僕はかつてソフトウェアエンジニアでした。
20年以上前、外資系のソフトウェア企業で勤務していた頃、当時の日本ではあまり聞かないような会話が頻繁に耳に入ってきました。「同僚が起業する」「誰々の会社がIPOした」「〜のチームがごっそりスピンアウトしてベンチャーをやるらしい」等々。そして米国ではビジネスマンではなくエンジニアが起業するケースが少なくないことを知りました。その頃、理系でありエンジニアである自分が起業する(起業できる)とは微塵も考えていなかったのですが、そのような話を聞いているうちに夢のあるベンチャーの世界にすっかり魅了されました。そして同僚が起業していくのを見ていてとても身近に感じるようになりました。その後、元上司が設立したスタートアップに参画したことがきっかけで、以来スタートアップの世界に身を置いています。

MIRAISE発足の経緯


ハードウェアが主流の時代、日本ではエンジニア起業家たちがイノベーションを連発する世界的企業を創業しました。そして時は過ぎ、ソフトウェア(IT)主流の時代になると、米国で日本と同じことが起きます。エンジニア起業家が創業したスタートアップが次々とテックイノベーションを生み出したのです。Google、Facebook、Netscape、Twitter、YouTube、Instagram… そして欧州でも Skype、Spotify… 一方、日本ではエンジニアは起業しなくなり、起業家と言えばビジネスマンという状況になっていました。ハードウェア時代に一世を風靡していた日本は、ITの時代になると少しずつその輝きを失い始めていたのです。IT時代にかつてのようなエンジニアの起業家が日本で出てこないのは何故なのか。当時外資系のベンチャーキャピタルで勤務していた僕は、外から日本を見ていて疑問を感じていました。

その原因を考えていくうちに、これは一朝一夕に解決するのがとても難しいことだとわかりました。なぜなら教育や産業構造など無数の要素が複雑に絡み合っていたからです。その中で一つだけ、直接的で、明白で、独立していて、かつ自分が解決の一助になれるのではないか、というひとつの課題にたどり着いたのです。

それは「日本には、エンジニア出身で経営経験がある投資家がとても少ない。海外経験という要素を加えるとほとんど存在していない」ということでした。だからグローバル・スタンダードな視点からエンジニア起業家をサポート出来ていないんじゃないか、と。そこから時間を掛けて自分たちに出来ることを掘り下げて行き、以下の4つのバリューに至りました。

MIRAISE4つのバリュー


  • エンジニア起業家に特化:エンジニア発想のテックソリューションであればすべて投資検討対象とする。シード期であればビジネスモデルの有無は問わない
  • エンジニア投資家によるサポート:MIRAISEの投資担当者は皆エンジニアでビジネス経験が豊富。私たち自身が過去に経験した、エンジニアがビジネスをする時に陥りがちなポイントや「考え方の壁」に基づき、同じ目線でアドバイスする
  • コミュニティとピアラーニング:MIRAISE支援先スタートアップのエンジニア起業家は全員MIRAISEオンラインコミュニティ「4C」に参加。4Cでは経験豊富なメンター陣の他、同じ志を持つエンジニア起業家たちと学び合う「ピアラーニング」を実践
  • グローバルへのアクセス:MIRAISEが持つ欧州、米国、東南アジアのネットワークを起業家は活用してもらう。市場展開、海外投資家の呼び込みを支援する他、グローバル規模のスタートアップ起業家との交流を通じて意識を高めていく


MIRAISEはテクノロジーに投資しない


そして、もうひとつ大切にしていること。それはテクノロジーそのものではなく「エンジニアが発想するアイディア、テックソリューションに投資する」ということです。まさに「Skype」のようなソリューションを探しています。必ずしも難しい技術を使っている必要はありません。もしあなたがエンジニアであるなら、プロトタイプやアイディアだけで構いません。うっかり画期的なソリューションやプロダクトを思いついてしまったエンジニア、プログラマーの皆さん、そのテックソリューションは世界を変えるかも知れません。そのクレイジーなアイディアに本気で取り組んでみませんか。

MIRAISE一同お待ちしています。


Partner & CEO
岩田真一