIRAISEのPR担当として行っている、起業家のサポート内容について教えていただけますか?</p><p><strong>蓑口:</strong>大きく分けて3つですね。1つ目は、1on1でのサポートです。各社、ステージごと、プロダクトごとに伝えたい内容やタイミングが違いますから、個別にいつでも相談をお受けしています。2つ目は、プレスリリースの添削。3つ目は、PR活動をするにあたって活用していただける資料の作成です。シード期のエンジニア起業家が陥りがちなPRに関する悩みについて、サポート内容をまとめて皆さんにお渡ししたりしています。今後は、プレスリリースのタイプ別テンプレートなど、起業家の負担を軽くできるようなツールも作っていきたいと思っています。</p><p><strong>岩田:</strong>至れり尽くせりですね。</p><p><strong>蓑口:</strong>投資先の起業家たちには、プロダクト開発に時間を割いてほしいので、伝えたいことをより楽に伝えられるようなサポートをしていきたいと思っています。あと、どんなに伝えたいことがあっても、世の中の流れに合わないと記者は記事にしてくれないので、「時流に合わせた発信」によりフォーカスしてサポートしていきたいなと考えています。</p><p><strong>岩田:</strong>「時流に合わせる」発信について、何か事例はありますか?</p><p><strong>蓑口:</strong>ある起業家さんとの1on1で私が記者役をして「コロナによって、貴社のサービスにはどんな影響がありましたか?」という質問をしたことがありました。するとその起業家からは「何も影響がありません」という答えが返ってきたんですね…。</p><p>コロナ前からビジョンを持ってユーザーの課題解決に挑んでいる起業家さんなので、その思いを反映したコメントではあったのですが…。記者の側としては、世の中の人々が皆コロナの影響を受けているので、そこに紐付けて書きたいと思っているわけです。そこで「何も影響がない」と言われると、記者としては記事にしにくくなってしまう。起業家側の思いは変えずに、記者側の意図を汲み取って時流に合わせてどう自社の情報を伝えるか、それはとても重要なことですね。</p><p><strong>岩田:</strong>起業家は、日頃から新聞を読んだりニュースを見たりして世の中の流れを把握し、その時々での自分たちの存在価値やプロダクトの意義を考えていなければいけませんね。</p><p><strong>蓑口:</strong>そうですね。最初の方で岩田さんがおっしゃっていたメディアトレーニングのようなことを、私が投資先の皆さんに対してしていけたらいいなと思っています。</p><p><strong>岩田:</strong>プレスリリースについてはいかがですか?</p><p><strong>蓑口:</strong>皆さん、プロダクトの詳細についての文章が長くなりがちですね。その思いの強さは日頃1on1などを通してたくさん受け取っていますし、とても大事なことなのですが…リリースとしては数十秒で要点が分かる簡潔さが必要です。文章を短くしつつ、どう思いや特徴を効果的に伝えるか。毎回すごく頭を悩ませています。</p><p><strong>岩田:</strong>エンジニア起業家がオーディエンス、読者として想定してしまうのは、自分と同じようなエンジニアなんですよね。読んだ時に突っ込まれるのが怖いみたいです。「あいつエンジニアなのにこんな適当なこと書いてるぞ」みたいなことを思われるのが。でも、リリースを書くにあたっては、そこは気にする必要はないですよね。</p><p><strong>蓑口:</strong>詳しく知りたい人はHPに飛んで読みますからね。</p><p><strong>岩田:</strong>あと、プレスリリースをとにかく出したがる人もいます。イケてるスタートアップのリリースなんかを見て「リリース出したら一人前!」と思っていたり、出したらユーザーが増えるかも、という幻想を持っていたり…。添削だけではなく、プレスリリースを出すタイミングについてのアドバイスも必要ですよね。</p><p><strong>蓑口:</strong>まだプロダクトもない段階で出そうとする人もいますし、まだ準備が整っていない段階、例えばターゲットがまだ定まりきっていない状態で書いてしまう人もいますね。</p><p><strong>岩田:</strong>プレスリリースを出すのは基本タダだし、出しておいて損はないんじゃないかと言われることもありますが…あるんですよね、マイナスの効果って。例えば、リリース出してLP(ランディングページ)やサービス紹介ページに誘導しても、たどり着いたそれらのページが簡素すぎたり分かりづらかったりすると、信用を失ってしまいます。</p><p><strong>蓑口:</strong>そうすると、人は二度と戻ってこないんですよね…。シリコンバレーなんかでは、サイレントローンチやコミュニティローンチなど、プレスリリース前段階のPR手法がいろいろとあるのですが、日本はまだスタートアップを支援するコミュニティが育っていないので、一気にプレスリリースにジャンプしてしまうところはあります。</p><p><strong>岩田:</strong>プレスリリースを出す前に、コアユーザー10人でも集めて話をしたり、アンケートを取ったりすることは今でもできますよね。その反応を見た後でリリースを出すアクションに進むのが、考えてみれば当たり前だと思うんですよ。海外の実践的な手法を自分なりに取り入れて、試していくことが大切だと思います。</p><p><strong>蓑口:</strong>ユーザーの声をちゃんと聞いている起業家ほど、プレスリリースの質や精度が高いですね。「こういうターゲットにこうなってほしい、だからこの機能を作った」と、理想的なコミュニケーションの設計図ができますから。</p><p><strong>岩田:</strong>その成功パターンを身につけられると、今後の展開もスムーズにいきますよね。蓑口さんが先ほど触れたように、単発のPRアクションだけでなく、MIRAISEでは長期的なコミュニケーション設計やPR戦略もサポートしていますので、投資先の皆さんにもぜひ活用していただきたいと思います。</p><p><strong>蓑口:</strong>MIRAISEのPRサポートは、これからもどんどん進化させていきます。興味を持たれたエンジニア起業家の方は、ぜひMIRAISEにコンタクトしてみてくださいね!</p><p>◆<a href="http://www.miraise.vc/"><u>MIRAISE Webサイト</u></a><br></p><p><br></p>
<p></p><div class="iframe-container width-set height-set dimensions-set" data-width="100%" data-height="232px" data-src="https://open.spotify.com/embed/episode/69IBPAbF2Z1TAmzN5p92th"><iframe class="" style="" data-embed-type="generic" data-original-link="&amp;#60;iframe src=&quot;https://open.spotify.com/embed/episode/69IBPAbF2Z1TAmzN5p92th&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;232&quot; frameborder=&quot;0&quot; allowtransparency=&quot;true&quot; allow=&quot;encrypted-media&quot;&amp;#62;&amp;#60;/iframe&amp;#62;" src="https://open.spotify.com/embed/episode/69IBPAbF2Z1TAmzN5p92th" width="100%" height="232px" frameborder="0" allowfullscreen="true"></iframe></div><p>-------------------------------------------<br>MIRAISEでは、課題解決に挑むエンジニア起業家の生の声をお届けするラジオ番組「<a href="https://www.youtube.com/channel/UCV4Ju4OHLYp-2we7vLxWtTg/videos"><u>MIRAISE RADIO</u></a>」を配信しています。こちらのブログでは、「読む MIRAISE RADIO」として、起業家たちのストーリーをラジオの雰囲気そのままにお伝えしていきます。</p><p>● スピーカー|MIRAISE Partner &amp; CEO 岩田 真一 / Venture Partner &amp; CTO 布田 隆介<br>● MC|MIRAISE PR 蓑口 恵美<br>-------------------------------------------</p><p>「ネットで検索しても答えはない」</p><p>起業すると、ネットの検索ではそうそう簡単に出てこないような問題に直面し、悩み、奮闘する日々が始まります。そんな起業家たちの成長と成功のために、MIRAISEは一方通行的にアドバイスするだけではなく、起業家同士がサポートし合う「ピア・ラーニング」の環境が大切であると考えています。</p><p>一人でもくもくと作業することが多い初期ステージのエンジニア起業家。MIRAISEでは、彼らが気軽に相談できる場をどのように提供しようとしているのでしょうか。ピア・ラーニングの取り組みについて、MIRAISEパートナーの岩田・布田に聞きました。</p><p></p><h2><strong>オープンに学び合い、教え合う姿勢が成長スピードを速める</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/07/29/14/36/58/4b8b0288-3f4f-4172-8a9f-e4e4b3ad9ec5/radio20_01.jpg" link_href="" link_target=""></div><p>――まず最初に「ピア・ラーニング」とは何か、お話しいただけますか?</p><p><strong>岩田:</strong>「ピア(peer)」は同格・同等の者、同僚、仲間という意味を持つ言葉です。片方が教えるだけ、もう片方は聞くだけというのではなく、お互いに学び合うことを「ピア・ラーニング」と言います。例えば学校なら、生徒同士で教え合うような形のことですね。</p><p>――それを、MIRAISE投資先の起業家同士で行っているということですね。</p><p><strong>岩田:</strong>起業家たちは日々課題にぶつかっていますが、それらは個々に事情が異なり、Googleで検索して出てくるようなものではありません。MIRAISEではコミュニティに資するあらゆるものを実装し、私たちと起業家の皆さんとで使っていますが、それらはすべてピア・ラーニングを実現するために生まれたものです。それぞれ起業経験を持つMIRAISEスタッフと起業家たちが集まって、それこそ「文殊の知恵」のような感じで高め合っていくのが最もいいだろうと考えたのです。</p><p>――なぜ、ピア・ラーニングをMIRAISEに取り入れようと思ったのでしょうか?</p><p><strong>岩田:</strong>シリコンバレーなど、いわゆるテックハブとして歴史のある地域では、ずっとピア・ラーニングが行われていました。あちこちで勉強会が開かれ、カフェなんかでそれぞれ別の企業に属するエンジニアが相談し合う風景は、このエリアでは以前からよく見られるものです。本当に皆オープンで、何かを聞けばとても親切に教えてくれます。「情けは人の為ならず」じゃないですが、そうすることによって回り回って自分たち皆が良くなるということを、共通意識として持っているのがシリコンバレーやベイエリアなのです。<em>(補足:もうひとつの視点として、当時からベンチャービジネスや、そのエコシステムを産業として認知してもらうために、起業家同士、投資家、弁護士などもオープンに情報交換してお互いに高め合うことにより、全体としての産業拡大を目指す意識が共有されているということも大きいです)</em></p><p>――その文化を、日本でも根付かせたいと。</p><p><strong>岩田:</strong>現在MIRAISEの投資先は32社です。まずはこの32社の起業家から「ピア・ラーニング」の文化を醸成すべく、コミュニティを作り、オンラインの勉強会などを積極的に開催しています。</p><p>――なぜ皆さんはそれだけオープンに、ノウハウを教えよう、他者に貢献しようと思えるのでしょうか?</p><p><strong>岩田:</strong>もちろん、ノウハウの持ち出しにはデメリットもあると思いますが、オープンに出していくメリットの方が大きいということなんでしょうね。情報を出し合うことで自分が知らなかった観点を得られたり、思いがけないアドバイスをもらえたりする。そうした経験が積み重なり、隠すよりもオープンでいる方が目指す地点に早くたどり着ける、と皆気づいたのだと思います。</p><p><strong>布田:</strong>日本でも、そういう意識を持っているエンジニアは実は多いと思います。言語ごとにコミュニティがあって、例えばRubyを使う人たちが毎週のようにとあるコワーキングスペースに集まっていたり。言語は、皆が使えば使うほどエコシステムが大きくなる。関わる人が増えるほど良くなっていくんですね。意識的にせよ無意識的にせよ、エンジニアにはそういう認識をベースに持っている。ですから、初心者にもどんどんRubyに触れてもらいたくて、コミュニティに来てくれれば誰にでも、それこそプログラミングの心得がない人にでも教えてあげる。自分もそうして教わったから、同じように還元していくのです。</p><p></p><h2><strong>起業家ならではの悩みを相談できるコミュニティ</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/07/29/14/45/51/26f324d3-e1bf-4d07-86e3-085720479d06/radio20_02.jpeg" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>月1回開催される勉強会。現在はオンラインで行っている</p></div><p>ーーMIRAISEのコミュニティでは、実際にどういった学び合いが行われているのでしょうか?</p><p><strong>岩田:</strong>コミュニティ内では、起業家がぶつかる課題や悩みについて、日々やり取りが交わされています。例えば「外部調査会社からの問い合わせには回答した方がいいの?」という質問。なかなか難しいですよね。無視していいのか悪いのか、対応するとして、財務情報なんかはどこまで出していいのか…。すると、「うちも最近対応しました」「こんな感じで出してみたら?」といった回答が次々と返ってくるわけです。</p><p>――それは確かに、なかなか他の場所では聞けないことですね。Webで検索しても出てこなさそうですし…。</p><p><strong>岩田:</strong>最近では「オフショア開発ってどうですか?やった方いますか?」という質問に対して、経験者たちが「この国はこういう特徴がある」「あの国のエンジニアはアプリに強い」など、いろいろと教えてくれていましたね。</p><p>――質問はあるけど、コミュニティ内での発言をためらうシャイな方も中にはいらっしゃいますよね。</p><p><strong>岩田:</strong>そうですね。そういう方は僕や布田さんに個別に質問してくるのですが、メンバーの参考になりそうだと感じたら、コミュニティのパブリックチャンネルで質問するように促しています。さらに、その質問に答えてくれそうな人をメンションしたりもしますね。コミュニティ内にQ&amp;Aが蓄積されていくということが、とても大事だと考えていますから。このコミュニティにいてよかったと思ってもらえるよう、日々工夫しています。</p><p>――起業家たちとMIRAISEスタッフは、どのような形で繋がっているのでしょうか?</p><p><strong>岩田:</strong>まずひとつは、オンラインコミュニティ「4C」です。投資先の起業家全員に入っていただくことになっています。この「4C」と対を成すのが、月1回の勉強会です。もともとは対面、今はオンライン開催ですが、リアルタイムのコミュニケーションを図る場となっています。この勉強会をマイルストーンにして、その間を「4C」でカバーしていくという感じです。</p><p>――コミュニティのエネルギー量というのはなかなか数値で見づらい面があると思いますが、アクティブユーザーやポスト数など、お二人がアクティブ率を数値として見える化しているのがすごいなと思っていました。</p><p><strong>岩田:</strong>私たちは、ただコミュニティを作りたいのではなく、ピア・ラーニングが起きる場を作りたいと思っています。ですから、その目的のためにコミュニティがうまく機能しているかどうかは、きちんとデータを見て測らなければいけない。幸い、今のところはうまくいっていて、継続している状態ですね。</p><p>――現在、「4C」のメンバーはどれくらいいるのでしょうか?</p><p><strong>岩田:</strong>「4C」に入っていただくのは主に投資先の社長さんとCOOの方で、だいたい1社あたり1〜3人がメンバーとなります。現在、Statsを見ると60人がアクティブユーザーですね。</p><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/07/29/14/46/02/ef7a24ba-31a4-4fdf-8f38-0a1017ec40e4/radio20_03.png" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>コミュニティのアクティブ率は8割を超える</p></div><p>――「4C」には、メンターとなる方々も参加されているんですよね。</p><p><strong>岩田:</strong>そうですね。投資先の方々と我々MIRAISEスタッフ、そしてメンター陣が「4C」に参加しています。面白いことに、起業家たちだけではなくメンターの方から質問が投げかけられ、起業家が答えることもあります。知っていること・知らないことは一人ひとり違いますから、どんな形であれあらゆる質問が上がり、それに対する答えがつくのは、とてもいいことだなと思っています。</p><p>――実際にMIRAISEでピア・ラーニングを継続してきて、具体的にどのような成果がありましたか?</p><p><strong>布田:</strong>まず、知りたいことに対して迅速な回答が得られることですね。「これをやったことある人いますか?」「こんな時どうしますか?」という質問に対して、メンバーの中の経験者がすぐに答えてくれる。シンプルなことではありますが、起業は情報戦でもありますから、いち早く知りたい情報を得られることは成長の速さに繋がっていると感じます。</p><p>――投資先同士のシナジーもありますよね。</p><p><strong>布田:</strong>メンバーはコミュニティ内でゆるく繋がっていますが、僕らは全投資先・全メンバーを知っているので、投資先同士を引き合わせたりすることもありますね。例えば、メンバーの起業家から「資金調達を始めるのですが、僕たちに合いそうな投資家はいますか?」という相談があったとします。すると、コミュニティ内でその起業家と近いサービスを展開している投資先を紹介し、僕らも入って話す機会を作る。すると、「この投資家合いそうだよ」「ここは話してみたけどダメだった」など、リアルな情報が得られます。それによって、スムーズに資金調達ができたという事例もありますね。そんな感じで、コミュニティ全体としての活動と併せて、僕らを通して起業家同士を繋ぐことにも力を入れています。</p><p></p><h2><strong>バーチャルオフィスを開放「MIRAISE Virtual Co-working Day」</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/07/29/14/46/12/01695409-eac5-488f-99f6-d60d47729bf2/radio20_04.png" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>7月からスタートした「MIRAISE Virtual Co-working Day」</p></div><p>――「起業家は孤独だ」とよく言われますが、そうして一緒に切磋琢磨できる仲間がいるというのはとても心強いですね!このピア・ラーニング、今後さらに良くしていきたい点はありますか?</p><p><strong>布田:</strong>もっと気軽に、何でも聞けるような雰囲気にしていきたいなと思っています。MIRAISEの投資先でない起業家が何か知りたい時は、自分で頑張って知っていそうな人を探して、ミーティングを設定して…という感じになると思いますが、MIRAISEのコミュニティ「4C」にいれば、すぐに聞くことができます。欲しい情報にたどり着くまでのスピードの差は、起業家にとって4Cはかなり重要です。たった半日の遅れによって、不利になることもありますから。人に何か聞きたい時に毎回日程調整するのはもったいない。ただチャットで質問するだけでいい「4C」の場をどんどん活用してもらって、情報獲得までの時間を節約し、成功確率を上げていってほしいと思います。</p><p><strong>岩田:</strong>「4C」内でベータ版を試してもらって感想をもらう、ということはもう実際に行われていますね。「もっと気軽に」というサイコロジカル・セーフティをより高めるためには、もっと人数が増えてきたら、全員が参加できる場はキープしつつ、プレシード、シード、シリーズA …と、ステージごとにグループを分けるのもいいかなと思っています。あと、蓑口さんがやっている、投資先限定のニュースレター「MIRAISE Picks!」もありますよね。</p><p>――「Picks!」は、コミュニティ内での学び合いのログをまとめて、週1でお送りしているニュースレターです。真面目な学びのノウハウだけではなく、MIRAISEチームの「今週の出来事」みたいなことも載せています。それぞれの人間関係や人となりも見えて、親しみを持ってほしいなと思って。そんなゆるい呟きを「楽しみに読んでいます!」と言ってくれる起業家たちもいて、本当に嬉しく思っています。</p><p><strong>岩田:</strong>コミュニティを通して我々が伝えたいことは、「僕たちスタッフは必ずここにいますよ」ということなんですね。何かあった時に聞くなら、「4C」がいちばん早いし、我々スタッフは必ず反応しますから。</p><p>――常に見なきゃいけないものではなく、使いたい時に気軽に使ってもらえるコミュニティを目指しているんですね。</p><p><strong>岩田:</strong>どうしても忙しくて「4C」をあまりチェックできない人でも、週1配信の「Picks!」さえ見ればポイントを押さえることができますしね。「Picks!」には「4C」コミュニティのリンクが付いているので、興味を持ったら元の記事や投稿を参照することができます。</p><p>ーーオンラインコミュニティに、勉強会、ニュースレターと、ピア・ラーニングのためにさまざまな取り組みを行っていますよね。さらに「MIRAISE Virtual Co-working Day」というものが始まったそうですが、どんな内容なのでしょうか?</p><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/07/29/14/46/31/75aeec95-f673-4a47-9878-7351dbfa4d58/radio20_05.png" link_href="" link_target=""></div><p><strong>布田:</strong>MIRAISEチームがいつも使っている「<a href="https://ovice.in/ja/"><u>oVice</u></a>」というバーチャルオフィスツールがあるのですが、そこを週1回半日ほど開放しようという試みです。「MIRAISE Virtual Co-working Day」では、投資先の起業家たちはいつでも来て、仕事してもいいし、誰かとちょっと話して帰るのもいい。外部とのミーティングに使ってもOK。そんなことを始めました。</p><p>――日本中、そして海外の投資先32社が、バーチャル上の同じ空間に来て、スタッフや投資先同士で気軽に会話できる…そんな時間になっているんですね。</p><p><strong>布田:</strong>特に目的がなくても、ふらっと来て誰かと話すと何か思いついたりすることってありますからね。他の人と一緒にアイディア出しする場にも使ってもらえますし。</p><p><strong>岩田:</strong>我々は「oVice」内でいつも通り外部の方とミーティングしたりもするのですが、「MIRAISE Virtual Co-working Day」でたまたまそこにいた投資先の起業家をご紹介するようなことも起こるかもしれませんね。起業家たちも外部の人を呼んでミーティングしてもかまわないし、起業家同士で「これ聞いてみよう」とあらかじめ一緒に練った質問を我々にぶつけに来てもいいし。毎週行う予定ですが、どんなセレンディピティがあるのか、我々も楽しみにしています。</p><p>――そうですね、私も楽しみです!今回は、MIRAISEが大切にしているピア・ラーニングについて伺ってきました。MIRAISEの取り組みやコミュニティに興味を持たれた方は、ぜひ私たちスタッフにコンタクトしてみてくださいね。</p><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/07/29/14/46/59/471902e0-9a83-4b16-a83f-953f74dc713a/radio20_06.png" link_href="" link_target=""></div><p>◆<a href="http://www.miraise.vc/"><u>MIRAISE Webサイト</u></a><u><br></u>◆「<a href="https://www.miraise.vc/news/press-virtual-coworking"><u>MIRAISE Virtual Co-working Day</u></a>」<br><br></p>
<p></p><div class="iframe-container width-set height-set dimensions-set" data-width="100%" data-height="232px" data-src="https://open.spotify.com/embed/episode/2NM9MlDXrBAVeVKffMM0tj"><iframe class="" style="" data-embed-type="generic" data-original-link="&amp;#60;iframe src=&quot;https://open.spotify.com/embed/episode/2NM9MlDXrBAVeVKffMM0tj&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;232&quot; frameborder=&quot;0&quot; allowtransparency=&quot;true&quot; allow=&quot;encrypted-media&quot;&amp;#62;&amp;#60;/iframe&amp;#62;" src="https://open.spotify.com/embed/episode/2NM9MlDXrBAVeVKffMM0tj" width="100%" height="232px" frameborder="0" allowfullscreen="true"></iframe></div><p>-------------------------------------------<br>MIRAISEでは、課題解決に挑むエンジニア起業家の生の声をお届けするラジオ番組「<a href="https://www.youtube.com/channel/UCV4Ju4OHLYp-2we7vLxWtTg/videos"><u>MIRAISE RADIO</u></a>」を配信しています。こちらのブログでは、「読む MIRAISE RADIO」として、起業家たちのストーリーをラジオの雰囲気そのままにお伝えしていきます。</p><p>● スピーカー|株式会社ウゴトル 代表取締役 西川 玲<br>● MC|MIRAISE Venture Partner &amp; CTO 布田 隆介 / PR 蓑口 恵美<br>-------------------------------------------</p><p></p><p>「うまくなりたい!」という思いを抱きながらも、何をどうしたら上達できるのかわからないーー。</p><p>それは、スポーツに取り組む人々にとって共通の悩みのひとつではないでしょうか。特に成長過程にある子ども・生徒たちにとっては、先生が当たり前のようにできる動きでも難しいと感じられるものです。</p><p>そんなスポーツスクールの現場での課題を解決するために、動画添削プラットフォームの提供をスタートしたのが株式会社ウゴトルです。</p><p>コロナ禍の中で新たな価値提供を模索するスイミングスクール事業者との連携を皮切りに、これから目指していくスポーツ指導のDX化について、代表取締役の西川玲(にしかわ・あきら)さんにお話を伺いました。</p><p></p><h2><strong>水上・水中カメラで泳ぎを撮影、動画添削ができる『ウゴトル for Lesson』</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/06/10/17/13/22/48c9c81a-25e0-4914-b6f1-64787245644a/usecase_staff.jpg" link_href="" link_target=""></div><p>ーーまず、ウゴトルがどんな会社なのか、お聞かせいただけますか?</p><p><strong>西川:</strong>一言でざっくり言うと、スポーツを学ぶ人には習得速度の最大化、教える人には収益性の最大化というベネフィットを、動画をベースにした技術で提供する会社です。</p><p>ーー今回、ウゴトルは新しいニュースを発表されましたね。どんな内容なのでしょうか?</p><p><strong>西川:</strong>東急スイミングスクールさんに、『ウゴトル for Lesson』という新たなプロダクトの提供を開始したというものです。既存のグループレッスンに、個別の動画添削の配信という新しい価値を付加する新サービスが『ウゴトル for Lesson』です。</p><p><strong>布田:</strong>大手スイミングスクールとの連携とは、ビッグニュースですね!『ウゴトル for Lesson』がどんなサービスなのか、詳しくお聞かせいただけますか?</p><p><strong>西川:</strong>スイミングスクールの既存のレッスンでは、1クラス10〜15人くらいの生徒がいて、先生がその場で「○○に気をつけてやりましょう」など、口頭で説明しています。そこに『ウゴトル for Lesson』を導入すると、レッスン中に水上・水中の2つのカメラで泳いでいる様子を動画撮影し、レッスン後に先生が水上・水中2つの動画を合成して1画面で見られるようにした上で、注意してほしいポイントを書き込むなどの添削をしてレッスン当日の夜には配信します。これによって生徒さんはその日のうちに、先生の添削の入った自分の動画を見ることができるのです。</p><p>ーーレッスンを受けている子どもやその親は、どうやってその動画を見ることができるのですか?</p><p><strong>西川:</strong>『ウゴトル for Lesson』という専用アプリが、すでにAppStoreとGooglePlayで公開されています。ダウンロードは無料で、当社と契約しているスクールさんとその生徒さんが使えるようになっています。『ウゴトル for Lesson』を使うレッスンを受けている生徒さんは、このアプリで配信された動画を見ることができます。</p><p>ーーレッスンを受けている子の親御さんにも嬉しいですよね。我が子が頑張って泳いでいる姿を見られるし、添削を見て、子どもと一緒に「ここが良くなったね!」と確認することもできますね。</p><div class="img-container"><img src="https://lh6.googleusercontent.com/hNpWtr4q_dx-dhOzlMuKogAVuTyQazfnCRsNiSQVWfB8arRQs8Hxx2XAmKzpnWH-Ak_mRWJUd6RkYXnyQ-eqItfrvEPsPfs12grN_3kjpOFJJh3EzJ9gTwxHGtBtfV26yEW3XuzU" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>レッスン当日に添削動画を配信できる『ウゴトル for Lesson』</p></div><p></p><h2><strong>スイミングスクールが求めていた「今までにない、価値あるサービス」</strong></h2><p><strong>布田:</strong>『ウゴトル for Lesson』導入の背景となる、スイミングスクールが今抱えている課題とはどんなものなのでしょうか。ウゴトルのプロダクトがどうして刺さったのか、その理由を教えていただけますか?</p><p><strong>西川:</strong>今回の話自体はコロナ前から動いていたのですが、コロナ禍により、スイミングスクールは会員・売上減に加えて感染症対策のためのコスト増加という、ダブルパンチを食らってしまいました。そのため、減ってしまった会員数の回復と増加はもちろんのこと、客単価アップにつながる今までにはない魅力的なサービスの提供というのが、スクール側の課題としてあったのです。<br>『ウゴトル for Lesson』は、個別の動画添削という新しいサービスで、水泳フォームのわかりやすい撮影・配信に加え、スクールの指導メソッドにしっかり沿った添削も可能です。さらに、現場の負担を増やさずにそれらができるということで、ちょうどニーズに合ったのではないかと思います。</p><p><strong>布田:</strong>陸上競技などでは、プロはもちろん、部活でも動画撮ってすぐにiPadなんかでフォームをチェックしていたりしますよね。水泳の場合、水中撮影は気軽にというわけにはいかないから、なかなか普及しなかったのかもしれませんね。</p><div class="img-container"><img src="https://lh4.googleusercontent.com/7uwPnXI3k1F0CvXAp5N1wbbNxWNft-WDAwLfcy_X9glrNS1STsAhviQK42IRSJNl7mUg8NWmy6wdbH3BgKd3VLo1kUK0_OxAHvKePfYlN39pTqYNsE49MKgb9B9X4zCOgSdfO86o" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>水上・水中2つのカメラで動画を撮影</p></div><p>ーースクールの先生たちは、『ウゴトル for Lesson』をどのように使うのですか?</p><p><strong>西川:</strong>レッスン中にカメラをセットして撮影する以外は、指導はいつも通りに行います。レッスンが終わったら、iPadに動画を読み込みます。水上と水中の2つの動画の合成は、アプリ上でちょっとタイミングを合わせるくらいで簡単にできます。『ウゴトル for Lesson』はレッスン動画の合成・編集に特化しているので、従来の動画編集ソフトで30分以上かかるような作業がわずか数十秒で終わります。<br>さらに、スイミングスクールには「級」がありますが、級を上げるにはスクールの「進級基準」をクリアしなければなりません。『ウゴトル for Lesson』には、スクール独自の進級基準、クリアできた場合のメッセージ、「あるある」の失敗パターンなどを事前に登録できるので、先生はそこから最適なものをポチポチと選べば添削は完了です。それぞれの生徒さんに合ったメッセージを手間なく伝えられるのです。</p><p>ーーコメントのテンプレートも用意されているのなら、本当に簡単に添削できますね!では、従来のスイミングスクールの指導はどのように行われていたのでしょうか?</p><p><strong>西川:</strong>その場で先生が10人以上の生徒が泳いでくるのを見て、それぞれに口頭でアドバイスしていました。「級」はそれこそ30レベルくらいあったりしますし、それぞれに進級基準が5、6項目あるので、先生もそれを完璧に覚えているわけではありません。「確かこんなポイントがあったはず」というふわっとした記憶でコメントしてしまうこともあるそうです。そのためアドバイス内容がどうしても記憶頼み、先生頼みのレッスンになってしまいがちなのです。</p><div class="img-container"><img src="https://lh5.googleusercontent.com/gzA0_2CmRaUfTzV_0RF_gA8HlYIDlkezncnVYbxnk_eMtGPcu90tx0EQLbnB2pGldnprJj_qRFJxmtJkPZ6BVmFpv9JHgEjVee6oXyLSBV4OESDM2GKLy2eF94hRd5CzNdSBO_92" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>『ウゴトル for Lesson』のフロー</p></div><p></p><h2><strong>添削はテンプレート化。手間を減らし指導品質も保つ</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/06/10/17/13/22/48c9c81a-25e0-4914-b6f1-64787245644a/usecase_staff.jpg" link_href="" link_target=""></div><p><strong>布田:</strong>机上でのシミュレーションから実際のオペレーションの段階に入って、けっこういろんなことがあったのではないでしょうか。実地でやってみて初めてわかったこと、「意外と○○だった!」ということなどはありましたか?</p><p><strong>西川:</strong>最初は、水泳のフォームが撮れてそれにコメントを付けられたらすごいと思ってもらえるだろう、というイメージでしたが、それ以前のところで驚くこともありました。先生の中には全国レベルで活躍していた選手もいるのですが、そんなレベルの人でさえ、実は自分の泳ぎを映像という形で客観視したことがあまりなかったのです。<br>もうひとつ、最初は添削のコメントをフリーワードで入力してもらっていたのですが、それだと先生毎に言うことがけっこう違ってしまうのです。コメントをテンプレートから選べるようにしたのは、当初は先生の手間を少しでも減らしたいという思いからでした。しかし、テンプレート化することで、スクールの指導メソッドに沿ったコメントから選ぶという形になり、指導品質を保ちつつ手間も減らせるという、ダブルのメリットがあったというのは大きな気づきでしたね。</p><p><strong>布田:</strong>それは、スクール側でいろいろ可視化もできて、スクールとしての指導方法もフォーマット化されてきたということですね。生徒側の反応はいかがですか?</p><p><strong>西川:</strong>やはり、客観的に自分・子どもの泳ぎを見られるのがいい、と言っていただいていますね。スクールの進級テストって実は7割くらい落ちているそうなのですが、落ちた理由や、どこを直していけばいいのかも動画やコメントによってはっきりわかるので、より早く上達できそうだと喜んでいただいています。</p><p>ーーただ「できない」ではなくて、「ここを直せばいいんだ!」と、お家でもお子さんと親御さんとが前向きに会話できるのはいいですね。</p><p><strong>布田:</strong>例えば、「腰が沈んでいるから速く進まない」と言われて、じゃあ腰を上げてみようとやってみても、上げた「つもり」なだけで実際には直っていない…ということが、えてしてスポーツ習得の過程ではありがちだと思います。自分が「やっている」と思っていることと、実際にどうなっているかの差分が見えると、効率よく上達できそうですね。</p><p></p><h2><strong>スイミングからスポーツ全般へ。スクールの独自性を活かせるサービスに</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/06/10/17/14/15/7b51cc02-c51e-4868-a60e-fbdd3ef36b41/usecase_member.png" link_href="" link_target=""></div><p>ーー『ウゴトル for Lesson』は、今後のスポーツ指導やスポーツ学習のスタンダードになっていきそうですね。</p><p><strong>布田:</strong>パリ五輪くらいの頃のオリンピック選手が、最初に習った時にウゴトルを使っていた!みたいな。</p><p><strong>西川:</strong>夢ですね!パリはもうすぐですけどね(笑)。</p><p>ーーきっと、トップアスリートたちは以前から動画を活用できる環境にあるのでしょうが、一般の、しかも子どもたちがそれを使えるようになったのはすごいことですよね。</p><p><strong>西川:</strong>子どもだからこそ、目で見て理解するのが得意だと思うので、その特性を最大限活かしていきたいと思っています。</p><p><strong>布田:</strong>では、今後はどのように事業を伸ばしていこうと考えていますか?</p><p><strong>西川:</strong>今回の導入は、東急スイミングスクールさんのあざみ野店からスタートしています。すでに東急さんからは、他店舗にも続けて展開しようというお声も上がっていますし、もちろん他のスクールでも使っていただきたいと思っています。『ウゴトル for Lesson』は多くのスクールで使っていただくようになったとしても、差別化できなくなることはありません。もともと、スクールはそれぞれ独自の指導メソッドを持っています。『ウゴトル for Lesson』では、動画で泳ぎを見るというのをベースにしつつも、添削用に用意するコメントや設定するチェックポイントによって、各スクールの独自性を活かすことができます。ですから、『ウゴトル for Lesson』の導入が進むことによって、むしろスクールの差別化は進んでいくと考えています。もちろん、スイミング以外にもどんどん展開していきたいですね。</p><p>ーー動きの「見える化」によって、より多くの価値が生まれていくということですね。これからのスポーツ指導は、『ウゴトル for Lesson』によって大きく変わっていくのかもしれません。今後の展開も期待しています!</p><p><br>◆<a href="https://ugotoru.com/"><u>株式会社ウゴトル</u></a></p><p><br></p><p><br></p><p><br></p><p><br></p>
<div class="iframe-container width-set height-set dimensions-set" data-width="100%" data-height="232px" data-src="https://open.spotify.com/embed/episode/5UFIPw69f8YWVbsQnpULP4"><iframe class="" style="" data-embed-type="generic" data-original-link="&amp;#60;iframe src=&quot;https://open.spotify.com/embed/episode/5UFIPw69f8YWVbsQnpULP4&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;232&quot; frameborder=&quot;0&quot; allowtransparency=&quot;true&quot; allow=&quot;encrypted-media&quot;&amp;#62;&amp;#60;/iframe&amp;#62;" src="https://open.spotify.com/embed/episode/5UFIPw69f8YWVbsQnpULP4" width="100%" height="232px" frameborder="0" allowfullscreen="true"></iframe></div><p>-------------------------------------------<br>MIRAISEでは、課題解決に挑むエンジニア起業家の生の声をお届けするラジオ番組「<a href="https://www.youtube.com/channel/UCV4Ju4OHLYp-2we7vLxWtTg/videos"><u>MIRAISE RADIO</u></a>」を配信しています。こちらのブログでは、「読む MIRAISE RADIO」として、起業家たちのストーリーをラジオの雰囲気そのままにお伝えしていきます。</p><p>● スピーカー|株式会社ウゴトル 代表取締役 西川 玲 / ヨクト株式会社 代表取締役社長 河野 敬文</p><p>● MC|MIRAISE Venture Partner &amp; CTO 布田 隆介 / PR 蓑口 恵美<br>-------------------------------------------</p><p>今回は、MIRAISEが行っている投資先サポートプログラム『BOOSTER』(ブースター)第二弾の成果報告をお届けします。</p><p>第二弾に参加いただいた起業家は、株式会社ウゴトル代表取締役・西川玲(にしかわ・あきら)さん、ヨクト株式会社代表取締役社長・河野敬文(かわの・たかふみ)さんのお二人です。</p><p>ビジョンを語り仲間を巻き込み進んでいく起業家が、どのように事業のフォーカスを絞っていくか、また苦手な分野に挑戦していくか。それぞれの100日間の変化についてお話しいただきました。</p><p></p><h2><strong>スポーツ関連事業を展開する2社が臨んだ100日間</strong></h2><p>――今回は、MIRAISEが行っている起業家サポートプログラム『BOOSTER』についてお届けします。ちょうど第二弾を終えたばかりのお二人の起業家に、Boosterでの経験や変化について伺っていきます。まずは布田さん、簡単にBOOSTERの説明をお願いします。</p><p><strong>布田:</strong>『BOOSTER』は、MIRAISEが支援先企業向けに提供しているアクセラレータープログラムのようなものです。100日間、2週間に1回のメンタリングやディスカッションを行いながら、次の資金調達の成功を目指すプログラムです。具体的には、ピッチの改善、資金調達成功に向けた数字の改善、成長を目指して取り組んでいくものです。</p><p>――今回のゲストは、キッズスイミングスクール向けの動画添削配信システム『ウゴトル for Lesson』を展開している株式会社ウゴトルの西川さん、次世代ヨガマット『yoctoMat』を開発中のヨクト株式会社の河野さんです。どちらもスポーツに関わるサービスを展開されており、共通点を感じながらBOOSTERを受けられたのではないかと思います。まずウゴトルの西川さん、展開中のサービスについてお聞かせいただけますか?</p><div class="img-container"><img src="https://lh5.googleusercontent.com/5lauX6rklgBwx4qU5XRuf2q9UVETvXi95veFOU964xM47oBlc9Z_9v-mUtnBji_bLUOkkhMIfTRysQUCQWKnh7d93VmHjirKDIq9hl-oH8vYg4ISODZzDdSjYIJ9lGcXzs_U7I98" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>株式会社ウゴトル代表取締役 西川 玲さん</p></div><p><strong>西川:</strong>当社では、キッズスイミングの売上アップに貢献するプラットフォーム『ウゴトルfor Lesson』を提供しています。既存のグループレッスンの中で、個別撮影した動画の添削・配信を簡単に行えるようにし、生徒一人ひとりの課題の見える化と指導を実現し、結果的にアップセルにつなげるというサービスとなっています。</p><p>――スイミングのレッスンは、基本的にグループレッスンですよね。個別指導してもらえれば、より上達が早そうです。</p><p><strong>西川:</strong>『ウゴトル for Lesson』は、アプリで誰でも簡単に異なる視点からの動画を合成できます。例えば、水上と水中からの二つの映像を組み合わせるなどですね。さらに、講師のコメント用テンプレートが用意されており、その中から選ぶだけで映像にコメントがつけられ、直線や円などの手描き入力も簡単にできます。映像+コメント・手描き入力により、簡単・短時間で質の高い個別指導を実現しています。<br>このプラットフォームによって、スクール側の売上アップはもちろんのこと、生徒側も大きなメリットを得られます。これまでの対面グループレッスンでは、毎回口頭でポイントを指摘することになりますが、それではどこをどう直せばいいのかよくわからないまま進んでしまうことも多くなります。『ウゴトル for Lesson』で、そうした状況を改善できるんじゃないかと期待しています。</p><p>――西川さんのご経験も活かされているそうですね。</p><p><strong>西川:</strong>僕は北海道生まれで全然泳げなかったのですが、小学生の頃に埼玉に引っ越したら、周りが全員泳げるという状況で(笑)。すごい危機感を覚えてスイミングスクールに通い始めたものの、進級テストに落ちまくったという記憶があります。かなり頑張っていたのですが、毎回「前は何言われたっけ?」って忘れてしまっていた、ということがあって...。今回の『ウゴトル for Lesson』は、まさにその頃の自分にプレゼントしたかったと思えるものになっています。</p><p><strong>布田:</strong>もともと『ウゴトル』は、動画をコマ送りで再生したり反転させたり、重ねたりして、スポーツやダンスなどの動きを覚えるためのアプリとして一般ユーザー向けに出されていたもので、何十万とダウンロードされているアプリです。今回BOOSTERに参加されたのは、MIRAISEから出資を受けて企業向けに『ウゴトル』を展開していこうと思われたからなんですよね。</p><div class="img-container"><img src="https://lh5.googleusercontent.com/5P1x1OMM-Qj5VGpH9PI5uG1c27_p4kMTmTl4_nVHTZfB0vXOvVT3YmwDVSHlq0kwOAt-ZD2CfD1I9vETRMoViHxGCFHuDZBrVNX_twmRAnCHwbLjeNlm-CmkiU0C65c_sjMM2v-q" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>「動き」を覚えるためのアプリ『ウゴトル』</p></div><p>――次はヨクトの河野さん、開発中のプロダクトについてお聞かせいただけますか?</p><p><strong>河野:</strong>僕らは、ヨガスタジオのレッスンをサポートできるようなヨガマットとサービスの開発を行っています。僕自身が数年前にヨガスタジオを経営していたのですが、ヨガは個人の感覚に頼る面がとても強い業界です。それはそれでいい面もあるのですが、弊害としてケガをする人が非常に多いのです。それをスタジオ運営に携わっている頃から実感しており、状況を改善したいという思いが積もり積もって作っているのが、現在のプロダクト『yoctoMat』(ヨクトマット)です。</p><div class="img-container"><img src="https://lh4.googleusercontent.com/R5NOyNyvz0sta-1ebwcLpxiJLCPl5V0TKEknppjV7hq9gkCsTjryWYV68FfJ3fzV0UAPgXuv8NiqoEegkwM9ElXnsuwt3ZOZPCbdJHobcfN9uOh3_Z-5iE5eap3b-Io4faDvHS5y" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>ヨクト株式会社代表取締役社長 河野 敬文さん</p></div><p>――具体的に、どのようなヨガマットを開発されているのですか?</p><p><strong>河野:</strong>ケガが多いのは生徒側の勘違いや間違いもあるのですが、教える側のスキル不足も原因です。その課題をまずは解決したいと思い、ヨガのポーズや流れにおける手や足の位置や、体重のかけ方がわかるようなセンサーを入れたヨガマットと、それと繋がるWebサービスを主に開発しています。生徒さんが今まで何をどれくらいやってきたのかや、体のクセなどがわかり、それによって一段上のヨガ体験やレッスンを提供できるような、スタジオのレッスンをサポートするツール・サービスとしていきたいと思っています。</p><p>――ヨガをする方にケガが多いという事実は知りませんでした。</p><p><strong>河野:</strong>実際に僕らがヨガスタジオを経営していた時も、他のスタジオでケガをした、体に痛みがあるという方はけっこういらっしゃいました。実際にNHKの調査でも、ヨガをする人の3割ほどにケガの経験があるという結果が出ています。</p><p><strong>布田:</strong>人間じゃないみたいなポーズとか(笑)、確かにケガしてしまいそうなイメージはありますね。あと、先生が「手を上げてください」と言う場合、手を上げることによって体のどこかを伸ばすなど、本当に「こうしてほしい」ということが別にあるんですよね。でも、生徒側はただ手を上げているだけで、どこにも効いていないという…。<br>ヨクトのヨガマットにはセンサーが入っているので、重心の位置や体重のかけ方がわかり、生徒側もちゃんと体に効いている感じを得られるし、先生も客観的なデータから指導方法を改善していくことができます。ちょうど、先生と生徒の間をつなぐようなプロダクトですね。</p><p>――私もヨガのレッスンを受けてみて「これどこに効いてるのかな…?」という瞬間、たくさんありました。でも、静かな環境で皆さん取り組んでいるから、わかりませんって言えなくて。</p><p><strong>河野:</strong>本来なら、先生がそれに気づいてレッスン中に指導できるといいのですが…。当社のサービスを使っていただくと、それが伝えやすくなるようなイメージですね。</p><div class="img-container"><img src="https://lh4.googleusercontent.com/z7R1_iEeZ48jSBL9iJQCs44fdoPb3wR5qyw2UKbTP136IFqbii9aYoBz0MK-yg5jkK1qrWoomfR6juq3jVxt38gLKz9pwc55SsuDIUGk1JQMnd0Ae1t2zikURKtLM0KqY0OLZv_m" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>ヨガをする人をサポートするマット『yoctoMat』</p><p></p></div><h2><strong>「火の玉ストレート」で鍛え上げられたピッチ</strong></h2><p>――では、お二人がBOOSTER前後でどんな変化を感じられたのか、どういった目標を追いかけてきたかについて伺っていきます。まず、西川さんいかがですか?</p><p><strong>西川:</strong>最も大きな変化は、狙うマーケットを一気に絞り込めたことです。もともと『ウゴトル』は、動作を覚えるためならだいたい何でも使えますよ、というふわっとしたコンセプトでした。そんな、誰にもピンとこないし誰にも売れない…という状態から、BOOSTERの回が進むごとにどんどんフォーカスできていきました。誰にとって明確に利益になるのか、お金を払ってくれる人はどこにいるのか、ちゃんと考えて進んでいけたのは大きかったですね。</p><p>――それでキッズスイミングスクールにたどり着いたと。</p><p><strong>西川:</strong>絶対売れるところは?と聞かれたら「キッズスイミングです」とすぐ言えるようになりました。「キッズスイミングはこういう市場でこんな課題がある」と、今では即答できます。<br>あと、外部の投資家の方々を招いた実戦形式でのピッチ練習ができたことも、本当によかったです。皆さん優しく聞いてくださるのですが、フィードバックタイムとなるともう、火の玉ストレートがボンボン飛んできて(笑)。痛みは伴いましたが毎回すごく学びが多くて、資料がどんどん良くなっていきました。</p><p><strong>布田:</strong>BOOSTER前半は、参加者のお二人と私、岩田さんの4人で進めていくのですが、後半は外部の投資家の方や、少し先に進んでいる起業家の方々をお呼びしてピッチ練習をしていきます。本番のピッチでは、「ここが良くなかったよ」と言ってくれることはありません。投資が受けられなかったという事実は残るのですが、どこを改善したらいいのかはわからない。ですから、BOOSTERでピッチを聞いてくださる方々には、「ここがわからない」「こう言った方がいい」「こういう資料がほしい」など、どんどん言ってくださいとお伝えしています。本番で困ることがないよう、改善点はすべて挙げてもらうのです。</p><p>――河野さんはいかがでしょうか?</p><p><strong>河野:</strong>僕らはまだ、いただいた「火の玉ストレート」を咀嚼している段階です。BOOSTER前は、コロナ禍の時流を見ながら、ハードウェア開発をしつつ、企業向けオンラインレッスンサービスも展開し…と、並行して事業を進めようとしていました。それを、今回のBOOSTERで「君たちヨガマットだったよね」と叩き直され、軌道修正していただいた感じです。これまではB to Cのヨガマットとサービスと言っていたのを、B to Bで振り切って進めていこうと決めることができました。<br>ただ、これまで「オンラインレッスンをやるぞ!」と言っていたチームの中で、ヨガマットをメインにすると決めたことで、最初はチーム組成の面で問題が出てしまいました。岩田さんや布田さんに相談する中で、精神的な面でも鍛え直されましたね。数値目標としては2万枚売ることを目標にしていましたが、100社200社と営業をかけた中で、1社と話を進めることができました。BOOSTERが終わった今も、100日間で得たものを日々活かしながら、事業展開を進めています。</p><p></p><h2><strong>隣で頑張る姿に奮起。苦手な営業も「やるしかない」</strong></h2><p><strong>布田:</strong>西川さんも河野さんも、まず「営業どうしよう?」というところからスタートしました。飛び込みしたり、電話やメールをしたりと頑張っていましたね。エンジニアは基本的に営業は得意ではないし、そもそも営業経験がないという人も多いのですが、BOOSTERの限られた100日の中では、イヤイヤながらもやらざるを得ない。でも、続けていくうちにお客さんの悩みやお困りごとが見えてきたりと、営業がすごく嫌なものではないという感じになっていきます。必要なプロセスですよね。</p><p><strong>西川:</strong>10社の契約を取るというゴールを定め、KPIツリーというのを作って進捗を毎週報告していました。「河野さん、もうこんなに営業回ってる!」と、一緒に取り組んでいる人がすごく頑張っている姿を見ると、僕もやらなきゃという気持ちになりましたね。</p><p><strong>河野:</strong>僕もまったく一緒でした。西川さんの資料のきれいさや進捗具合を見ると、ひたすら焦って…。営業も、無料で通話できる楽天モバイルを契約して、最初は震えながら電話をかけていました(笑)。やらない言い訳が心の中にいろいろと出てくるんですけど、隣の西川さんが頑張っているから、やるしかない。すごくいい環境でした。</p><p></p><h2><strong>100日間で得た成果を糧に、さらなる成長へ</strong></h2><p>――今後はそれぞれ自社のチームで目標を追っていくフェーズになりますが、お二人のこれからの目標を聞かせてください。</p><p><strong>西川:</strong>BOOSTERでの目標は法人契約10社でしたが、実際に取れたのは1社、東急スイミングスクールでした。実証実験を経て無事採用となり、5月くらいにリリース予定で現在鋭意開発中です。まずは1店舗からのスタートですが、他の店舗でも採用していただけるよう進めていきたいです。あとは、他の大手スイミングスクールや、スクール事業を持つフィットネスクラブに展開していけたらと思っています。</p><p><strong>布田:</strong>東急さんに採用されたのはすごいですよね。『ウゴトル』はまさに西川さんの技術力があってのプロダクトですが、何者でもなかったアプリが徐々に大手のツールとして導入されていくというのは、スタートアップの醍醐味ですね。それを使った子どもたちがどんどん成長していくというのも、本当に楽しみです。</p><p><strong>西川:</strong>はい。嬉しいことに、現場の反応も上々です。スイミングスクールは1クラスいくらという相場観がガチガチに固まっている世界で、完全に横並びでなかなかアップセルできないんです。しかし『ウゴトル for Lesson』を使えば、月に1回撮影・動画添削をしたらいくら、2回ならいくら…とメニューを増やすことができるので、コーチの方々にすごく喜んでいただいています。<br>また、トップレベルの選手として活躍していたようなコーチでも、自分の泳ぐ姿を映像で見るのが初めてという方が多くいました。「これならうまくなるよ!」と喜んでいただいたり、さまざまな意見もいただけたりと、一緒にやっていてこちらも楽しいです。</p><p>――続いて、河野さんの今後の目標についてお聞かせください。</p><p><strong>河野:</strong>僕たちは名古屋での実証実験を終えたところです。実際にモニターさんに使っていただいて「自分のクセがわかるのがすごくいい」など、ご好評をいただきました。次は都内での実証実験が決まっているので、それに向けて開発を進めています。当社も大手さんと繋がりができたので、導入していただけるように話を進めていこうと思っています。</p><p><strong>布田:</strong>『yoctoMat』は、みんなが待ち望んでいたものですよね。きっと、さまざまな所で使いたいという声が上がると思います。ハードウェアを作る難易度はソフトの比ではないですし、別の難しさもありますよね。</p><p><strong>河野:</strong>そうですね。でも「西川さんが頑張ってるから俺もやらなきゃ」と、めちゃめちゃ進めたBOOSTERの100日間でした。その頑張りがあったからこそ、今もスピード感を持って進めることができています。</p><p>――それぞれのプロダクトやサービスで、スポーツをより楽しめる人が増える未来が見えてきますね。本日はありがとうございました!</p><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/05/21/15/16/58/e849748b-155a-4f55-9441-36278a184071/radio18_top.png" link_href="" link_target=""></div><p>◆<a href="https://ugotoru.com/"><u>株式会社ウゴトル</u></a><u><br></u>◆<a href="https://yocto-life.co.jp/"><u>ヨクト株式会社</u></a></p><p><br></p><p><br></p>
<p></p><div class="iframe-container width-set height-set dimensions-set" data-width="100%" data-height="232px" data-src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/1IdnL17JQd6iLtkeKSs0RR"><iframe class="" style="" data-embed-type="generic" data-original-link="&amp;#60;iframe src=&quot;https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/1IdnL17JQd6iLtkeKSs0RR&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;232&quot; frameborder=&quot;0&quot; allowtransparency=&quot;true&quot; allow=&quot;encrypted-media&quot;&amp;#62;&amp;#60;/iframe&amp;#62;" src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/1IdnL17JQd6iLtkeKSs0RR" width="100%" height="232px" frameborder="0" allowfullscreen="true"></iframe></div><p>-------------------------------------------<br>MIRAISEでは、課題解決に挑むエンジニア起業家の生の声をお届けするラジオ番組「<a href="https://www.youtube.com/channel/UCV4Ju4OHLYp-2we7vLxWtTg/videos"><u>MIRAISE RADIO</u></a>」を配信しています。こちらのブログでは、「読む MIRAISE RADIO」として、起業家たちのストーリーをラジオの雰囲気そのままにお伝えしていきます。</p><p>● スピーカー|NeuralX, inc Founder &amp; CEO 仲田 真輝<br>● MC|MIRAISE CEO 岩田 真一 / PR 蓑口 恵美<br>-------------------------------------------</p><p>ストレスが多い現代社会において、どのように心身ともに健康を保つかは大きな課題となっています。特に現在は世界中の人々がステイホームを強いられ、スポーツジムの利用も困難になっています。心身の健康についての悩みや不安を抱える人は多くいることでしょう。</p><p>NeuralX, inc Founder &amp; CEOの仲田真輝(なかだ・まさき)さんは、運動解析と生体力学的人間シミュレーションの技術に基づくオンラインフィットネスサービスを、米国から世界に提供しようとしている起業家です。</p><p>自分にしかできない技術で人々を救えるサービスを提供したいという強い想いを持ち、さまざまな可能性を考え抜いてきた仲田さんに、お話を伺いました。</p><p></p><h2><strong>AI×人間のサポートで「続けられる」オンラインフィットネスサービスを提供</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/03/26/14/38/36/7161cbf9-3ed5-4f9a-82b1-b5bf1fe4b22c/radio17_01.png" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>AIが運動をサポートするオンラインフィットネスサービス「Presence.fit」</p></div><p>――仲田さんはMITテクノロジーレビュー『<a href="https://events.technologyreview.jp/iu35/" target="">Innovators Under 35 Japan 2020</a>』 や、『<a href="https://www.forbes.com/profile/masaki-nakada/?sh=2e976d77110f" target="">Forbes Next 1000 2021</a>』に選出されましたね。おめでとうございます!<br>仲田さん率いるNeuralX, incは、運動解析と生体力学的人間シミュレーションの技術に基づくオンラインフィトネスサービス「<a href="https://www.presence.fit/" target="">プレゼンス・フィット</a>(Presence.fit)」を展開しています。こちらは、具体的にどのようなサービスなのでしょうか?</p><p><strong>仲田:</strong>「<a href="https://www.presence.fit/" target="">プレゼンス・フィット</a>(Presence.fit)」は、AIと人間のハイブリッドにより高いインタラクティブ性を持たせたオンラインフットネスサービスです。運動解析と生体力学的人間シミュレーションの研究成果に基づいて開発されたAIが使われており、Repカウントやペースのスコア化、カロリー計算などを自動化しています。それにより、インストラクターが人間ならではのメンタルケア、モチベーションの維持や向上などに集中することができます。オンデマンドのコンテンツは数多くありますが、やる気が出ない、保てないというのが大きな問題でした。「本当にやる気の出る」フィットネスのプラットフォームとして、今は全米に展開しています。</p><p>――私もさっそく利用させていただきましたが、運動を続けたくなる仕組みになっていますよね。使ってみて、すごくエネルギーを感じる時間をいただけたように思います。</p><p><strong>仲田:</strong>今までは、ジムなどのコミュニティの存在がモチベーションになっていましたが、アメリカではジムもスタジオももう1年くらい営業禁止でクローズしています。日本でも、年齢が高い方ほど、コロナ感染リスクからそうした場所には行きたくないと思う人が多いでしょう。運動は、体づくりという意味ではもちろんのこと、メンタル面においても非常に大切なのですが、自宅で自分ひとりでの運動というのはなかなか続きません。人間がやる気を出すためには、フィードバックをもらえるかどうかがカギとなります。そこで、ひとりでは運動を続けられない、やる気が出ないという悩みを、我々の技術を使って解決できればと考えたのです。</p><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/03/26/14/39/11/c2c7e0dc-ce98-4dcd-9d28-ade6d4595e52/radio17_02.png" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>一流のインストラクターが運動のモチベーションを上げてくれる</p></div><h2><strong>技術の新しさ、面白さだけではコンシューマーは振り向かない</strong></h2><p><strong>岩田:</strong>MIRAISEとの関わりは、仲田さんからTwitterにご連絡いただいたのが始まりでしたね。MIRAISEは日本を中心にエンジニア起業家に投資しているファンドですが、海外で起業する日本人エンジニアにも非常に注目しています。<br><br>NeuralXはある意味研究開発系ゴリゴリの会社ですし、仲田さんご自身もPh.Dをお持ちでずっと研究畑にいらっしゃいましたが、いざサービスを作るにあたって、非常にユーザー側のインサイトを重視していましたよね。自分たちの研究成果をとにかく「使いたい!」ではなく、ユーザーの声にしっかりと耳を傾けて運動を続けられない要因を探り、それに対して自分たちの研究成果をどのように使い、サービス化していくかを考えるという姿勢が素晴らしいなと感じました。研究者が起業する際の課題はこのあたりにあると思うのですが、仲田さんご自身はいかがでしたか?</p><p><strong>仲田:</strong>本当にそれはおっしゃる通りで…僕自身の思考、脳の仕組みは、やはり技術の面白さが起点になってしまうんですよね。そこにフォーカスしてしまうと、お客さんが不在になってしまう。<br><br>実はNeuralXは、米国では僕にとって2社目の会社となります。1社目では、eコマースでの利用を想定し、ARを使って家具を3Dで可視化して、サイズ感やフィッティング感を簡単に確かめられる技術を開発しました。それが2012年のことで、当時はまだARのキットやSDKもなく、基礎から始めて3年くらい費やしました。新しい技術だったのでコンペやハッカソンではたくさん勝てましたが、お客さんに対するヒアリングは一切していなかった。</p><p>技術を売っていく時、その素晴らしさを見せるだけなら80、90%の精度でOKなのですが、コンシューマーは100%を期待します。お金を払ってもよいと考える期待値があるので、それを満たせないのであれば、80%いいものを作っても、いくら技術が新しくても意味がないというのを、その3年間で肌で学びました。</p><p>――その学びが、今回に活きているのですね。</p><p><strong>仲田:</strong>以前はテクノロジーだけで何でも解決できると思っていたのですが、やはりコンシューマー目線、ビジネス目線が自分には足りないと感じたので、今回はパートナーとしてビジネス畑の人に参画してもらっています。自分の足りないところは自分自身で補おうと努力するのはもちろんのこと、チームとしても補っていくことを意識してきました。</p><p><strong>岩田:</strong>ユーザーの方がどう使うのか、本当のペインポイントは何なのかは、深く追求する必要がありますよね。自分の問題を本当に解決してくれるソリューションにこそ、ユーザーはお金を払うということですから。好奇心やエキサイトメントがなければ、エンジニアや研究者は成り立たないと思いますが、それらとユーザー目線との共存・両立は、実は難しいことですよね。ご自身の強み・弱みを踏まえて、ビジネスとしての将来を見据えたチーム構築は、大変参考になります。</p><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/03/26/14/39/20/436bc504-1480-498c-9fa0-503f3cf6e223/radio17_03.jpg" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>NeuralXメンバー。技術者を中心にビジネスサイドのプロも参画している</p></div><h2><strong>「なぜ自分がやるのか?」を徹底して考え抜く</strong></h2><p>――アメリカでは2社目の起業とのことですが、今のサービスで起業しようと思ったきっかけは何でしょうか?</p><p><strong>仲田:</strong>ひとつは、他ではない自分が起業する意味は何かということです。先ほどお話ししたように、アメリカに渡ってからARで1社目を起業しました。それは技術が面白いからやったのですが、ARはコンピュータービジョンのエンジニアやリサーチャーが得意なことで、技術者のボリュームもそれなりにありました。そこでの勝負は技術的には面白いけれど、本当に自分が勝てるのか、自分だからこその差別化ができるのかと言ったら、そこまでの自信はありませんでした。<br><br>もうひとつは、自分が本当に何をしたいのか、何に没頭できるのかということ。僕は技術を使って人にハッピーになってもらうこと、人に驚いてもらうのが好きなんです。自分だからこそできることなのか、そして、自分が没頭できることなのかどうか。今回の起業にはこの2つの軸があります。</p><p>――その2軸から、人を幸せにするために何ができるかを考えていったのですね。</p><p><strong>仲田:</strong>自分のスペシャリティは何かといえば、やはりアメリカで10年以上研究を続けてきた人工生命、人間シミュレーションです。これらは、世界で唯一であると誇りを持って言うことができます。それを使って、人々のどんな「痛み」を解決できるか。そこで浮かんだのが健康問題でした。私自身、家族や親しい友人の健康、特に精神面での健康の問題に直面してきて、救いたいのに救ってあげられなかった、力になれなかったという経験がありました。ですからずっと、健康問題に対する関心は強くあったのです。</p><p>――ご自身にとって大切な方々を救ってあげたかった…そうした想いが背景にあるのですね。</p><p><strong>仲田:</strong>それで、AIや脳科学にも興味を持って学んできました。今はストレス社会とも言われ、メンタルヘルスの問題はすでに社会全体の問題でもあります。メンタルの問題とは言うけれど、実は体を動かすことによって、脳からいいホルモンが出て心にも良い影響を与えることができます。運動することで、メンタルの問題も解消する…それができれば、社会のメンタルヘルスの問題や、今それで困っている人たちを救うことができると考えました。運動の中でも、フィットネスなら誰でも簡単に始めることができます。既存のインフラやコンテンツは多くありますが、もっと多くの人に最適化できる仕組みを作りたいと思いました。そうした技術とペインの融合があって、プレゼンス・フィットが生まれたのです。</p><p><strong>岩田:</strong>起業家に向けての有名な質問に「Why you?」というのがありますよね。自分の棚卸しをして、強みや経験を掛け合わせることで何らかの価値を生み出せるようになる。「この分野が空いているから」とか「儲かりそうだから」と起業する人がいますが、多分それではうまくいきません。自分ならでは、自分でなければならない理由を深く考えてら起業すると、自分の強いモチベーションにもなりますし、人に伝わるメッセージも非常に力強いものになりますね。</p><p><strong>仲田:</strong>会社を作るのは誰にでもできますよね。ただ、本当に成功させたかったら、起きている時間すべてをかける。寝る時間を削ってもやる。「Why you?」の答えをしっかり自分で持っていなくては、そこまでやりきることはできないと思います。</p><p></p><h2><strong>誰でも・どこでも使えるサービスで、世界中の人を健康にしたい</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/03/26/14/39/37/3410cdcc-9105-44e8-bd09-bb6c82cb0a48/radio17_04.png" link_href="" link_target=""></div><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>世界中どこにいてもクオリティの高いクラスが手軽に受けられる</p></div><p><strong>岩田:</strong>今、ウォーキングくらいしかしていない僕からの質問ですが…仲田さんがいらっしゃるLAなんかは、フィットネスに関して非常に意識の高い人が多いと思います。そのあたりの事情もお聞かせいただけますか?</p><p><strong>仲田:</strong>確かに、LAやNYでは美や健康に対する意識がとても高い人が多いです。フィットネス人口も多いですし、忙しい人でも運動を欠かしません。例えば弁護士、銀行マン、ベンチャーキャピタリストなど、すごく稼いでいて超多忙な人ほど、意識して運動の時間を取っていますね。いかに自分の生産性を高めるかを意識している彼らにとって、心身の健康は最重要課題といってもよいかもしれません。特に朝5時、6時のジムは盛況です。朝、運動して筋肉を動かすことで酸素の供給量が上がり、脳も活性化することができます。それは科学的に証明されていることですが、それを知らなくても、経験則的に実感し、実行している層がすごく多いですね。</p><p><strong>岩田:</strong>プレゼンス・フィットも、そういった意識の高い人たちが本当に満足できるような設計になっていると思うのですが、そのクオリティのクラスをリモートでも受けられるのがすごくいいですよね。</p><p><strong>仲田:</strong>それがすごいチャンスだなと思っています。LAは、世界的に見ても優秀なインストラクターが多くいます。プレゼンス・フィットのインストラクターにも、ハリウッド映画の主役級の俳優たちをトレーニングしていた人がいます。そういった人たちを、例えば日本に呼ぼうとすると、時間もお金もかかりました。しかし、コロナのパンデミックが起きたことでデジタルへの意識が高まり、DXという新しい概念が普及したことにより、これまでアクセスが難しかったことが簡単にできる世の中になりました。いい意味で革新が起きたんじゃないかなと思っています。</p><p>――現在、在宅・デジタルでのフィットネスのあり方が変わっていくタイミングであると思うのですが、そうした中で、仲田さんは今後どのような世界を目指していくのでしょうか?</p><p><strong>仲田:</strong>アメリカ西海岸から始まった我々のサービスは、今は全米に広がっています。今後はヨーロッパ、アジアと展開していきたいと思っています。LAトップのインストラクターに教えてもらえるという気持ちの高揚感、こうしたことは心理面で非常に有効です。ただ、人には目や脳の限界があって、1回のレッスンでちゃんと見られるのはせいぜい5、6人なんですね。そうすると、優れたインストラクターの指導を受けるには、ごく小さなクラスの空きを待ったうえで、ものすごく高いお金を払わなくてはなりません。私の描くビジョンは、経済的、肉体的、精神的な負担がなく、皆が健康になるというものです。ですから、優れたインストラクションを誰にでも手の届くものにしなければなりません。</p><p>――そこでAIを使うということですね。</p><p><strong>仲田:</strong>AIは今オペレーションコストがゼロなので、AIをアシスタントとしてRepカウント(※)やペースのスコア化などに使うことで、どのユーザがどれだけできているのかをひと目で分かるようにインストラクターポータルで可視化し、それによりインストラクターの仕事を軽減し、クラスをスケール化することができます。トップのインストラクターのクラスでサービスの質を保ちながら、コストをしっかり落とすことができる。AIを入れることで世界中の誰にでも、どこからでもアクセスできるサービスにし、世界中の優れたインストラクターに参画していただいてサービスの質を高く保ってブランドを構築し、世界に展開していくというのが、我々が現在描いているビジョンです。</p><div class="image-caption-1 additionalClassesSet " style=""><p>※エクササイズ中に実行された回数のカウント</p></div><p>――今でももちろん日本でプレゼンス・フィットは使えますが、今後はアメリカから世界を目指すということで、日本での本格的なサービス展開が楽しみですね!本日はありがとうございました。</p><p><br>◆『<a href="https://www.presence.fit/"><u>プレゼンス・フィット(Presence.fit)</u></a>』<br>◆<a href="https://www.masakinakada.com/"><u>仲田さんWebサイト</u></a></p><p><br></p>
<p></p><div class="iframe-container width-set height-set dimensions-set" data-width="100%" data-height="232px" data-src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/6kYDTUrvNvywjgL4F4Lviv"><iframe class="" style="" data-embed-type="generic" data-original-link="&amp;#60;iframe src=&quot;https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/6kYDTUrvNvywjgL4F4Lviv&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;232&quot; frameborder=&quot;0&quot; allowtransparency=&quot;true&quot; allow=&quot;encrypted-media&quot;&amp;#62;&amp;#60;/iframe&amp;#62;" src="https://open.spotify.com/embed-podcast/episode/6kYDTUrvNvywjgL4F4Lviv" width="100%" height="232px" frameborder="0" allowfullscreen="true"></iframe></div><p>私たちの安心を支えてくれている「保険」。</p><p>しかし、「自分や家族の保険、もし何かあったら請求はちゃんとできますか?」…そんな問いを投げかけられた時、自信を持って「できる」と言える方はどれぐらいいるでしょうか?</p><p>保険の請求にはさまざまな手続きが必要で、実は決して簡単なことではないのです。</p><p>今回は「保険の請求もれをなくす」というミッションを掲げる株式会社IB代表取締役CEOの井藤健太さんに、レガシー業界の変革に挑むお話を伺いました。</p><p></p><h2><strong>入っている保険をカンタンに管理できるアプリ「保険簿」</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/02/22/12/48/34/5c1758e8-d46a-4564-b2bb-3bbd80b27b86/radio16_01.png" link_href="" link_target=""></div><p>――最初に、株式会社IBと提供している「保険簿」というサービスについて教えていただけますか?</p><p><strong>井藤:</strong>私たちIBは「保険の請求もれをなくす」というミッションを掲げて事業を展開している会社です。ここで蓑口さんに質問なのですが…もし離れて暮らしているご家族が災害に遭い、自宅が流されたうえに意識不明の重体となってしまい、家族に代わって保険の請求ができるのが自分しかいない!となった時に、ちゃんと請求できる自信はあるでしょうか?</p><p>――自分の保険ですら自信がないのに家族の請求なんて…できないです!</p><p><strong>井藤:</strong>そうなんです。この質問に対して、95%以上の人が「できない」「自信がない」と答えます。保険の請求もれとは、本来もらえるはずの保険金があるのに、請求手続きをしていないことを指します。保険会社は加入者やその家族からの請求がなければ、そもそも何があったのか知りようがありません。加入者やその家族が自ら請求しなければ、保険金を受け取ることはできないのです。こうした「保険の請求もれ」は、潜在的ながら非常に根深い問題として存在してきました。本当はもらえる保険金があったのに、病気の治療費が高くて治療を諦めてしまったり、本来負わなくてもよかった経済的負担を負ってしまったりといった悲しいことがこれまでにたくさん起きているのです。私たちは、そうした問題をなくしていきたいと考えています。</p><p>――実は私にも、請求もれの経験が何回かあって…とても共感します。</p><p><strong>井藤:</strong>この請求もれをなくすために、弊社では「保険簿」というアプリを軸に事業を展開しています。「保険簿」は、保険の書類を撮影すると自動でデータ化されて、入っている保険を簡単に管理できるというアプリです。家族との共有もできますし、「病気になった」「ものが壊れた」などの該当項目から、請求できそうな保険をレコメンドするといった機能も提供しています。こうした請求もれを防ぐ仕組みを、日本の保険加入者全員に使ってもらえることを目指して、将来的には保険加入後のあらゆることがワンストップで完結する、便利でシンプルな仕組みを作っていきたいと考えています。</p><p>――保険事業者に向けたサービスも提供しているんですよね。</p><p><strong>井藤:</strong>はい。消費者の皆さんに使ってもらうためには、あらゆる保険事業者と協力していかなければいけません。弊社は保険の販売には一切手を出さないと決めているので、「保険を売られる」と加入者側に嫌がれることもないですし、保険代理店や保険会社などのあらゆる保険事業者と協力できるという立ち位置をキープしています。保険事業者向けには「保険簿 for Business」というSaaSを提供しています。保険担当者がお客さんの保険情報を一緒に見てアドバイスできたり、チャットができたりと、いわば「かかりつけ」の保険担当者として、きめ細かく顧客のフォローができるようにするサービスです。</p><p><strong>岩田:</strong>保険会社側も、ちゃんと必要な時には保険金を請求してほしいと思っているんですよね。</p><p><strong>井藤:</strong>2000年代に、保険業界では「保険金未払い問題」というのが大きな問題になりました。これは、保険金が請求できることがわかりうる状況だったにもかかわらず、さまざまな理由で払わなかった・払えなかったという、多くの保険会社で明るみになった問題です。その後、必要な時にちゃんと請求してもらうための取り組み(請求勧奨)が進められてきました。そしてここ5年ほどで、金融庁主導でさらなる顧客本位の業務運営が叫ばれるようになってきています。こうした背景もあり、とことん消費者のためになるサービスを作っていけば、自然と保険事業者にもメリットを提供できると考えています。</p><p></p><h2><strong>保険の「請求もれ」は年間1.6兆円</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/02/22/12/50/07/8efe8ba6-f130-48d8-9c82-23c384e89223/radio16_02.jpg" link_href="" link_target=""></div><p>――実際に、保険って本当に難しいと感じます。誤解を生まないために細々といろんなことが書いてあるパンフレットや、「これ読んでおいてください」と渡されるCD-ROMだったりと、必要な情報は一応全部受け取るんですけど、私は結局のところ請求もれとなってしまったわけでして…。新卒の頃にレーシック手術をしたのですが、父が掛けてくれていた保険では適用だったらしいんですね。</p><p><strong>井藤:</strong>今は違うのですが、2007年以前に契約している医療保険では、レーシックは適用になるんですよね。</p><p>――私は目が弱くて他にもいろんな治療を定期的にしていたのですが、10年くらい経ってから、父から、それらも保険が適用できる治療だったと言われました。先ほど言ったレーシックは、新卒の初ボーナス全部つぎ込んで受けたのに(笑)。「もし父が掛けてくれていた保険を使えていたら、初ボーナスで一緒に何か美味しいもの食べに行けたかもしれないのにね」と、今では笑い話ですが…。</p><p><strong>岩田:</strong>貯蓄の一種みたいな考え方も、昔はありましたからね。保険に入っているというよりは、満期になったら解約して定期預金みたいに受け取るようなイメージでいると、なおさら保険の内容は忘れてしまいがちかもしれないですね。</p><p><strong>井藤:</strong>解約返戻金や満期金を目当てに保険加入している人で、保険料の払い込みが終わって口座からの引き落としもなくなり、保険証券もどこか行ってしまった…という場合、もしその人に何かあったら、家族はどうやってもその保険の存在を見つけることができません。私事ですが、昨年末に亡くなった祖母が認知症で、それに付け込まれてかなりいろいろな契約をさせられていたようなんです。まだ出てきていない保険契約や、請求もれがたくさんある予感がしていて、洗い出し頑張らないとな…と思っているところです。</p><p><strong>岩田:</strong>保険会社との契約って、1社だけではない人の方が多いですよね。「保険簿」では、それらを一元的に見られるというのがとてもいいと思っています。</p><p>――ちなみに、日本ではどれくらいの人が保険に入っているのでしょうか?</p><p><strong>井藤:</strong>世帯の割合で見ると、生命保険が80%、火災保険が90%と言われています。ですから、火災保険やクレジットカード付帯の保険も含めると、保険に入っていないという人はほぼゼロに近いんじゃないでしょうか。</p><p>――では実際に、請求もれというのはどれくらいあるのでしょうか?</p><p><strong>井藤:</strong>弊社がフェルミ推定で算出したものでは、1.6兆円という結果が出ています。保険金の支払いは年間約18兆円なので、決して少なくない数字です。実際のところ、肌感覚ではもっとあると感じています。</p><p>――「保険はお守り」という言葉もありますが、単なるお守りではなく、実際の生活で効力を発揮するもののはずです。しかし、それを使いこなせていない人は本当に多いということなんですね。</p><p></p><h2><strong>東日本大震災の現場で知った「請求もれ」が転機に</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/02/22/12/51/49/8cdb3f6a-379e-484f-8dd6-7daa3077e9b2/radio16_03.jpg" link_href="" link_target=""></div><p>――保険分野でのスタートアップというのはあまり聞きませんが、井藤さんはどうしてこの業界で起業しようと思ったのですか?</p><p><strong>井藤:</strong>最初のきっかけは、大学時代まで遡ります。私は大学時代に保険業界の研究をしていたのですが、そんな中で2011年に東日本大震災が起こりました。現地にボランティアに行ったことで、保険の請求もれが多く起こっている現実を知りました。卒論を書く頃にはちょうどマイナンバーの話が出てきていたこともあり、個人のアカウントにすべての保険契約が紐付いていれば、管理が一元化でき、請求をはじめとしたすべての手続きがワンストップでできるという世界を構想し、卒論としてまとめたのです。<br>卒業後は保険業界で仕事をしていましたが、結局マイナンバーの利用はなかなか進まず、保険業界のさまざまなしがらみも知りました。業界に身を置く中で見えてきた課題も、それを突破する方法も見えてきたところで、「多分『保険簿』で起業するだろうな」と思いながら1年システムエンジニアをしてITについての理解も深め、2018年10月に創業しました。</p><p>――「保険簿」を世の中に出すためにたどってきたような経歴ですね。3.11の現場もご自身の目で見られているということにも、熱い思いを感じます。</p><p><strong>岩田:</strong>井藤さんが素晴らしいのは、本当に顧客目線でやっているというだけでなく、テクノロジーをどう活用して、より便利にしていくか、より多くの隠れたニーズに応えていくかということを非常によく考えて、実行しているところです。マイナンバーが話題になり始めた当初から、保険と結びつけて考えられているのもその現れのひとつですよね。スタートアップとしてできることは何かを考え、自分が考えついたソリューションを広めるための情報発信などもしっかりしているし、プレゼンテーションもとてもわかりやすい。自分のミッションを固く信じ、そのためにできることは何でもやっていく、想いの強い起業家だと感じています。</p><p>――MIRAISEとのご縁はどのように繋がったのでしょうか?</p><p><strong>岩田:</strong>僕らはどちらかというと選んでいただいたという感じですね。井藤さんはバランスをよく考えていて、自分たちに足りないところを補える投資家、VCを探していて、技術的なサポートができるということでMIRAISEを選んでくださいました。そうした発想や行動からも、ミッションへの最短距離をしっかりと考えて、実行しているという印象を持ちました。</p><p><strong>井藤:</strong>昨年8月に資金調達を行ったのですが、そんなにすんなりいったわけではなく、苦戦もしました。しかし、MIRAISEさんに出資していただけるというベストな結果となったのは、本当によかったと思っています。今後は、MIRAISEのさまざまなサポートもどんどん活用していきたいと考えています。</p><p><strong>岩田:</strong>保険というのは、実は顧客満足度が上がるタイミングが少ない業種なのかなと思います。加入した時の「これで家族も安心だ」「これで自分に何かあっても大丈夫」などの安心感がそのひとつだと思いますが、顧客満足度が最大化するのは、やはり保険金が支払われたときだと思うんですよね。そのチャンスが失われている状態だと、保険会社は顧客満足度を上げる機会がすごく減ってしまう。そういう意味では、「保険簿」は業界全体にとっても非常に価値のあるサービスだと感じます。まさに「三方良し」ですね。</p><p><strong>井藤:</strong>現在、保険会社さんからの問い合わせも非常に多くあります。いい意味で想定外ですね。保険会社は、思った以上に請求勧奨に対して強い課題感を持っています。それは金融庁からのプレッシャーだけではなくて、保険会社で働く一人ひとりの方が、保険本来の役割をちゃんと果たしたいという想いをしっかり持っている故だと、話を聞く中で実感しています。</p><p></p><h2><strong>保険のあらゆる手続きがワンストップで完結できる世界に</strong></h2><div class="img-container"><img src="https://cdn.qurate.cloud/2021/02/22/12/53/27/184854a5-a8e2-43dc-b93e-fd9b0dc29021/radio16_04.jpg" link_href="" link_target=""></div><p><strong>岩田:</strong>保険会社からの視点で2つ質問があります。まず1つ目。顧客の囲い込みを狙うような動きはないのでしょうか?</p><p><strong>井藤:</strong>今は保険ショップのようにいろんなチャネルで保険に加入できるので、現実的に1社で囲い込むのは無理だという考え方が主流です。いい商品を作り、いいサービスを提供して顧客を増やそうという努力は各社もちろんしていますが、請求やアフターフォローなどの非競争領域に関しては、業界で協力していく方が効率がいいんじゃないかという発想にどんどん変わってきていると実感しています。</p><p><strong>岩田:</strong>2つ目。保険会社の、DXやインシュアテックへの関心は高まっているのでしょうか?</p><p><strong>井藤:</strong>DXに関しては、保険業界は他業界に比べて10年も20年も遅れているとよく言われています。実際にそのとおりで、率直に言うと業界全体が焦りを感じていて、DXには飛びついている感はありますね。保守的な業界という印象があると思いますが、今どんどんアクティブに変わっていこうというスタンスになってきています。</p><p>――業界も大きく変わっていくタイミングなんですね。今後、井藤さんが目指す世界とはどんなものでしょうか?</p><p><strong>井藤:</strong>一昨年の10月にサービスをリリースし、昨年は資金調達とメンバーの採用に力を入れ、無事にいい形で成果を出すことができました。基盤が整った今年は、カスタマーサクセスを徹底して、消費者の方にも、保険業界にも必ず喜んでもらえるサービスをしっかりと実現させていきたいと思っています。その先はもちろん、請求もれを防ぐためにいろんな保険会社との協力もしていきながら、保険加入後のあらゆることがワンストップで完結する世界を目指していきます。まずその前提として、保険の請求もれという潜在的な課題に気づいてもらうために、引き続き発信も強化していきたいと考えています。</p><p>――井藤さんの想いはnoteで日々発信されているので、気になる方はぜひ目を通してみてくださいね。「保険簿」が作る未来を、私たちも心待ちにしています。本日はありがとうございました!</p><p><br><br></p><p>◆<a href="https://www.hokenbo-ib.com/"><u> 株式会社IB</u></a><u><br></u>◆<a href="https://note.com/hokenbo"><u>井藤健太【保険簿のCEO】|note</u></a></p><p><br></p>